高齢者の病気・疾患

介護職が知っておくべき誤嚥の知識

こんにちは!「しんぶろぐ〜介護ノート~」を運営しているしん(@shinbloger)です。
簡単に自己紹介させてください。

・13年以上の介護経験がある現役の介護士です。
・介護福祉士と福祉用具専門相談員の資格を持っています。
・認知症デイサービスの相談員4年以上の経験があります。

今回は、介護職が知っておくべき誤嚥の知識について、記事を書きました。
3分ほどで読める記事なので介護職の方は読んでみてください。

誤嚥とは?

誤嚥とは、口から入れた食べ物や飲み物が、誤って気道に入ってしまうことです。

この状態は、喉に詰まりや窒息を引き起こす可能性があり、特に高齢者や飲み込みが弱い人、または嚥下障害を抱える人にとっては重大な健康リスクとなります。

介護職員は、誤嚥を予防するために、利用者様の嚥下機能や姿勢を適切に評価し、
必要に応じて介助することが大切です。

また、利用者様が十分に咀嚼でき、飲み込みやすい食事や飲み物を提供し、
食事中は注意深く観察することで、異変があった場合は速やかに対処することが必要です。

誤嚥性肺炎とは?

誤嚥性肺炎とは、喉や食道から誤って食べ物や飲み物が気管や肺に入り、炎症を引き起こす病気です。

通常、食べ物や飲み物は食道を通って胃に運ばれますが、嚥下機能に問題がある高齢者や嚥下機能障害のある人は、誤って気管や肺に入ってしまうことがあります。

これにより、肺に異物が入ることで炎症が引き起こされ、肺炎を発症することがあります。
介護職は、食事や水分摂取のサポートをする際に、誤嚥を防ぐために正しい姿勢や飲食のペース、飲み込み方などに配慮することが重要です。

また、食事の介助や口腔ケアによって、口や喉を清潔に保つことも誤嚥を予防する上で大切な役割となります。

誤嚥が疑われるサイン

誤嚥が疑われるサインには、以下のようなものがあります。

✔︎咳やくしゃみをすることが多い。
✔︎食事中にむせることがある。
✔︎飲み物を飲むときに、喉を鳴らすような音がする。
✔︎食べ物や飲み物を口の中でぐちゃぐちゃにする。
✔︎胃液が上がってくる
✔︎喉が痛いと訴える。
✔︎声がかすれている。
✔︎呼吸が荒くなっている。
✔︎顔色が変わっている。 など

これらのサインがある場合には、誤嚥が疑われる可能性があります。介護職は、食事中や飲み物
を提供する時に、利用者の表情や声、呼吸などを注意深く観察することが大切です。異変を察知
した場合は、速やかに対処する必要があります。

介護職が知っておくべき誤嚥の知識

続いて、介護職に知っておいてほしい誤嚥のリスクを上げる行為を紹介します。

たんぱく質を多く含む食品は誤嚥性肺炎のリスクを上げる
タンパク質を豊富に含んだ食塊を誤嚥することで、菌の培地となり誤嚥性肺炎が発症しやすくな
るという医学的データがあります。
姿勢が悪いと誤嚥しやすい
食事をしている時の姿勢が悪いと、食べ物が飲み込みにくいだけでなく、誤嚥のリスクも高まりま
す。なので、食事の時は正しい姿勢を作ることが大切です。

✓正しい食事姿勢とは?

・深く腰掛けた状態で足が床にしっかりとつき、膝が90度に曲がるイスを選ぶ
(足が届かない場合は足元に雑誌などを置いて調整)
・イスの背にもたれず、上半身は軽く前かがみで、顎を少し引く
・テーブルは、座ったときに肘をつけられる高さに
・身体とテーブルの間は、握りこぶし1つ程度の間隔をあける
・食器は手の届く位置に置く
・食器と口の距離が遠い場合は、食器の下に台を置く
介護職員は、利用者様の誤嚥を予防する為正しい食事姿勢が作れているか確認することが大切で
す。

食べなくても誤嚥性肺炎になる

高齢者の中には、口から食事をとることができなくて、胃へ直接栄養補給をするいわゆる胃ろうの方も多くいます。
口から食事をとらないから誤嚥しないは大きな間違いです。

睡眠中などに、胃内からの胃液や食物が気管や肺に流れ込むことがあり、その結果、誤嚥性肺炎を発症することがあります。
胃ろうをしている利用者様にとって、誤嚥性肺炎は重篤な合併症となる可能性があります。

なので、介護職員は、誤嚥性肺炎の予防に努めることが重要です。

具体的には、利用者様の姿勢を正しく保ち、胃ろうからの液体や食物の流れを監視することが必要です。また、食事の介助や口腔ケアによって、口や喉の清潔を保つことも誤嚥を予防する上で大切な役割となります。

パーキンソン病は嚥下障害があるので誤嚥のリスクが高い

パーキンソン病の症状の一つに嚥下障害があります。嚥下に必要な筋肉が弱くなることにより、
食物や唾液が詰まりやすくなったり、、口の中に食物を残してしまったり、飲み物をこぼしてしまったりすることもあります。

嚥下障害がある場合、誤嚥性肺炎の発症リスクが高まるため、注意が必要です。介護職員は、パーキンソン病の利用者様に対して、食事の介助や食事中の状態を注意深く見守ることが必要です。また、口腔ケアや口内マッサージなどを行い、口の中を清潔に保つことも大切です。

片麻痺の方は麻痺側に残渣物が残りやすい

片麻痺の方は、麻痺側に残渣物が残りやすいです。麻痺がある側の筋肉や神経が機能しなくなるため、
食べ物が正常に咀嚼されず、口の中での飲み込みや嚥下がうまくできなくなるためです。

介護職員は、片麻痺の方の食事の介助をする際には、特に麻痺側の口や喉に食べ物が残らないように注意深く見守ることが必要です。
また、口腔ケアで麻痺患側に残った残渣物をしっかりと取り除くことも重要です。

覚醒していない状態での食事は誤嚥のリスクが上がる

覚醒していない状態での食事は、誤嚥のリスクが上がります。その理由としては、覚醒していない状態であるため、飲み込むための意識が低下しているためです。

つまり、意識が低い状態で食事をしていると、咀嚼や嚥下などの食事の制御がうまく機能せず、食べ物が気道に入ってしまう誤嚥のリスクが高くなります。

介護職員は、食事介助をする時に利用者様の意識レベルを確認して、安全に食事ができるように配慮する必要があります。

まとめ

今回は、介護職が知っておくべき誤嚥の知識について解説しました。

✓本記事のおさらい

・たんぱく質を多く含む食品は誤嚥性肺炎のリスクを上げる
・姿勢が悪いと誤嚥しやすい
・食べなくても誤嚥性肺炎になる
・パーキンソン病は嚥下障害があるので誤嚥のリスクが高い
・片麻痺の方は麻痺側に残渣物が残りやすい
・覚醒していない状態での食事は誤嚥のリスクが上がる

この記事が、介護スタッフのみなさんの一助となれば幸いです。

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