介護以外について

介護士が持っている介護観

こんにちは!「しんぶろぐ〜介護ノート~」を運営しているしん(@shinbloger)です。
簡単に自己紹介させてください。

・13年以上の介護経験がある現役の介護士です。
・介護福祉士と福祉用具専門相談員の資格を持っています。
・認知症デイサービスの相談員4年以上の経験があります。

今回は、介護経験13年以上の僕が、介護士が持っている介護観についてコラムを書きました。
3分ほどで読める記事なので読んでみてください。

介護観とは?

介護観とは、介護士が持つ考え方や意識、価値観、働き方などについて言及することです。
具体的に言うと

・介護を受ける人のニーズや希望に応えるよう心がけること。
・介護を受ける人が自立して行動できるよう支援すること。
・プロフェッショナルとして専門的な知識や技術を磨き、自己肯定感を持つこと。
などが考えられます。

シンプルに介護観を一言で表現するなら「介護士が働く上で大切にしていること」です。

この介護観は、介護士一人一人が持っていて、介護士の数だけ違う介護観があります。

介護士の介護観の事例

たとえば、入浴を嫌がっている入居者様がいるとします。どこの施設でもある事例だと思います。

職員Aさんは「入浴を嫌がってるんだから、無理して入浴する必要がないですよ。また今度誘えばいいと思います。」と言います。
職員Bさんは「1週間も入浴できていないから衛生的によくない。家族の要望もあるし入浴してもらった方がいいです。」と言います。
職員Cさんは「入浴を嫌がってるなら、清拭だけでもさせてもらえないか話してみよう。」と言います。

Aさんは「入居者様の気持ちを尊重して、入浴はしなくていい」という考えです。
Bさんは「衛生的によくない、入浴しなければ病気になるかもしれないから入浴したほうがいい」という考えです。
Cさんは「入浴を嫌がってるなら無理強いはできない。でも衛生面も確保したい。妥協案として清拭がいい」という考えです。

このように介護士それぞれによって考え方(介護観)は違います。

ですが、AさんもBさんもCさんも入居者様のことを思って考えた答えになります。
なので、そこにどれが正解でどれが不正解なんてありません。

僕が経験した介護観のズレ

僕の介護観と同僚(職員X)の介護観のズレから学んだ教訓について紹介します。
つい先日の話になります。
僕はデイサービスの管理者をしているのですが、利用者様が1日追加利用を希望され、対応可能だったので追加利用ができることを利用者様に伝えました。

追加利用日の2日前に、職員Xが濃厚接触者となってしまい、出勤できなくなり追加利用日が人員不足になってしまいました。

なので、追加利用の許可を一度だしたのですが、僕は利用者様に状況を説明しました。

「○○さんごめんなさい。職員の○○が濃厚接触者になってしまい追加利用日が人員不足になってしまったので、お迎えにいけそうにありません。別案として〇日の利用はいかがでしょうか?」
入居者様は、心よく承諾してくださいました。

後日、職員Xからこんなことを言われました。
「高齢者は、コロナや濃厚接触者という言葉に敏感で不安になるから、そのようなワードは使わずに、人手が足りないからと伝えて、他の曜日にずらしてもらえばいいと思う」
職員Xは「利用者様を不安にさせたくないから、不安になるワードは使わなくていい」という考え方です。

僕は「利用者様と誠実に向き合いたい。だから、偽りはもちろんのこと、隠し事もすべきではない、事実のままに伝えるべき。それが、利用者様と対等に接すること」だと思っています。

介護士それぞれに考え方があり、どれも間違いじゃないと思います。
ですが、その後職員Xがいった一言「理由は分かったけど、それは違うと思う」という言葉は納得いきませんでした。


繰り返しお伝えしておりますが、僕と職員Xは良好な関係なものの介護士一人一人に考え方(介護観)があり、介護士の数だけ答えがあると思います。
入居者様のことを思って導き出した答えに、正解・不正解は無く、すべて正解だと言えるでしょう。
ただ、介護観を否定することは違うのではないかと考えます。

沢山の施設や介護に関連する業態があり、働いている職員も初心者やベテランで考え方やとらえ方はみんな違い、介護現場の雰囲気や管理者によっても様々な意見が飛び交うと思います。

一つの施設で働く中で一人一人介護観は違っても利用者様への思いやりをもったケアをすることは、変わらず大切にしていきたいと思います。


今回は以上になります。

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