介護職採用・定着化のための施策 ④~withコロナだからこそ所得補償で職員の定着化を~

精神障害による労災請求件数が最も多い職種。「医療、福祉(介護分野も含む)」分野!!

毎年発表される厚生労働省の「過労死白書」。
前回の「介護職定着化のための施策③ ~怪我や病気に備えた福利厚生制度導入で雇用促進・定着化を~」でご紹介しましたように、「令和元年版過労死等防止対策白書」によると「精神障害の職種別労災請求、労災決定及び労災支給決定(認定)件数」で「医療・福祉」業界はここ数年ずっとトップを守っています。

ストレスの多い介護業界の実情が、改めて浮き彫りとなっています。

介護職員のストレス要因は何か?

内閣府が在宅介護経験者に対して行った調査によれば、「介護において一番ストレスになるのは何か」という問いに対し最も多かったのが、「排せつ(特に排泄時の付き添い、おむつの交換など)」(62.5%)。
日々の排泄介助への対応に追われることにより、ストレスを蓄積させていく介護職員の方が多いのですね。

また、公益財団法人介護労働安定センターの「平成28年度介護労働実態調査」によると、介護事業所を辞めた理として多いのは、「職場の人間関係に問題があった」の23.9%。
次いで「理念や運営のあり方に不満があった」という結果になっています。

上司・先輩や同僚との人間関係で悩むことが多い介護職の実態が現れていますね。

介護職員のストレス要因は人間関係と排泄処理のようです。

介護職員が発症しやすい燃え尽き症候群。発症すると休職・退職につながるケースも

介護職がかかりやすい病気として指摘されているのが燃え尽き症候群。
ある日突然やる気を失ってしまい、仕事に手が付かなくなります。
主に、心理的ストレスの大きい対人サービスに従事する看護師や介護士、教師が発症しやすい病気と言われています。

心身的症状としても、仕事に対する意欲の減少、怒りっぽくなる、自分に自信がなくなる、吐き気、不眠、食欲不振、高血圧、胃腸障害と言ったものが現れてきます。

介護職では「うつ病(介護職うつ)」を発症する人も少なくありません。
介護職の場合、職場での人間関係の悩みや介護現場での重労働、人の命を預かるためにミスが許されないなど、精神的にストレスが溜まりやすく、発症しやすい環境にあります。

介護職うつは燃え尽き症候群と同じく心の病の一種です。
燃え尽き症候群は「他者に対して怒りの感情を持つ」「喪失感」「自分をもっと評価してくれる人にあこがれを持つ」といった特徴があるのに対し、介護職うつ病は「罪悪感が強く、自分を責める」「気分の落ち込みが一貫して続く」などの症状が特徴です。
また、うつ病は再発率も高く、発症を繰り返すごとに発症率は上がっていくとされています。

介護職員が職場に長く勤める環境とは

大阪府内の特別養護老人ホームを対象に行われた調査では、「介護職員が職場に長く勤める環境」について、
1.職員一人ひとりの性格、特徴に配慮したメンタルケアを行うこと
2.対人関係構築のための訓練を職場で行っていくこと
3.やりがいを感じてもらう環境をつくること
が挙げられており、経営者や施設長が、日頃から介護職員の意見やニーズをくみ取り、職場環境・労働条件・福利厚生システムの中に活かしていく必要があると結論付けています。

人手不足が続く中、有能な介護人材を確保・維持し続けるには、従業員の個性に配慮した心のケアが必須です。経営者には、職員のために有効な対策を取ることが望まれます。

では、どのような取組みを行なえばよいのか?
私がかつて勤務していた、一部上場のエネルギー系企業では、「人材」を「人財」と書換え、親会社、子会社ともブームのように「人財活性化に取り組んで行こう!!」という姿勢を従業員に喧伝していました。
でも掛け声だけ。実際の施策はほぼゼロ。
実際は「能力主義」を掲げ、一度うつ病に罹患した人間の昇級・昇進はストップ。福利厚生施策もほとんど実施されていませんでした。
採用関係のホームページでは「従業員第一!!」と謳っても、実際に何もしなければ人材は集まりません。

こういう会社にならないためにも、忙しい経営管理の中でも、従業員に対する”想い”を伝える施策についてご紹介させていただきます。

GLTDってご存知ですか?

皆さんは、「GLTD」ってご存知でしょうか?
これは、昨今、従業員を守る制度として経営者の中で採り入れられることが多い、「団体長期障害所得補償保険」のこと。
わかりやすく言えば、就労不能時の所得の確保のためにかける保険のことです。

職業柄、病気や怪我が多い介護職員にとって、怪我や病気で働けなくなって「所得喪失」状態になった場合、死亡する以上に経済的負担が多くなるのではという不安が大きいと思われます。
病気や怪我で入院・休職した場合、社会保険の傷病手当を請求すれば、18か月間は、所得(※標準報酬日額)の
2/3は手当されます。
ただ、ただでさえ少ないと言われている介護職の給与の中で、傷病手当だけで住宅ローン、医療・介護費用、家族の生活費を賄うことが可能でしょうか?

答えは”否”。
特に個人で加入できる民間の「所得補償保険」の場合、精神疾患による入院や休職では保障されません。
精神疾患による入院・休職が多い介護職にとっては、あまり魅力的な商品ではないため、ほとんどの方が加入していないのが現実。

GLTDは精神障害保障特約やメンタルヘルス対策サービスもあり、予防から復職まで支援いただけます。

GLTDでは、怪我や病気で働けなくなった場合、最短で30日後から会社が契約した補償額が、最大60歳の定年時まで払い続けられる保険です。

withコロナの世の中。介護職員にとって感染症で入院という場合にも備える必要があります。
GLTDに加入していれば、万が一働けなくなった場合でも定年まで一定の補償制度を整えている会社として、従業員に対し、安心して働き続けることが可能な会社、従業員を大切にする会社というメッセージを発信できます。

経営者にとっては”リスク管理”のメリットも。制度設計については弊社にお問い合わせを!!!

では、どれくらいの金額で入れるのか。

ある有料老人ホーム運営事業者の例をご紹介しましょう。
その事業者は有料老人ホームを7施設運営。従業員が正社員・パート含め約300人いらっしゃいます。
売上高は20億円/年ほど。

GLTDの保険料を決めるには、売上高方式と従業員個々積み上げる方式の2パータン。
今回は売上高方式を選択します。
所得補償が従業員一律10万円/年。填補期間(補償金支払期間)が最短の2年1ヶ月とすると、保険料は200万円/年程度。単純計算で600円/人・月で補償が可能となります(※あくまで想定ですので、実際の金額は保険会社にお問い合わせ下さい。)。
これだけの費用で従業員の安心が保証できる。withコロナの時代だからこそ加入すべき保険商品ではないでしょうか。

また、「就労支援サービス」として、
・メンタルケア職場サポート
・休職・復職サポート
・健康だよりお届けサービス
等の心身の健康を保つための各種サービスもついています。
(※保険会社によりサービス内容が異なりますので、実際のサービスは保険会社にご確認ください。)

精神疾患で休職される方が多い医療・福祉業界。
電通事件でもあったように、精神的な自殺等により補償すべき金額は莫大なものになります。
そうなる前に「メンタルケア」の施策を行い、従業員に周知しておくことは、会社を守るためにも経営者にとって重要。
単なる「福利厚生サービス」として捉えるだけでなく、経営のリスク管理として捉え、準備することも必要ではないでしょうか。

保険会社では、ハラスメント対策として「業務災害補償保険」も揃え、皆さんの会社・職場を守る商品を揃えています。
一人一人の導入費用は安くても、全職員加入となると経費的にもバスになりません。
法定外福利制度の導入には制度設計が大切。興味のある方は、一度弊社までお尋ねください。

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この記事を書いたコラムニスト

荒牧誠也 (アラマキセイヤ)

コラムサイト介護の三ツ星コンシェルジュ編集長

株式会社ベイシス 取締役シニア事業部長
1964年 大阪府大阪市生まれ
1988年 関西電力㈱入社。介護事業子会社 ㈱かんでんジョイライフや医療関係子会社 ㈱かんでん在宅医療サービスの設立や運営に従事。関西電力グループのメデイカル・ヘルスケア事業の企画業務や㈱京阪ライフサポートのM&Aに従事後退職。
2017年 関西電力㈱を退社。㈱ベイシスの取締役シニア事業部長に就任。

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