車いすに体を合わせる?体に車いすをあわせる?
こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。
今回は 「車いすに体を合わせる?体に車いすをあわせる?」というテーマでお話してみたいと思います。
■車いすに体を合わせる?体に車いすをあわせる?
「車いすに体を合わせる?」「体に車いすをあわせる?」と聞かれた際、みなさんはどんな考えが浮かぶでしょう。
そもそも、突然そんなこと言われてもあまりピンとこないかもしれませんが・・・。
少しわかりやすい例えで言えば、みなさんが服を買うときにはどうしますか?かならず自分の体のサイズに合った服を選ぶと思います。S/M/Lサイズで言えば私はMサイズ、とか、シューズなら足のサイズに合わせて選ぶと思います。
このように服選びは、当然ですが、体に合った服を選びますよね。
では車いすを選ぶ際はどうなのか?というと、実際のところ、車いすに体を合わせるケースがまだまだ多いように思います。
昔に比べれば、車いすも多様な機種が増えてきて、体のサイズに合わせていろいろな機種が選べられるようになっています。
しかし、ご利用者に本当に合った機種が選ばれているのか?というと、やや首をかしげてしまうこともあったりします。
ということで、ここからは、車いす・体を合わせる上での3つの車いすの種類、「標準型」「多機能型」「モジュール型」について書いてみたいと思います。
■からだに車いすをあわせるうえで最も適している「モジュールタイプ」の車いす
からだに車いすを合わせるという点ではモジュールタイプの車いすがとても優れています。
イラストのように体にあっていない車いすだと、体が前に滑ってしまい、ずっこけた姿勢になってしまいます。
モジュール型車いすは、調整できる箇所が非常に多く、その方の体に合わせた調整が可能な機種。機種にもよりますが、主な調整できる箇所としては、
・座高・座幅・肘掛高・足台高さ・足台前後位置・後輪位置・背もたれ高・背もたれ張り調整・背もたれ角度・・・
など、さらに足台スイングアウト・肘掛け跳ね上げ機能など、移乗しやすくするための機能もついていて、体に合わせた調整がしっかり行える機種になっています。
姿勢だけでなく、駆動の仕方によっても最適な設定が選べるので、使い方を突き詰めて考えて行くうえでは、モジュールタイプの車いすはユーザーの可能性を広げてくれる機種になります。
■主に移乗のしやすさを実現する「多機能タイプ」の車いす
多機能型車いすは、足台スイングアウト・肘掛け跳ね上げ機能がついた車いすです。
この2つの機能は、主にベッドから車いす、といった乗り移りのしやすさで効果を発揮します。
足台や肘掛け部分の出っ張りは、乗り移りをする際に邪魔になり、乗り移り時の体の方向を制限します。
しかしながら、足台や肘掛けを外すことができることで、ベッドに車いすを横付けして、真横から乗り移りできたりするのです。
ご利用者一人でも、介助者が介助する場合のどちらも、過度な負担なく移乗動作が行えるのでとっても便利です!
ちなみに、多機能タイプの他の調整箇所としては、機種にもよりますが、背もたれ張り調整・足置き高さ調整といった機能がついていたりします。
■調整できるのは足台の高さくらい・・・標準タイプの車いす
モジュールタイプ・多機能タイプに比べて、体を車いすに合わせざるを得ないのが、標準タイプの車いすです。
正直、調整できるのは足台の高さくらい・・・。
どちらかというと、体に合わせた車いすの設定はほぼ皆無であり、最低限短時間の移動手段のみとして使うことに向いています。
■なるべくなら体に合った車いすを選んであげたい!
ということで、車いすに体を合わせる・体に車いすを合わせる、の視点からみた3つの機種について書いてみました。
体に合った服を選んであげるように、車いすも体に合ったものを選んであげることで、その方の生活も大きく変わってきます。
体に合った車いすであれば、良い姿勢で過ごせるので体の変形や二次障害を防ぐこともできますし、移動もしやすくなることで生活範囲も広がったりします。
ご利用者の体の一部にもなる車いす選び、ぜひ体にあったものを選んで、生活の質の向上を図りましょう!
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!
これからも、「介護の三ツ星コンシェルジュ」にて、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!
ではでは