2024年介護報酬改定において介護職が思うメリットデメリット
2024年介護報酬改定において介護職が思うメリットデメリット
こんにちは!「しんぶろぐ〜介護ノート~」を運営しているしん(@shinbloger)です。
簡単に自己紹介させてください。
・13年以上の介護経験がある現役の介護士です。
・介護福祉士と福祉用具専門相談員の資格を持っています。
・認知症デイの相談員4年以上の経験があります。
今回は、2024年介護報酬改定において介護士が思うメリットデメリットについて記事を書きました。
3分ほどで読める記事なので介護職の方は読んでみてください。
2024年度は介護報酬改定の年
介護報酬改定とは、
介護保険制度におけるサービス提供に対する報酬(料金)を定期的に見直す制度です。
介護保険制度の下で、介護施設、訪問介護事業所などは、
そのサービスに対して介護報酬を受け取ります。
介護報酬の金額は、国が定めた介護報酬基準に基づいて算出され、この基準は、人件費(労働者の賃金など)や物価の変動、サービスの質向上や効率化のための施策、政策の目標などを反映して定期的に見直されます。
この介護報酬改定はおよそ3年に1度実施され、次の改定は来年の2024年度に控えています。
2024年介護報酬改定の注目ポイント
2024年度に実施される介護報酬改定の
注目ポイントは下記になります。
・訪問介護と通所介護を組み合わせて使える複合型サービス
・財務状況の見える化
・アウトカム評価の一層の強化
訪問介護と通所介護を組み合わせて使える複合型サービス
新サービス「訪問介護と通所介護を組み合わせた複合型サービス」が提案されました。
この新サービスは月額包括報酬方式で、小規模多機能型居宅介護の宿泊機能を省いた形と考えられます。
デイサービス程度の設備があれば開始可能で、参入障壁が低く、経営に苦しむデイサービスを転換させる可能性があります。
財務状況の見える化
介護保険制度改正により、社会福祉法人以外の法人(医療法人や株式会社など)にも財務状況の提出と公表が義務付けられるようになります。
これにより、これまで明らかにされていなかった介護事業の不採算部分が公になる可能性があります。
医療法人や株式会社では、本業と介護事業の財務が一体となっており、介護事業の実態が見えないことがあったため、公表によってこれらが明確になることが期待されます。
アウトカム評価の一層の強化
介護保険制度は成熟期に入り、評価指標が「何をしたか」から「どのような結果を得たか」に焦点を移しています。
これまでは介護給付費の算定条件は、ストラクチャー(人員配置や設備の整備)やプロセス(計画立案、実施記録)に重点が置かれていましたが、今後は成果を示すアウトカム評価がより重視される方向になるでしょう。
アウトカム評価の具体的な手法として、「LIFE」の導入が注目されています。
このシステムは、サービスの結果を記録し、計画通りに成果が得られているか、他との比較で進捗が良好か否かを評価します。
次期改定においては、LIFEの機能が向上し、対象サービスが拡大し、加算報酬額も増える見込みです。
24年度の介護報酬改定による介護職のメリット
24年度の介護報酬改定による介護職が思うメリットについて解説します。
・新しい働き方でスキルアップできる
・働きやすい職場が見つけやすくなる
・介護職のスキルが正当に評価される
新しい働き方でスキルアップできる
訪問介護と通所介護を組み合わせたサービスを提供できるようになると、スキルや介護の経験値がたまり、介護職が活躍できる機会が増えると思います。
また、複数のサービスを組み合わせることでより一人ひとりの利用者に合ったサービスを提供でき、介護の質の向上につながると考えられます。
働きやすい職場が見つけやすくなる
財務状況の見える化により、施設・事業所の従業者一人当たりの賃金等も公表の対象となり、
平均賃金や処遇改善加算の取得状況が確認できるようになります。
その結果、求職者は良い職場を見つけやすくなるはずです。
介護職のスキルが正当に評価される
サービスの成果や効果を評価するアウトカム評価が強化されると、
介護職の専門性やスキルがより正確に評価され、それに応じた報酬が期待できます。
24年度の介護報酬改定による介護職のデメリット
つづいて、24年度の介護報酬改定による介護職が思うデメリットを解説します。
・職務内容の増加や作業量が増える
・プレッシャーの増加が考えられる
職務内容の増加や作業量が増える
サービスの内容が多様化し、組み合わせることで
より複雑なサービス提供が求められる可能性があります。
その結果、介護職の職務内容の拡大や作業量の増加につながり、
過重労働やストレス増加につながる可能性があります。
プレッシャーの増加が考えられる
アウトカム(成果)評価の強化は、介護職員により高い介護の質と結果を求めます。
しかし、これにより職員のプレッシャーや負担が増え、報酬への直接反映は過度な努力を要求する可能性があります。
まとめ
2024年度の介護報酬改定について、
介護職の立場から見たメリットとデメリットを検討しました。
メリットとしては、
・新しい働き方でスキルアップできること
・働きやすい職場が見つけやすくなること
・介護職のスキルが正当に評価されること
が挙げられます。
これらは介護職の働き方や待遇改善につながると考えられます。
一方、デメリットとしては、
・職務内容の増加や作業量の増加
・プレッシャーの増加
が考えられます。
これらは介護職の負担を増加させる可能性があり、結果として職場環境や働きやすさに影響を及ぼす可能性があります。
改定は常に諸刃の剣であり、良い面もあれば問題点も存在します。
これからの介護現場で大切なのは、改定をうまく活用し、良い部分を取り入れながらも、問題点を見極めて改善することではないでしょうか。
介護職の皆さんがこれらの変化を理解し、自分自身の働き方やキャリアを考える一助になれば幸いです。
今回は以上になります。