高齢者の病気・疾患

新人介護職が最低限知っておくべき高齢者の疾患5つ

こんにちは!「しんぶろぐ〜介護ノート~」を運営しているしん(@shinbloger)です。
簡単に自己紹介させてくだい。

・15年以上の介護経験がある現役の介護士です。
・介護福祉士と福祉用具専門相談員の資格を持っています。
・認知症デイの相談員4年以上の経験があります。

高齢者の疾患は数多くあり、介護職がすべてを把握するのは現実的ではありません。
特に、医療専門職ではない介護職にとって、病気に関する知識を深める時間は限られています。

そこで、15年の介護経験を持つ僕が、新人介護職向けに厳選した、最低限知っておくべき高齢者の疾患とその基本的な症状を解説します。
この記事の情報は、きっと介護の現場で活かせる機会があるので、ぜひ最後まで読んでください。

認知症

最初に紹介するのは、認知症です。
近年、認知症を患う高齢者は増加傾向で、多くが介護施設で生活しています。介護職にとって認知症の理解は必須の知識と言えます。

認知症には、大きく分けて4つの病気があります。

・アルツハイマー型認知症
・レビー小体型認知症
・脳血管性認知症
・前頭側頭型認知症

それぞれの症状や特徴について、掘り下げます。

・アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、高齢者に最も多い認知症で
主な症状は記憶障害です。

具体的には、「今日がいつなのかわからない」「朝何を食べたかわすれてしまう」など、短期記憶が苦手になります。
記憶ができないことで、不安になったり、間違ったことを言ってしまいます。

アルツハイマー型認知症の方の声掛けは難しいですよね。
怒られたり、叩かれたり、介護拒否などは、介護職なら誰もが経験してると思います。
15年選手の僕も、声掛けに失敗して、怒らせてしまうことが今だにありますから。

ケアのポイントを一つ上げるなら、「否定しないこと」です。
たとえ相手が言っていることが間違っていても、否定せず受け止める。これを意識することで、対応がうまくいくのでぜひ実践してみてください。

・レビー小体型認知症

2つめは、レビー小体型認知症です。この認知症の主な症状は、幻視、認知能力の変動です。
具体的には、「見えないものが見える」「壁のシミが虫に見える」など、幻視によって、不安や恐怖を感じてしまいます。

朝ニコニコ話していた利用者さんが、夕方になって急に怒り出してビックリしたことがあります。
これ典型的なレビー招待型認知症の認知能力の変動です。

この病気の対応は、かなり難しいです。一つケアのポイントを上げるなら、環境を整えることです。
幻視は、暗い所や影で起こりやすいので、明るい部屋にすることで防げることがあります。

・脳血管性認知症

3つ目は、脳血管性認知症です。
この認知症は、脳梗塞や脳出血などの、脳の血管の病気がキッカケとなって発症します。
そのため、障害されている脳の部位や程度によって症状は異なります。

アルツハイマー型認知症と比べると、短期記憶は比較的保たれてることが多いです。
ただ、認知症だけでなく、手足の麻痺や呂律が回りにくいなど、脳を障害されることで併発する症状も合わせてもっていることが多いです。

なので、麻痺側を支える介護技術が必要になります。

・前頭側頭型認知症

最後に紹介するのは、前頭側頭型認知症です。
この認知症は、理性や感情をコントロールすることが苦手になります。
そのため、相手に遠慮ができなくなり、暴力や暴言を吐く、万引きをしてしまうこともあり、とても難しい認知症です。

ケアのポイントは、イライラの原因をできるだけ取り除き穏やかに過ごせる環境を整えること。
また、周りにも病気の理解をしてもらうことも大切です。

以上が、それぞれの認知症の症状や特徴になります。
 

パーキンソン病

次に紹介するのは、パーキンソン病です。
介護施設には、この病気を患った利用者さんが結構います。

パーキンソン病は、脳の神経細胞の減少が原因で発症し、主な症状は、運動能力の低下です。
小刻み歩行になったり、足が前に出にくくなります。
つまり、転倒リスクがとても高い病気なんです。
歩行時は介助が必要になります。

ただ、薬で運動能力が向上させることができます。
だけど、薬の効果が切れるとガクッと運動能力が落ちる。
ちょっと前まで、スタスタ歩けていたのに、急に歩けなくなってしまうことがあります。

なので、薬の効果時間を把握しておくことや薬を定時でしっかり服薬することが大切です。

脳卒中(脳梗塞、脳出血)

次に紹介するのは、脳の血管が詰まる脳梗塞や、脳の血管が破ける脳出血などの脳卒中です。
この病気は、ある日突然発症し、状態が急変します。具体的には、急激な頭痛や、呂律がまわらない、顔が歪むなどの症状がでます。

僕の体験談を語ると、介護施設で、利用者Aさんがいつもと様子が違う、湯舟をうまくまたげないと申し送りを受けました。顔見ると右口角が下がっていて、明らかに脳梗塞の症状でした。
慌てて、救急搬送した経験があります。幸い後遺症はほとんどありませんでした。

脳卒中は、治療が遅れれば後遺症が残ったり、死に直結することさえある怖い病気です。

高齢者は、症状が出ても訴えることができない方が多いです。
そのため、発見が送れて重症になることもあります。
なので、一番高齢者の近くにいる介護職は、変化に気づいてあげることが大切です。

・では、気づくには何が必要なのか?

それは、普段から利用者さんを観察して、違いに気づく力を養うことです。
観察を繰り返すと「今日は表情が暗いな」「食欲がないな」など、気づくことが徐々にできるようになります。利用者さんを観察することを癖づけましょう。

骨粗しょう症

次に紹介するのは、骨粗しょう症です。
この病気は、骨の密度が減少し脆くなる病気で、高齢者に多く見られます。

骨粗しょう症は、転倒や些細な衝撃で骨折しやすくなり、特に腰や腕、脚の骨折が多いです。
重症の骨粗しょう症だと、寝返りをうっただけで骨折してしまうこともあります。

骨折すると、歩けなくなったり、起き上がれなくなるなど、ADLが低下します。
利用者さんも痛くて辛いし、介護職も仕事量も増加するので、出来る限り防ぐべきです。

骨折を防ぐためには、カルシウムやビタミンDを含む食事の摂取、適度な運動、そして日光浴が効果的です。

あと介護職は、適切な介護技術を身につけましょう。
間違った介護技術は、骨折を引き起こす原因となります。介護技術は、勤務する介護施設で研修があったり、マニュアルが用意されているはずなので、それらで勉強してください。

高血圧

最後に紹介するのは、高血圧です。
高齢になると血圧は上昇しやすくなるので、高血圧症の高齢者はとても多いです。
この病気は、静かな健康の脅威とも呼ばれ、長期間にわたり無症状で進行し、
血圧が常に高い状態が続くと、心臓病や脳卒中などの重大な健康問題を引き起こすリスクが高まります。

そのため、普段から血圧のコントロールが大切です。
介護職として、利用者の血圧を定期的にチェックし、医師の指導に従い、適切な薬物療法や生活習慣の指導に協力しましょう。

まとめ

今回は、介護職が知っておくべき高齢者の疾患を5つ紹介しました。
紹介した疾患は、高齢者に多く見られ、適切な対応をするためには基本的な知識が不可欠です。

各疾患の特徴を理解し、予防とケアの方法を学ぶことで、
介護の質を向上させ、高齢者の生活の質を保つことができます。

これを機に、高齢者の疾患について、勉強していきましょう。

今回は以上になります。


介護の三ツ星コンシェルジュ

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