『安全』と『自立』は、時にトレードオフになる
こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。
今回のコラムでは、「安全」と「自立」は、時にトレードオフになるというテーマで書いてみたいと思います。
「守る支援」から「活かす支援」へ
介護の現場では、「ヒヤリハット」で事故につながりそうなケースに時々遭遇したりします。
介護に携わる私たちとしては、いかに事故なく安全にご利用者が過ごしていただけるか、ということを考えていかなければならないと思っています。
しかしながら、「安全」を優先するあまり、結果的に「自立」を奪ってしまうケースがあることも忘れてはいけません。
もちろん、転倒や骨折などを防ぐことはとても大切ですが、「安全」と「自立」は、時にトレードオフの関係になりうる・・・
一方を過度に重視すると、もう一方が損なわれてしまうことがあるのです。
「歩かせないほうが安全」という落とし穴
たとえば、転倒を心配するあまり、「歩かせるのは危ないから」といって、杖や歩行器も使わせず、いきなり車いすを使うようにしてしまうケースがあったります。
確かに、それならば転ぶリスクは減るかもしれません。
しかしながら、そもそも「歩かない」生活になることで、足腰の筋力がどんどん低下していきます。
気づけば「立ち上がれない」「歩けない」状態に・・・。
最初は「転倒予防」のためだったのに、それが結果的に「寝たきり」への第一歩になってしまう。
安全を優先するあまり、「その人が自力で行えていた残存能力」を削いでしまうこともあるのです。
「楽だから」が生む、動かない生活
最近では、電動カートの利用者も増えています。
買い物や外出をサポートしてくれる便利な福祉用具ですが、「単に楽だから」という理由で使い始める場合には注意が必要です。
実際に以前対応したご利用者でこんなことがありました。
以前は毎日畑まで歩いて通っており、その畑までの往復も問題なく歩いてできていたのですが、楽に移動したい、という理由で電動カートを導入。
導入に当たっては、歩かなくなると足腰が弱ってくるから、電動カートにばかり頼らないようにしましょうね、と話はしていたのですが、実際に電動カートを導入してからは、「便利だから」とほとんど歩かなくなり、数か月後には足腰が極端に弱くなってしまいました。
確かに移動は楽になりましたが、その「便利さ」が日常の運動量を大きく減らし、体力低下を早めてしまったのです。
便利さを取り入れながらも、「どこまでを自分の力で行うか」を一緒に考える。
特にどんどん身体能力が衰えてくるお年寄りにとっては、残存能力をいかに維持させていくかが重要であり、自分でできることを自ら狭めてはいけない!と思っています。
守るだけではなく、活かす支援へ
利用者の「安全」を守ることはもちろん大切です。
でも、その人の「自立」や「意欲」を守ることも、同じくらい大切です。
「転倒」のリスクは極力減らさなければなりませんが、せっかくの残存能力は生かして、自分の足で一歩を踏み出せるように支援する。
「安全」と「自立」のバランスある支援、今後も心がけていかなければと思っています。
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!
これからも、「介護の三ツ星コンシェルジュ」にて、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!
ではでは




