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「2025年問題」って何? その内容と介護業界に与える影響①

皆さんも「2025年問題」という言葉をテレビやインターネットで見たり聞いたりしたことがあるかと思います。

今年は2024年ですから、もう来年の話になります。
目前に迫っている話なのに、「言葉は知っているが、具体的にどういう問題なのよくわからない」という程度の認識の方も少なくないのではないでしょうか。

そこで2回にわたり「2025年問題とは何か」「2025年問題は介護業界にどの様な影響を与えるのか」という点について整理してみましょう。

 1947年~1949年生まれの人を俗に「団塊の世代」と呼んでいます。

戦後の第1次ベビーブーム期の生まれということもあってその数は多く、現在約800万人いると言われています。
そして2025年にはその全員が75歳以上、つまり後期高齢者となります。

一方で、日本の総人口は2010年をピークに減少を続けていることもあり、2025年には実に国民の5人に1人が後期高齢者という未曽有の超高齢社会を迎えることになります。

それにより生じることが予想されるさまざまな影響を総称して「2025年問題」と呼んでいます。

2025年問題が社会に与える影響とは?

 では、具体的にどのようなものが考えられるのでしょうか。

まずは、社会全体に占める後期高齢者の割合が増えるのですから、相対的に労働力人口が減少し、人手不足になります。

最近では、路線バスが減便されたり、飲食店やコンビニエンスストアが24時間営業を取りやめたりと言ったニュースが報じられていますが、この原因のひとつが労働力不足です。

今後は、ますますそれが加速していくことが予想されます。
人手不足により、これまで提供されてきたサービスが休止になるなど、実際の生活の面でさまざまな影響が出て来ることが考えられます。

また、労働力確保のために各事業者間での人材獲得競争が激化することになります。

実際に、ここ数年で給与の引き上げや福利厚生の充実など、労務環境の改善が各分野で進められています。

医師や運転手などは、2024年4月1日から長時間労働の禁止などの働き方改革がルール化されています。

そうした対応を行うだけの余力のない事業者は、ますます人手不足に陥ることが予想されます。
人手不足による休業・廃業なども増えてくることが考えられます。

次に、大量の後期高齢者を支えるために、社会保障、主に医療・介護、年金などが限界に達し、社会全体に影響がもたらされることが予想されます。

それらを維持する財源となる税収についても、前述した総人口や労働力の減少などによって落ち込むことが考えられるため、社会保障制度の根本的な見直しが必要になることも考えられます。

結果として負担と給付のバランスが大きく見直されるなど、多くの国民にとって負担が増す事態になるかもしれません。

 そして、こうした社会保障制度の行きづまりは、若者層の将来に対する不安や懸念となり「将来に備えて節約しなければ」「子どもを産むのはリスクが高い」という思考につながります。

その結果として、さらに経済の全体落ち込みや少子化に拍車をかけるという悪循環に陥ることも考えられます。

 こうした影響は、当然のことながら介護業界にも及んでいきます。

ただし、介護業界は2025年問題により増加することが考えられる後期高齢者を対象としたビジネスであるため、ほかの業界とは多少違った形で影響が出て来ることが予想されます。

次回は、その点について詳しく検証してみましょう。


介護の三ツ星コンシェルジュ

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