『その人らしさ』を守る福祉用具選び
こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。
今回のコラムでは、「『その人らしさ』を守る福祉用具選び」について書いてみたいと思います。
「機能」だけでなく「その人らしさ」に寄り添う提案
福祉用具を選ぶとき、どうしても機能や使いやすさ、介護保険の対象かどうかに目が行きがちです。
もちろん、それらは大切な要素です。
しかし、もう一歩踏み込んで、「その人らしさ」という視点を加えると、福祉用具の選び方はより広くなり、より豊かになります。
私たち福祉用具専門相談員が支援しているのは、「商品を使う人」なのですが、もっというと「その人の暮らし」だったりします。
福祉用具は「生活の道具」であると同時に、「その人の暮らし方の一部」になるものなのです。
お部屋の雰囲気に合わせたベッド選び
たとえば、介護ベッドを導入する場合で考えると、つい「背上げ機能があるか」「高さが調整できるか」といった機能面で比較してしまいがちですが、実際に部屋にベッドを置くと、その部屋の雰囲気や印象といったものはガラッと変わったりするものです。
以前、あるご利用者のご自宅に伺ったとき、落ち着いた木目調の家具が並ぶシックなお部屋に、プラスチック樹脂のフレームのベッドを提案してしまい、ご利用者が少し不満足な表情をされたことがありました。
そこで、木調ボードのベッドを提案し直してみたところ、ご利用者のイメージに合った内容でとても満足してもらい、導入した際も「部屋にしっくりくるね」と好評の言葉をいただきました。
逆に、明るい白やベージュ基調のお部屋では、やさしく温かみのある明るめのデザインのベッドを選ぶと、空間がやわらかく見えることもあります。
「機能」で選ぶだけでなく、「部屋に置いたときの印象」も大切にする。
それだけで、日々過ごす空間が少しだけ温かくなって、なんだか気分よく過ごせるようになったりします。
「おしゃれ心」を取り戻す杖選び
また、外出をサポートする杖ひとつ取っても、「その人らしさ」が大きく関わります。
特に女性のご利用者は、もともとおしゃれ好きな方も多く、転倒予防のために杖を使う必要が出たときも、最初は「なんだか年寄りくさくてイヤ」なんて言われることも。
そんな時には、花柄のデザインが入った華やかな杖を提案したりします。
もともと杖の導入には否定的だった方も、杖選びもおしゃれな着こなしのような感覚になってもらえたり、杖を使ってのお出かけを楽しみにしてもらえたりします!
福祉用具で自分らしくいられる商品提案ができた瞬間、ご利用者も前向きなエネルギーにつながったりする、支援側の私たちにとっても、このような経験は、まさにこの仕事のやりがいであり、仕事をしている中でのごちそうになっています。
「その人らしさ」を大切にした男性への提案
男性のご利用者の中には、「歩行器なんておばあさんみたいで嫌だ」と抵抗感を示される方も多いです。
そんなときに大切なのは、「かっこよさ」の要素。
たとえば、歩行器も、黒やシルバーのフレームでデザインがスタイリッシュなものを選ぶと、「これなら使ってもいいかな」と気持ちが変わる方が多かったりします。
実際に歩行器も以前に比べてデザインも多種多様になってきていて、着こなし感覚でも納得いくような機種も増えてきたりしています!
安全性や安定感を確保しながら、「その人が納得するデザイン」も尊重する。
それだけで、同じ歩行器でも使う意欲がまったく違ってくるのです!!
福祉用具は「生活の一部」
福祉用具は、生活に寄り添う「道具」であると同時に、「その人らしい生活を実現するもの」でもあります。
だからこそ、私たち専門相談員は、機能や価格だけでなく、その人の性格、趣味、家の雰囲気、家族との関係まで含めて考える必要があります。
「その人らしさ」を守る提案は、決して特別なことではありません。
その方に寄り添いながら、ちょっとした気づきと想像力をもっていけば、日々の暮らしに「彩り」を添えることができます。
ご利用者が「これなら使いたい」と前向きに感じてもらえる瞬間こそ、私たちの仕事の「やりがい」だったりもします。
福祉用具は、単なるモノではなく、「自分らしく生きる力」を支えるパートナーであってほしい。
そこを追求しながら、今後も福祉用具を使ってご利用者のハッピーを追求していきたいと思っています!
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!
これからも、「介護の三ツ星コンシェルジュ」にて、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!
ではでは




