相続・終活の事前準備

民法改正!!!相続が変わりました

民法改正に見る相続編の改正概要

昨年、およそ40年ぶりに民法が改正されました。

相続に関する主な改正内容は、
・配偶者居住権の創設
・持戻しの対象となる生前贈与の範囲の限定(遺留分の算定方法の見直し)
・預貯金の仮払い制度の創設
・遺留分侵害請求権
・自筆証書遺言の方式緩和と補完制度の創設
・特別寄与制度の創設(相続人以外の者の貢献の反映)
・登記による相続の効力
の7項目です。

今回は、それぞれの改正点のうち、上の3点について解説していきます。

配偶者住居権の創設

夫が亡くなった場合、子がいる妻の法定相続分は遺産全体の1/2です。

預貯金等の金融資産が多い場合は問題ないのですが、相続財産の大部分を自宅不動産が占めている場合は、家を処分して得た金銭で分割する場合もあり、そうなれば、これまで住んでいた家に住めなくなるという問題がしばしば発生していました。

このような事態を回避するために、今回の改正で「不動産所有権」と「居住権」を分離し、配偶者が所有権を持たなくても自宅に住み続けることが出来る「配偶者居住権」が創設されました。

長期にわたる配偶者居住権は、居住できる期間を遺言や遺産分割協議で決定でき、更に不動産登記手続きを経ることで第三者にも対抗できるようにもなりました。

持戻しの対象となる生前贈与の範囲の限定(遺留分の算定方法の見直し)

現行の遺留分の計算は、特別受益に当たる相続人への生前贈与(住宅取得資金や結婚資金等の贈与)については、原則として過去にさかのぼり全てを持ち戻しする取扱いでしたが、今回の改正で相続開始前10年間に生前贈与されたものに限るとの変更になりました。

これにより、随分昔に被相続人から贈与された財産の事でなかなか遺産分割協議がまとまらないということを防ぐことが出来ます。
また、居住用不動産に関しては、婚姻期間20年以上の配偶者に対して遺贈または贈与した場合に、相続発生時の持ち戻しを免除する意思表示があったものと推定されるという規定も設けられました。

配偶者にとっては随分良い改正となりましたね。

預貯金の仮払い制度の創設

現行法上出来なかった、被相続人の入院費や葬儀費用支払いのために被相続人の預貯金等の払い戻しが出来ませんでした。この規定のおかげで、親御さんがお亡くなりになってすぐに普通預金の払い戻しに行かれた経験がある方も多いはずです。

今回の改正では、家庭裁判所の手続きを経て、預貯金債権の全部または一部を仮払いできる他、家庭裁判所の判断を経なくても、預貯金債権額の1/3に法定相続分を乗じた額のうち150万円までであれば、各相続人が単独で預貯金を引き出せるようになりました。

これも、とっても便利な改正ですね。

次回は、残りの4点についてご説明いたします。

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