有料老人ホームを選ぶうえで、また勤める上で気になるのは、そのホームに人材を育てる施設があるかどうか。
重要事項説明書を見れば「離職率」がわかり、逆算で定着率がわかります。

離職率が高い事業所ほど、スタッフのスキルは低く、また、人材確保のために派遣社員を多く使わざるを得ないのが現状。
派遣社員が悪いわけではありませんが、出来れば、直接雇用の職員が多い方がスキルも高くなりますよね。

今回は、定着率の高い事業所がどのような取組をしているかどうかを、ある事業所の管理者に聞いてみましたのでご紹介します。
 

新人を大切にしている

介護施設は人手不足が常態化している職場。
そんな中で、新人職員さんは教えてもらう環境が整わず必死にもがいている方が多いのでは。

この施設では、コーチャー制度を作り、コーチャーが新人に対しところどころで言葉をかけている模様。「わからないことがあれば何でも聞いてね」。この一言が新人さんを救い、休憩室でも一人にさせず会話を重ねることで孤独感を持たないようにしているそう。

また、コーチャーは新人さんにあわせ、業務の流れ、利用者の特徴等をまとめてレジメを作成し、新人さんに渡しているそうです。
こうすることにより、コーチャーさん自身のスキルも上がるそう。

コーチャーさんと新人さんの絆が強くなることで、新人さんがコーチャーさんに、コーチャーさんがリーダーにステップアップしていくそうです。
 

職員それぞれの“個”を大切にしている

この事業所では、職員の個性を活かした業務付与を行っているそう。
口数が少なくてもまじめな人、誰とでも話す明るい人、事務作業が得意な人・不得意な人、テキパキ働く人、丁寧な人。

それぞれの個性を管理者が見極め、ルーチン業務以外の職務を付与するときは、個性に合わせた業務付与をしているそう。
自分の特長にあった業務につかせることで、職員が評価され認められ輝く仕組みをつくっているそうです。

人には向き不向きがあります。
不向きなことを叱責して治すよりも、得意なことを伸ばし評価される方が嬉しいのは当たり前。
輝いている職員が多いとホームの雰囲気も明るくなりますし、入居者さんも楽しくなります。
 

仕事とプライベートの線引きを大切にしている

この業界で派遣社員が多いのは何故でしょう?
答えは簡単。正社員になりたくないから。
では何故正社員になりたくないのか?

ブラックな事業所は正社員だから残業が多い、休日出勤をさせられる、夜勤が多くなるので正社員3重苦に見舞われています。
こんな職場では正社員になりたくないですよね。

この事業所では、仕事とプライベートをきっちり線引きすることにより、職員に精神的・身体的負担をかけないようにしているそう。
プライベートな時間にはよほどのことがない限り連絡しない。
そのためにきちんと引継ぎ制度を整えているそう。

こんな職場であれば、派遣から入職しても正社員になりたくなりますよね。

有料老人ホームの調査をしていると、この他にも、離職率の低い事業所では、
・職員評価制度が確立している
・職員教育制度が確立している
・福利厚生制度が充実している
・将来の不安をなくすため、介護以外にライフプランに関して教育を実施している
・ICT活用が活発etc
様々な工夫をされています。

各社色々と工夫を行い離職率を低くする方策を実施しています。
皆さんが有料老人ホームを選ぶ際、もしくは努める際、「定着率」を高める為に、その事業所が様々な工夫をおこなっていることを意識して下さいね。
 

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この記事を書いたコラムニスト

荒牧誠也 (アラマキセイヤ)

コラムサイト介護の三ツ星コンシェルジュ編集長

株式会社ベイシス 取締役シニア事業部長
1964年 大阪府大阪市生まれ
1988年 関西電力㈱入社。介護事業子会社 ㈱かんでんジョイライフや医療関係子会社 ㈱かんでん在宅医療サービスの設立や運営に従事。関西電力グループのメデイカル・ヘルスケア事業の企画業務や㈱京阪ライフサポートのM&Aに従事後退職。
2017年 関西電力㈱を退社。㈱ベイシスの取締役シニア事業部長に就任。

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