乳がん手術件数ランキング
乳がんの手術
乳がんはいわゆる五大がんの一つで、女性のがんの中では最も多いがんです。
乳がんの手術は、腫瘍とのその周囲の正常乳腺を切除する「乳房部分切除術」と乳頭、乳輪を含め全乳房を切除する「乳房切除術」に分類されます。
また、筋肉・脂肪などの自家組織やゲル充填乳房などのインプラントにより乳房を再建する手術もあります。
表中に「腋窩郭清」とあるのは、わきの下(腋窩)のリンパ節にがんが転移している場合、これを取り除く(郭清)ものです。
表中の「その他の手術」は乳房専用の吸引式組織生検システム(マンモトームシステム)を用いた検査などです。
指標の見方
表は主な手術の件数をとったものですが、目安として二種類の手術の合計の多い病院順にならべています。
空白になっている欄は、その術式の手術をしていないということではなく、数が少なかったということを意味しています。
在院日数は、その手術の患者さんが平均して何日で退院したかということを示す指標です。
在院日数が短かい程早く退院できる、その病院の手術・治療の手際が良かったというようにも考えられます。
ただし、がんの手術は進行度であるステージ、年齢、併存疾患の有無等がありますので在院日数の単純比較はできません。
軽度ながんを多く扱うほど、在院日数は短くなるからです。
したがって、在院日数のデータは一つの目安として参考にされることをお勧めします。
また、前述しましたように外科手術は在院日数が長いため、この手術を行っている病院は、行っていない病院と比べると平均の在院日数が長くなりますので、単純に平均の在院日数の比較はできません。
今回は、手術件数合計数ならびに在院日数のみを比較しましたが、これらの指標ですべてを推し量られるわけではありません。
病院の業績・アクティブを見る上では、病床あたりの手術件数、医師一人あたりの手術件数も、重要な指標となります。
このようなことを踏まえて、皆さんが病院選びの参考としてこのコラムを活用していただけば幸いです。
滋賀県は滋賀県立総合病院がトップ‼
滋賀県では、滋賀県立総合病院がトップです。再建手術を行っているのは滋賀医科大学付属病院のみです。
京都府は京都大学付属病院、京都府立医科大学付属病院が2トップ、三菱京都病院が初のランキング入り‼
京都府では、京都大学付属病院、京都府立医科大学付属病院が2トップを占めています。民間では三菱京都病院が初めてランキング入りしています。
同院は200床と小規模ながら周産期医療等に強みをもつ病院です。
大阪府は大阪国際がんセンターがダントツトップ、貝塚市立病院が初のランキング入り‼
大阪府では、大阪国際がんセンターが、ダントツトップです。続いて大阪大学附属病院、大阪医科大学付属病院と大学病院が続きます。
4位に貝塚市立病院が入っています。初めてのランキングいりです。
兵庫県は民間の神鋼記念病院が初のトップ入り‼
兵庫県では、民間の神鋼記念病院が初めてトップとなっています。同院は333床と中規模の病院ですが、「兵庫県指定がん診療連携拠点病院」として、がん治療に高いアクティビティがあることが伺われます。
公立の加古川中央市民病院が5位に入っていることが注目されます。
奈良県は市立奈良病院が初のトップ入り‼大和高田市民病院は初のランキング入り!!
奈良県では、市立奈良病院が初めてトップとなっています。再建手術も含めオールラウンドに乳がん治療を行っていることが伺われます。
大和高田市民病院は初めてのランキング入りです。
和歌山県は和歌山県立医科大学附属病院と日本赤十字和歌山医療センターが2トップ‼
和歌山県では、和歌山県立医科大学附属病院と日本赤十字和歌山医療センターが2トップです。
県下で乳房再建手術を行っている病院は少ないようです。
(注1)
手術件数データは厚生労働省の「平成30年度DPC導入の影響評価に係る調査」ならびに株式会社ケアレビューが運営している「病院情報局」のサイトから引用しています。
(注2)
各府県とも原則上位5までとしましたが、京都、大阪、兵庫は病院数が多いため、京都については上位7位、大阪・兵庫については上位10件まで選びました。