福祉用具について

☆☆☆51 背骨の圧迫骨折の方の福祉用具の使い方

こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。

今回は
「背骨の圧迫骨折の方の福祉用具の使い方」
というテーマでお話していきます!

■背骨の圧迫骨折とは?

そもそも「背骨の圧迫骨折」って何?という方のために、簡単にご説明しますと・・・
背骨の圧迫骨折とは、脊椎という背骨の一部が圧迫されて起こる骨折です。特に骨の強度が低下する女性の高齢者に発生しやすい特徴があります。

また、1箇所骨折が発生すると、続けて骨折をする確率が高くなります。
圧迫骨折が続くと、背骨が変形し、体のバランスを崩しやすくなります。

そして、バランスを崩して転倒してしまうことで、大腿骨など他の部位の骨折・・・。
悪い流れにつながってしまうことも。

■背骨の圧迫骨折の方への福祉用具の使い方

ということで、圧迫骨折の方への福祉用具の使い方についてお話していきます!

●車いす
背中が曲がってしまっているので、車いすに深く座ろうとしても、お尻が一番奥まで届かず、お尻の後ろに隙間ができてしまいます。体がシートに接する面が少なくなり、体の支えが足らない状態になってしまい、良姿勢を保ちづらくなってしまいます。

できれば、車いすの背もたれ角度を後ろ側に少し角度調整できる機能のついた車いすがあるといいでしょう。

さらに、背シートの張り調整機能がついている車いすであれば、背中の円背の骨突出部に合わせて張りを緩めることができます。それでもお尻の後ろに隙間があるようであれば、隙間をサポートできるようなクッションを敷いて隙間を埋めてあげるといいですね。

●介護ベッド
起き上がりや立ち上がり動作時の痛みを和らげる上でも、介護ベッドの導入が望ましいです。
ベッドの種類によっては、背中の曲がり具合に沿って背上げできるタイプや、ベッド全体が椅子のように傾き、より負担なく起き上がりや立ち上がりまでの動作ができるタイプもあります。

詳しくは福祉用具専門相談員にご確認いただければ^^

●歩行器
歩行器の高さについて、本来であれば、背筋を伸ばした状態で、体が歩行器の枠の中に入るくらい体を歩行器に近づけて歩行できる高さが望ましいのですが、背中が曲がってしまっているので、歩行器と体の距離は離れてしまいやすくなります。

体が歩行器から離れると前のめりに転倒するリスクが高くなるため、できる限り体を歩行器に近づけられるタイプを選定したり、車輪に抵抗器がついているタイプであれば、体が歩行器から離れにくくなり転倒予防に役立ちます。

●杖
杖の高さは本来であれば大転子部の高さに合わせるなどの目安がありますが、背中が曲がっている状況なので、大転子部の高さだと高すぎる設定になってしまいます。
できるだけ背筋を伸ばせる範囲で伸ばし、腕を前方に軽く出した高さに設定するくらいでいいでしょう。

洋式トイレの着座時に注意!(補高便座の活用を)

背骨の圧迫骨折の方は、洋式トイレの便座への着座の際も注意が必要です。
というのも、膝の踏ん張りが効かない場合、便座の着座時もドシンと勢いよく座る動作になり、その衝撃で圧迫骨折を悪化させる危険性があるからです。

そんな状況で役に立つのが補高便座。
便座の上に置くことで、便座高さをかさ増しし、着座時の衝撃緩和や、立ち上がりをしやすくすることができます。


・・・ということで、今回は「背骨の圧迫骨折の方の福祉用具の使い方」についてお話しさせていただきました。
背筋が伸ばせる方とは違って、背骨の圧迫骨折の方には、福祉用具の設定も従来とは違う設定方法になります。

今回のコラムを参考に、正しい知識で正しく調整された福祉用具を使っていただきたいと思います!


最後まで読んでいただきありがとうございました!
これからも、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!

ではでは


私のブログです(もしよかったら見てみて下さい!)

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