老人ホーム訪問記

3路線利用可能な都市型ホーム 毎日通勤する入居者も

一般居室と介護居室があり、元気なうちは一般居室でこれまでと変わらない生活を送り、介護が必要な状態になったら介護居室に移る、というスタイルの高齢者住宅は、阪神間エリアでは珍しくありません。

それらの中で、神戸市東灘区の介護付有料老人ホーム「エレガーノ甲南」は居室の比率に特徴があります。他の高齢者住宅では、介護居室数は一般居室数の3割~4割程度のことが多いですが、エレガーノ甲南は一般居室105、介護居室101とほぼ同数となっています。
「ご入居者様の90%近くをホームで看取ります。今は一般居室でも、ほとんどの方は将来介護が必要になります。いざというときでも介護居室を確保できるように、ほぼ同じ居室数しています」と入居ご案内グループ小野陽仁さんは語ります。
 

開設は2006年。17年より住友林業子会社のスミリンケアライフが運営しています。人員員配置は1.5対1と手厚く、看護師24時間常駐(夜間2名)・館内にクリニック併設という体制で、医療的対応の必要な人やターミナル期の人でも入居が可能です。
しかし、JR・阪急・阪神の3路線とも徒歩圏内で、スーパーマーケットやスポーツクラブに隣接するといった「都市型立地」ということもあり、元気なうちに入居する人が多く、ホームから電車で通勤する入居者もいます。

エレガーノ甲南でも多分に漏れず、新型コロナウイスル感染症の影響で、外部講師によるアクティビティや面会などを制限してきました。しかし22年より徐々に緩和し、現在は「コロナ前の70~80%程度の状況」にまで日常生活が戻ってきています。コンサートや俳句、書道などの大きな声を出さないアクティビティを再開させただけでなく、元タカラジェンヌを講師に招いての美姿勢講座など新たなプログラムも始まりました。
 

通勤するなどお元気なご利用者様が多い中で、長期にわたり外出や面会を制限すること自体が難しいと考えました。職員だけでも110人という大規模コミュニティですので『感染を完全に防ぐ』のは非現実的です。
それよりも『万一感染者が出た場合に、拡大を防ぐ』という点に軸足を置くことにしました」。
また、家族との面会ができないことで、不穏になる認知症の利用者もいたという。「私たちはどんなに頑張っても家族にはなれません。ご利用者様の幸せな生活のためにはご家族の力が絶対に必要と考えています」。

今後については、感染状況次第ですが、文化祭などコロナ前までは恒例だった年中行事も実施する予定です。

また、スミリンケアライフでは、住友林業のノウハウを活かして「木の力」による住環境の改善に注力しています。エレガーノ甲南でも今年より、退去がある度に寝室の壁を本物の木(レッドシダー)に改修しています。「木の香りに包まれることで良質な睡眠が確保できという結果が住友林業の研究で得られている」とのことです。
 
また、同様に現在工事中なのが公開空地に設けられた「足湯」です。近隣住民のコミュニティの場として愛されてきましたが、コロナにより休止となっていました。今年中に再開する予定で、それに向けて屋根などの修繕を行っている最中です

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