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介護職採用・定着化のための施策 【総括編】~福利厚生の充実で採用率・定着率のUPを~

介護職員が職場を選ぶ動機と経営者の考え方のギャップ

厚生労働省は2020年8月19日、ホームヘルパーの有効求人倍率が15倍を超えたことと発表しました。
来年4月の介護報酬改定の審議会に、直近の2019年度の求人倍率が15.03倍にのぼったと報告した。
訪問介護の事業所にとってヘルパーの確保がいかに難しいかを示すデータです。

介護業界全体でも2018年以降有効求人倍率は4倍を超えており、withコロナの現状でもその状況は変わりません。

介護業界の経営者の危機感は強く、「需要があるのに新規出店が出来ない」「ヘルパーがいないので新規利用者を断らざるを得ない」という声が多く聞こえてきます。

介護事業の経営者へのアンケート(介護労働実態調査)によると、人材不足の理由の第一に「新規採用が困難である」(68.3%)と答えています。
意外にも「離職率が高い」(17.5%)はそんなに高くなく、すぐに人が辞めてしまうために人手が足りないというより、そもそも新たに人材を確保することが難しいというのが現状のようです。

では介護職が職場を選ぶ場合の理由は何でしょうか?
社会福祉振興・試験センター「平成24年度社会福祉士・介護福祉士就労状況調査」では、
・最も多かったのは「やりたい職種・仕事内容」の39.7%。「能力や仕事が活かせる」(32.4%)という回答も多くやりがいを考えて、現在の職場を選択していることが分かります。
・二番目に多かったのは「通勤が便利」(38.1%)。女性に多く見られました。女性の場合は「労働時間、休日、勤務体制が希望に沿う」を選んだ割合も多く、職場を選ぶ上で、働きやすく続けやすいかどうかを重視する傾向がみられます。

これに対し、経営者は「採用が困難な理由」の原因は何だと考えているのでしょうか?

前述、介護労働実態調査の経営者アンケートによると、
・「賃金の低さ」
・「仕事のきつさ」
・「社会的評価の低さ」を挙げている経営者が多いようです。

実際、介護職員はどう思っているのでしょう?

前述、社会福祉振興・試験センター「平成24年度社会福祉士・介護福祉士就労状況調査」の「退職した理由」を分析すると、・最も多かったのは「結婚・出産・育児」。
女性が多い介護職ならではの理由ですね。

次に多いのは、「経営理念への不満」、「人間関係」。「心身の不調」も多いようです。
職場を選ぶ理由の第一として「やりがい重視」で入ってこられるので、面接時のギャップ、人間関係やそれによる心身の不調から退職される方が多いようです。

次いで「収入」。「労働時間・休日・勤務体制が合わなかった」という回答も多くあがっています。

ここで注目いただきたいのが、経営者の目線と従業員の目線の差。

経営者は採用が困難な理由を、「賃金」「仕事がきつい」「社会的評価が低い」と考えていますが、
従業員の退職の理由として挙げられているのが、「経営理念への不満」「人間関係」「心身の不調」。

面接時に経営者の理想を聞いてやりがいを感じ入社したものの、その理念が実現されていない、人間関係が悪い、心身の不調に対し対処してくれないという理由で辞めています。

介護職は横のつながりが強い職種。特に「地域、立地」を重視して職場を選ぶ傾向が強いため、悪い噂はすぐに広がります。人の口には戸が建てられませんから。

経営者はこれらのギャップを理解し、留意した上で採用戦略を立てることが必要とされています。

経営者の想いを従業員に伝えるために福利厚生施策の充実を

介護事業の経営者の方々は、本当に高い理想を持ち、利用者、従業員のことを想っておられる方が多いと思っています。
実際、私がお会いする経営者の皆さまはそういう方々が多いです。本当に従業員を大切に思っている方々が多いですよね。

では、そういう想いを採用時、採用後もどうやって職員に伝えていくのか?
その想いを伝えるためには”お金”をかける必要があります。

経営者や経営幹部が動ける時間はごくわずか。
人間1日24時間しかありません。
事業所が多い事業者では1回/月定期的に事業所訪問をするのが精一杯ではないでしょうか?
どんなに想いが強くても、1回/月の対話では”想い”なんて伝わらないのが現実。
ではホーム長に伝わっているか?というとこれも疑問ですよね。

従業員に”想い”を伝えるには”お金”をかけて目に見える形にすることが最も大切。
経営者自身の”想い”を会社の”制度面”で形にするのが近道です。

その方法として今回ご紹介したいのが”法定外福利厚生の充実”です。
法定外福利厚生制度は、「そんなにお金をかけずに」充実させることが可能なツールと言えます。

前述の社会福祉振興・試験センター「平成24年度社会福祉士・介護福祉士就労状況調査」で興味深いデータがあります。
業界で最も房即している「訪問介護員」の運営法人毎の不足感調査の比較をみると、最も不足感が高いのは、民間企業、対して、低めなのは社会福祉法人です。

実は社会福祉法人は全国的な法定福利厚生ネットワークを持っています。
退職金制度や生活支援サービスについては、社会福祉法人の共済制度に加入することによりどの事業所でも提供可能です。
採用時に”法定外福利厚生制度の充実”を訴えることにより職員獲得を優位に進めています。

福利厚生制度導入により採用率・定着率のUPが可能に!!!

法定外福利厚生制度についてわかりやすく図示したのが下の表です。
法定福利は企業として当たり前の仕組みです。

皆さんも採用広告時に、「社会保険完備」と記載されていると思います。

他企業、特に大手事業者や社会福祉法人、大手医療法人と差をつけるためには、「法定外福利」の充実が大切。
特にストレスチェックの実施や外部相談窓口の設置は、「人間関係」を退職理由の多くに上がっている介護事業者には重要なのではないかと思われます。

弊社が提携している保険代理店のFAITH㈱、㈱F・P・Sの両社に保険を使った福利厚生制度について相談してみました。
両社は保険等を活用した福利厚生制度導入のお勧め施策しとして以下の5点をご紹介いただきました。
1.社員の退職金の導入(養老保険の活用、中退協の活用等)
2.弔慰金制度(総合福祉団体定期保険の活用)
3.見舞金制度(団体医療保険の活用)
4.就労不能時の所得の確保(GLTDの活用等)
5.ハラスメント対策(業務災害補償保険の活用)
この中でも、特に効果がありそうな、「1.」「3.」「4.」について詳細コラムを作成してみましたので参考にして下さい。

保険を活用した法定外福利厚生制度の他、外部サービスを導入した法定外福利厚生制度をご紹介します。

弊社が提携している㈱リロクラブは4大法廷外福利厚生サービス会社の1社。
従業員1人からでも導入どき、安価で経済性に優れているのが特長。
特に介護事業者に多い、パート社員にも導入が可能です。
「自己啓発」「健康増進」「旅行」「エンタメ」の他、「育児」と「介護支援」に強いのが特長です。

こちらも詳細コラムを掲載していますので参考にして下さい。

いずれにせよ、社会に必要とされる介護市場。
withコロナの時代でもますますニーズは高まります。

その中で成長していくためにも、従業員に対する”想い”を福利厚生制度導入を行うことで形にされては如何でしょうか。
導入をお考えの経営者は一度弊社にお問い合わせ下さい。

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