福祉用具について

レンタル販売選択制4種類③歩行器(車輪のないタイプ)はレンタル?販売?どちらがいい?

こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。

今回は 、4月からの報酬改定でルール変更となった「レンタル販売選択制」の対象商品の一つ、「歩行器(車輪のないタイプ)」の選び方についてお話して見たいと思います。

■福祉用具のレンタル販売選択制とは?

そもそも、「福祉用具のレンタル販売選択制って何?」という方のために簡単に説明すると、介護保険制度でこれまでレンタル対象となっていた商品のうち、「歩行器(車輪のついてないタイプ)」「多点杖」「特殊杖(松葉杖除く)」「ミニスロープ」の4つについては、2024年4月から、レンタルだけでなく、販売も可能になったよ、という話のことです。

■車輪のないタイプの歩行器とは?

今回お話する「車輪のないタイプの歩行器」ですが、「車輪のない歩行器って何よ?」とイメージがつきづらいかもしれません。

具体的にいうと、脚先が杖と同じように先ゴムが付いていて、一歩一歩進む事に持ち上げて使う歩行器のこと、といえばご理解いただけるでしょうか?添付のイラストのようなタイプです。

ちなみに、車輪のないタイプの歩行器は、固定式と交互式の2つのタイプがあります。固定式は歩行器を持ち上げて前へ、それに合わせて歩を進める、というタイプ。

交互式は左側を前へ・右側を前へ・・・と歩を進めるのに合わせて歩行器の片側を交互に前へ出していくタイプ。

車輪がないので前に滑っていくことがなく安定感はありますが、本体を持ち上げる労力は人によっては負担に感じるかも。
介護保険レンタル料金は月々200円くらい(利用者負担1割の場合)、安価で導入できる商品です。

■レンタル販売選択制によって、レンタルするか?購入するか?のポイント

ということで、レンタル販売選択制の対象となっている歩行器(車輪のないタイプ)ですが、レンタルにするか?販売にするか?どっちにするか判断するうえでのポイントは、レンタルと販売の長期的なコスト。

判断材料として、ざっと下記の点が挙げられます。

●レンタルのほうが有効なケース
・身体状況の変化などで商品を変更する可能性が高い
・商品故障や劣化で商品を変更する可能性が高い

●販売の方が有効なケース
・長期間変更なく同じ商品をレンタルし続ける

この点で考えると、歩行器(車輪のないタイプ)については、状態変化が少ない場合は販売、状態変化が多い場合はレンタルの方が適しているように思えます。
・体の状態変化が見込まれる場合は、機種変更の可能性がそこそこ高い
・屋外で頻繁に使う場合、脚先ゴムが摩耗し先ゴム交換の頻度が高いが、車輪なしの歩行器は屋内で使うことが多く、脚先ゴムの摩耗はあまり想定しづらい
(※脚先ゴムの交換については、介護保険レンタルの場合は部品交換費用もレンタル料に含まれますが、購入の場合は部品代が全額実費でかかってしまう)

以上の理由から、身体状況の変化が今後想定される場合はレンタル、身体状況が安定されると想定される場合は販売の方が有効であると考えます。

■ちなみにこういう点も含めて選ぶと良い

レンタル販売選択制については、まだ色々と細部でどうすればいいのか、福祉用具事業者としても判断に迷う点が多くあったりします。

例えば、販売を選択したあとに、商品の点検をして欲しい、となった場合の対応。

レンタルの場合であれば、半年毎に、レンタルしている商品のモニタリングを行うのですが、その際の訪問や点検に料金はかかりません。
月々のレンタル料金にモニタリング訪問・点検の料金が含まれているためです。

しかしながら、購入した場合は、その後に商品を点検して欲しい、となった場合、そこにかかる出張費・手間賃が発生することになります。

・・・ただ、これまでのレンタルでは定期的なモニタリングも無料、という習慣が定着している中で、販売の場合はモニタリングは手間賃がかかります、となった際にご利用者側・ケアマネジャー側がどこまでそこに対して受け入れてもらえるのか?

本来ならば、購入代には含まれないコストが発生している為、当然手間賃はいただくのが本筋ではあると思うのですが、手間賃の部分に踏み込んでいけるのか、悩ましいというのが正直なところです。

ということで、今回は福祉用具のレンタル販売選択制の種目のひとつ「歩行器(車輪のないタイプ)」についてお話させていただきました。

今後もルール改正などがあった場合は、そのルールについてわかりやすくお伝えしていく予定ですので、是非参考にしていただければと思います!

というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!

これからも、「介護の三ツ星コンシェルジュ」にて、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!

ではでは

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