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安心して働けない有料老人ホームを見抜くためのポイント

安心して働ける有料老人ホームを選ぶことは、介護職員にとって非常に重要です。

一方で、働きやすい環境とそうでない環境を見分けるのは簡単ではありません。このコラムでは、安心して働けない有料老人ホームを見抜くためのポイントについて詳しく解説します。

1.人材育成と定着への取り組み

(1)教育体制の不足
安心して働けない有料老人ホームの特徴の一つは、人材育成への取り組みが不十分なことです。
介護業界では人材の確保が極めて困難となっており、事業所内での人材教育が重要となっています。しかし、教育体制が整っていない施設では、新人職員へのサポートが不足し、業務に不安を感じる場面が多くなります。

(2)高い離職率
職員の定着率も重要な指標です。頻繁に職員が入れ替わる施設では、チームワークの構築が難しく、利用者へのケアの質も低下する可能性があります。離職率が高い施設は、職場環境や待遇に問題がある可能性が高いため、注意が必要です。

2.業務プロセスと効率化

(1)非効率な業務プロセス
安心して働けない施設では、業務プロセスの効率化が進んでいないことが多いです。アイドルタイムの削減や業務の平準化、情報共有の効率化などが適切に行われていない場合、職員の負担が増大し、ストレスの原因となります。

(2)不適切なシフト管理
シフト調整や稼働管理が適切に行われていない施設も要注意です。
職員の希望を考慮せずにシフトが組まれたり、突然のシフト変更が頻繁に行われたりする場合、ワークライフバランスが崩れ、長期的に働き続けることが困難になります。

3.利用者との関係づくり

(1)不十分なアセスメント
利用者や家族のニーズを適切に把握し、それに応じたケアを提供することは、介護サービスの基本です。
しかし、アセスメントが不十分な施設では、利用者のニーズと提供されるサービスにミスマッチが生じ、職員のストレスにつながる可能性があります。

(2)ケアの質向上への取り組み不足
継続的なケアの質の向上に向けた取り組みが行われていない施設も、安心して働くには適していません。ケアの質が向上しないと、職員のモチベーションが低下し、やりがいを感じられなくなる可能性があります。

4.経営状況と待遇

(1)不適切な待遇
給与や福利厚生などの待遇も、安心して働ける環境かどうかを判断する重要な要素です。業界平均と比べて著しく低い給与や、必要な福利厚生が整っていない場合は、長期的に働き続けることが難しくなります。

(2)施設の設備と環境
運営会社の経営状況については、多数の店舗を運営しているホーム等ではなかなかわからないものです。ただ、経営者の考え方がよくわかるのが、建物設備の整備状況と労働環境です。

例えば、設備の整備状況、施設の設備も職員の働きやすさに大きく影響します。介護に必要な設備が不足していたり、老朽化が進んでいたりする施設では、業務効率が低下し、職員の負担が増大する可能性があります。

また、職員の休憩スペースや更衣室などの労働環境も重要。最近ではこれに加えICTへの取り組み状況も重要な視点となってきています。これらが適切に整備されていない施設では、職員のストレスが増大し、長期的に働き続けることが難しくなります。

安心して働けない有料老人ホームを見抜くためには、人材育成と定着への取り組み、業務プロセスの効率化、利用者との関係づくり、経営状況と待遇、施設の設備と環境など、多角的な視点から評価することが重要です。
 
施設見学や体験入居の機会を活用し、実際の現場の雰囲気や職員の様子を観察することも大切です。また、長年にわたって高齢者の入所施設を経営し、時間をかけて職員の育成を行っている施設を選ぶことも、安心して働ける環境を見つける上で有効な方法です。
 
介護職員として安心して働ける環境を見つけることは、自身のキャリア形成だけでなく、提供するケアの質にも大きく影響します。

このコラムで紹介したポイントを参考に、自分に合った働きやすい環境を見つけていただければ幸いです。

介護の三ツ星コンシェルジュ

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