知ってますか?認知症とせん妄の違い
こんにちは!「しんぶろぐ〜介護ノート~」を運営しているしん(@shinbloger)です。
簡単に自己紹介させてください。
・15年以上の介護経験がある現役の介護士です。
・介護福祉士と福祉用具専門相談員の資格を持っています。
・認知症デイの相談員4年以上の経験があります。
せん妄には、場所や時間がわからなくなる見当識障害や注意力や思考力が低下する注意障害、幻視・錯視などの認知症と似た症状があります。
そのため家族がせん妄の症状をみて、なかには認知症と考えてしまう方も少なくありません。
今回は、認知症とせん妄の違いについて、誰でもわかりように解説します。
せん妄とは?
せん妄とは、注意力や認知、意識のレベルが急に一時的に障害される状態のことです。
具体的には、突然注意力が散漫になったり、場所や時間がわからなくなったりすることがあります。
せん妄の特徴として、症状が大きく変動することがありますが、通常は治ることが多いです。
たとえば、昼間は普通に話せても、夜になると混乱してしまうことがあります。このように、せん妄は急に始まり、しばらくすると元に戻ることが多いのです。
せん妄の診断基準
せん妄を診断するためには、いくつかのポイントがあります。
まず、注意力や意識が普段と違いがあるかです。
たとえば、普段は話ができるのに、急に集中できなくなったり、ぼんやりしたりするなどです。
また、せん妄になると、認知機能、つまり物事を考えたり理解する力も一時的に低下することがあります。
せん妄の原因としては、他の病気や薬、または身体に影響を与えるさまざまな要因が関係しています。そのため、せん妄が疑われるときは、医師にしっかりと診断してもらうことが大切です。
せん妄の症状
せん妄にはいくつかの特徴的な症状があります。
ここでは、その主な症状を解説します。
注意障害・思考力の障害
まず、注意障害や思考力の障害があります。せん妄になると、注意力が散漫になり、会話がうまく続かなくなったり、話がまとまらなくなったりします。
認知機能障害
次に、認知機能障害です。これには見当識障害が含まれ、場所や日付がわからなくなることがあります。たとえば、自分がどこにいるのかや、今日は何日なのかがわからなくなることがあります。
感情の変化
感情の変化もせん妄の症状の一つです。普段は穏やかな人が急にイライラしたり、怒りっぽくなったりすることがあります。
行動の変化
行動の変化も見られます。せん妄の人は、多動(じっとしていられない)、徘徊(歩き回る)、組織的な動作の変化(普段とは違う動きをする)などの行動をすることがあります。
睡眠・覚醒の障害
睡眠・覚醒の障害もせん妄の特徴です。不眠(眠れない)、昼夜逆転(昼間に眠り、夜に起きている)などの問題が起こります。
幻覚・錯覚
最後に、幻覚・錯覚があります。せん妄の人は幻視(見えていないものが見える)を経験することが多いです。特にレビー小体型認知症との区別が必要です。
認知症とせん妄の違い
次に、認知症とせん妄の違いを紹介します。
認知症はゆっくりと進行し、症状が持続的に悪化するため、一度発症すると治ることはありません。
一方、せん妄は急に発症し、症状が変動することが多く、適切な治療を受ければ通常は回復します。
せん妄を発症する3因子
せん妄を引き起こすには、3つの因子があります。
準備因子
まず、準備因子です。
これには次のようなものがあります。
認知症:すでに認知症を患っていると、せん妄が発症しやすくなります。
高齢:年齢が高くなると、せん妄のリスクが増えます。
視覚・聴覚の変化:視力や聴力が低下すると、せん妄が起こりやすくなります。
誘発因子
次に、誘発因子です。
これには以下のものが含まれます。
脱水:体内の水分が不足すると、せん妄を引き起こすことがあります。
薬剤:特定の薬を服用することで、せん妄が発生することがあります。
睡眠不足・昼夜の逆転:十分に眠れなかったり、昼と夜が逆転する生活を送ると、せん妄になりやすいです。
直接因子
最後に、直接因子です。
具体的には次のようなものです。
脱水、電解質異常:体内の水分や電解質のバランスが崩れると、せん妄を発症することがあります。
感染症、手術:感染症にかかったり、手術を受けた後にせん妄が起こることがあります。
薬剤中毒・離脱症状:薬の過剰摂取や急な中止によって、せん妄が発症することがあります。
このように、せん妄を引き起こす因子は多岐にわたります。
せん妄の治療法
せん妄の治療には、いくつかの方法があります。
改善可能な因子への対処
まず、改善可能な因子への対処が大切です。たとえば、患者が脱水状態であれば、水分を補給することが必要です。また、せん妄を引き起こす薬を中止することも大切です。
次に、誘発因子への介入やケアも重要です。患者が落ち着いて過ごせるようにサポートすることで、せん妄の症状を軽減することができます。
ケアのポイント
せん妄の患者をケアするときは、まず、落ち着いた環境で、患者の話を否定せずに聞いてあげることです。これにより、患者は安心できます。
また、安心感を与えるために、優しく話しかけたり、手を握ったりすることも効果的です。さらに、転倒や事故を防ぐために、周囲の環境を整え、安全を確保しましょう。
薬物治療のポイント
最後に、薬を使った治療について説明します。せん妄の症状を和らげるために、鎮静、幻覚、妄想に対して抗精神病薬を使用することがあります。
また、睡眠不足が原因の場合、睡眠を深くするために睡眠薬を使うこともありますが、ベンゾジアゼピン系の薬は避けるようにします。さらに、薬の副作用にはふらつきや転倒が含まれるため、注意が必要です。
まとめ
今回は、認知症とせん妄の違いについて解説しました。
認知症とせん妄の違いを理解することは、適切なケアを提供するために大切です。
認知症はゆっくりと進行し、症状が持続的に悪化しますが、せん妄は急に発症し、適切な治療を受ければ通常は回復します。
この記事を通じて、認知症とせん妄の違いを理解し、適切なケアと対応ができるようになれば幸いです。
介護の三ツ星コンシェルジュ


