レンタル販売選択制4種目④特殊杖はレンタル?販売?どちらがいい?
こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。
今回は 、4月からの報酬改定でルール変更となった「レンタル販売選択制」の対象商品の一つ、「特殊杖」の選び方についてお話して見たいと思います。
■福祉用具のレンタル販売選択制とは?
そもそも、「福祉用具のレンタル販売選択制って何?」という方のために簡単に説明すると、介護保険制度でこれまでレンタル対象となっていた商品のうち、「歩行器(車輪のついてないタイプ)」「多点杖」「特殊杖(松葉杖除く)」「ミニスロープ」の4つについては、2024年4月から、レンタルだけでなく、販売も可能になったよ、という話のことです。
■特殊杖とは?
今回お話する「特殊杖」ですが、主にロフストランドクラッチのようなを特殊な形状をした杖のことです。
ロフストランドクラッチは、手で握るグリップ部分の他に、上腕を囲ってサポートするカフ部分がついていて、握力の弱い方でも使うことができる杖。
他にも、上腕を支持するパッドが付いていて、リウマチの方なども負担なく使える特殊な杖もあったりします。
写真出典:日進医療器ホームページ 「プラットフォームクラッチ」
(最終アクセス2024年06月06日 掲載許可済み)
https://www.wheelchair.co.jp/files/pam/pam_platf_02.pdf
介護保険レンタル料金は月々100〜150円くらい(利用者負担1割の場合)。
安価で導入できる商品です。
※松葉杖も特殊杖のひとつですが、今回のレンタル販売選択制では対象外となっています。
■レンタル販売選択制によって、レンタルするか?購入するか?のポイント
そんな特殊杖ですが、レンタルにするか?販売にするか?どっちにするか判断するうえでのポイントは、レンタルと販売の長期的なコスト。
判断材料として、ざっと下記の点が挙げられます。
●レンタルのほうが有効なケース
・身体状況の変化などで商品を変更する可能性が高い
・商品故障や劣化で商品や部品を変更する可能性が高い
●販売の方が有効なケース
・長期間変更なく同じ商品をレンタルし続ける
この点で考えると、多点杖については、レンタルの方が適しているケースが多そう。
・体の状態変化により、機種変更の可能性がそこそこ高い
・屋外で頻繁に使う場合、杖先ゴムが摩耗し、先ゴム交換の頻度が高い
特に杖先ゴムの交換については、介護保険レンタルの場合であれば、部品交換の費用もレンタル料に含まれているのですが、購入の場合だと、部品代や(場合によっては手間賃も)実費がかかってしまい、余分に料金がかかってしまいます。
■ちなみにこういう点も含めて選ぶと良い
レンタル販売選択制については、まだ色々と細部でどうすればいいのか、福祉用具事業者としても判断に迷う点が多くあったりします。
例えば、販売を選択したあとに、商品の点検をして欲しい、となった場合の対応。
レンタルの場合であれば、半年毎に、レンタルしている商品のモニタリングを行うのですが、その際の訪問や点検に料金はかかりません。
月々のレンタル料金にモニタリング訪問・点検の料金が含まれているためです。
しかしながら、購入した場合は、その後に商品を点検して欲しい、となった場合、そこにかかる出張費・手間賃が発生することになります。
・・・ただ、これまでのレンタルでは定期的なモニタリングも無料、という習慣が定着している中で、販売の場合はモニタリングは手間賃がかかります、となった際にご利用者側・ケアマネジャー側がどこまでそこに対して受け入れてもらえるのか?
本来ならば、購入代には含まれないコストが発生している為、当然手間賃はいただくのが本筋ではあると思うのですが、手間賃の部分に踏み込んでいけるのか、悩ましいというのが正直なところです。
ということで、今回は福祉用具のレンタル販売選択制の種目のひとつ「歩行器(車輪のないタイプ)」についてお話させていただきました。
今後もルール改正などがあった場合は、そのルールについてわかりやすくお伝えしていく予定ですので、是非参考にしていただければと思います!
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!
これからも、「介護の三ツ星コンシェルジュ」にて、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!
ではでは