福祉用具について

レンタル販売選択制4種目②多点枝はレンタル?販売?どちらがいい?

こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。

今回は 、4月からの報酬改定でルール変更となった「レンタル販売選択制」の対象商品の一つ、「多点杖」の選び方についてお話して見たいと思います。

■福祉用具のレンタル販売選択制とは?

そもそも、「福祉用具のレンタル販売選択制って何?」という方のために簡単に説明すると、介護保険制度でこれまでレンタル対象となっていた商品のうち、「歩行器(車輪のついてないタイプ)」「多点杖」「特殊杖(松葉杖除く)」「ミニスロープ」の4つについては、2024年4月から、レンタルだけでなく、特定福祉用具販売として販売も可能になったよ、という話のことです。

販売の場合は、「特定福祉用具販売」として毎年度10万円の枠の中で自己負担1〜3割の額で購入可能となります。

■多点杖とは?

今回お話する「多点杖」ですが、脚先が枝分かれしている杖の事。

脚が4つ付いている四点杖が多いですが、他にも脚先が5つだったり、3つだったり、いろいろなタイプがあります。

一本杖と違い、脚がたくさんついていることで、手を離しても杖自体が自立しており、歩く際も杖の支持基底面が広いので安定感あり!

ちなみに、杖を突く際は、すべての脚を地面に接地させる為に、地面に対して垂直に突く必要がありましたが、最近は脚先に対して杖のパイプが可動するタイプも出てきており、一本杖と同様に斜め突きができるようになっています。

介護保険レンタル料金は月々100〜150円くらい・特定福祉用具販売の場合は700〜2,000円あたり(レンタル・販売とも利用者負担1割の場合)で安価で導入できる商品です。

■レンタル販売選択制によって、レンタルするか?購入するか?のポイント

そんな多点杖ですが、レンタルにするか?販売にするか?

どっちにするか判断するうえでのポイントとして、販売のほうが長期的なコストが安いか高いか、ざっと下記の点が挙げられます。

●レンタルのほうが有効なケース
・身体状況の変化などで商品を変更する可能性が高い
・商品故障や劣化で商品を変更する可能性が高い
(劣化による部品交換や商品変更は、レンタルなら無料でできるが購入は介護保険の補助は出ない)

●販売の方が有効なケース
・長期間変更なく同じ商品をレンタルし続ける
(長期間レンタルしつづけることで、支払う合計が購入額をいずれ上回ることになる)

この点で考えると、多点杖については、レンタルの方が適しているケースが多そう。
・体の状態変化により、機種変更の可能性がそこそこ高い
・屋外で頻繁に使う場合、杖先ゴムが摩耗し、先ゴム交換の頻度が高い

特に杖先ゴムの交換については、介護保険レンタルの場合であれば、部品交換の費用もレンタル料に含まれているのですが、購入の場合だと、部品代が全額実費でかかってしまい、余分に料金がかかってしまいます。

■ちなみにこういう点も含めて選ぶと良い

レンタル販売選択制については、まだ色々と細部でどうすればいいのか、福祉用具事業者としても判断に迷う点が多くあったりします。

例えば、販売を選択し、導入したあとに、商品の点検をして欲しい、となった場合の対応。

介護保険での福祉用具レンタルの場合であれば、半年毎に、レンタルしている商品のモニタリングを行うのですが、その際の訪問や点検に料金はかかりません。

月々のレンタル料金にモニタリング訪問・点検の料金が含まれているためです。
しかしながら、購入した場合は、その後に商品を点検して欲しい、となった場合、そこにかかる手間賃が発生することになります。

しかしながら、これまではレンタルで、定期的なモニタリングも無料、という習慣が定着している中で、販売の場合はモニタリングは手間賃がかかります、となった際にご利用者側・ケアマネジャー側がどこまでそこに対して受け入れてもらえるのか?

本来ならば、購入代には含まれないコストが発生している為、当然手間賃はいただくのが本筋ではあると思うのですが、手間賃の部分に踏み込んでいけるのか、悩ましいというのが正直なところです。

ということで、今回は福祉用具のレンタル販売選択制の種目のひとつ「多点杖」についてお話させていただきました。

次回以降も、選択制の対象になっている種目についてお伝えしていく予定ですので、正しく皆さんがレンタルにするか?販売にするか?を選べるよう、しっかり説明していきたいと思います!

というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!

これからも、「介護の三ツ星コンシェルジュ」にて、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!

ではでは
 

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