福祉用具の使い方キホンのキ(スロープ編)
こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。
今回は 「福祉用具の使い方のキホンのキ、スロープ編」ということで、スロープの超基本的な使い方について書いてみたいと思います。
スロープの種類と使い方
スロープは、段差の部分に設置して、車いすや歩行器などで安全に段差を上がり下りできるようにする福祉用具です。
スロープの種類はおおまかにいうと「固定型」「2本組」「ミニスロープ」の3つの種類があります。それぞれの特徴と使い方について簡単に説明してみますと・・・
●固定型スロープ
固定型スロープは、玄関の上がりかまち段差や、掃出口の段差などに設置して、車いすで安全に段差の上がり下りを可能にする福祉用具です。
1mタイプ・2mタイプなど、段差の高さや介助者の押す力に合わせて適切な傾斜で操作できるよう、長さも数種類に分かれています。
一般的には2つ折りで折りたたみが出来、さらに、カーボンファイバーなどの軽量の素材で出来ているので、持ち運びもしやすくなっています。
●2本組タイプのスロープ
写真出典:株式会社イーストアイホームページ 『ESKスライドスロープ』
(最終アクセス2024年11月07日 掲載許可済み)
http://www.easti.co.jp/ramp-mokuji.html
2本組タイプのスロープは、車いすの車輪幅に合わせて、2本のレールに分かれているスロープです。
段差に設置する際は、左右の車いすの車輪幅に合わせて正しく設置する必要があり、さらに後ろから押す介助者の操作がやりづらく、できれば固定型のスロープを優先して使うほうが賢明だと思っています。
2本組スロープも長さが調整できるものが多く、好きな傾斜に調整して使うことができるのですが、強度を保つ上で重量もあったりして持ち運びも大変だったりします。
●ミニスロープ
写真出典:シンエイテクノ株式会社ホームページ 『ダイヤスロープDS76』
(最終アクセス2024年11月07日 掲載許可済み)
https://diamat.jp/products/diaslope76/
ミニスロープは部屋と部屋の間の数センチの敷居など、小さな段差に据え付けて使う三角スロープのこと。
ちょっとした敷居段差でも、車いすや歩行器の車輪の乗り越えは結構大変だったりします。そんなときに手軽において使えるのがミニスロープです。
ちなみに2024年4月の介護保険制度の改正により、ミニスロープについては、これまでのレンタルの他に販売でも介護保険制度上の補助対象となり、レンタル・販売のどちらかを選べるようになりました。
●ミニスロープを歩行の用途で使う際の注意点
「敷居の段差でつまずきやすいからミニスロープを導入したい」という相談を、受けたりするのですが、安易に敷居段差のつまずき防止でミニスロープを導入する前に、チェックすべきことがあります。
というのは、スロープの傾斜を歩いてわたる方が返って危険という場合があるからです。足首の動きが悪くなっている人はなおさら危険で、無理に傾斜を歩こうとすると逆にバランスを崩しやすく転倒リスクが増大してしまうことも。
敷居段差は、できれば住宅改修で撤去してフラットにしたり、段差を上がる能力が残っているのであれば、あえて段差は残してそばの柱に手すりをつけて、手すりを掴みながら安全に段差を歩いて上がれるようにするとか、他の方法で対応したほうがいいケースも多いです。
ちょっとした敷居段差については、安易にミニスロープで対応するのではなく、他の方法も考えてみることをおすすめします!
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!
これからも、「介護の三ツ星コンシェルジュ」にて、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!
ではでは