令和3年度がん手術件数ランキング 食道がん編
このコラムは2021年当時関西電力病院事務局長であった岡本有氏が執筆し、大変好評だったものを、読者の皆様の多数のご要望により、介護の三ツ星コンシェルジュ編集部で2023年の手術件数を調べなおし、新たなコラムとして掲載しています。
ですので、コラムの内容自体は当時の岡本有氏の内容を引用し、件数のみ新たなものとしています。
このコラムのランキングは各病院の主な手術の件数をとったものですが、目安として数種類の手術の合計の多い病院順にならべています。
空白になっている欄は、その術式の手術をしていないということではなく、数が少なかったということを意味しています。
在院日数は、その手術の患者さんが平均して何日で退院したかということを示す指標です。
一般に在院日数が短かい程早く退院できる、その病院の手術・治療の手際が良かったというようにも考えられます。
ただし、がんの手術は進行度であるステージ、年齢、併存疾患の有無等があります。
軽度ながんを多く扱うほど、在院日数は短くなるからです。
また、外科手術は一般的に在院日数が長いため、この手術を行っている病院は、行っていない病院と比べると在院日数が長くなります。
したがって、在院日数の単純比較はできませんので、在院日数のデータは一つの目安として参考にされることをお勧めします。
食道癌の手術とは?
食道がんの手術については、初期、早期の場合は、内視鏡による治療が、進行した場合は、外科手術が行われます。
内視鏡による治療は、体の負担がすくなく回復が早いことが特徴です。
がんの病巣をワイヤーでひっかけてとる内視鏡的粘膜切除術と電気ナイフで病巣を削り取る内視鏡的粘膜下層剥離術があります。
外科手術は、がんを含めた食道と胃の一部を切除し、同時にリンパ節を含む周囲の組織も切除します(転移を防ぐため)。
食道切除後には、胃や腸を使って食べ物の新しい通路を作る手術(再建術)を行います。
このため、比較的入院期間(在院日数)が長い治療となります。
食道がんの外科手術は、消化器の中でももっとも難しいと言われており、大学病院や公的大病院に手術が集中している傾向があります。
表は主な手術の件数をとったものですが、目安として二種類の手術の合計の多い病院順にならべています。
空白になっている欄は、その術式の手術をしていないということではなく、数が少なかったということを意味しています。
在院日数は、その手術の患者さんが平均して何日で退院したかということを示す指標です。
在院日数が短い程早く退院できる、その病院の手術・治療の手際が良かったというようにも考えられます。
ただし、がんの手術は進行度であるステージ、年齢、併存疾患の有無等がありますので在院日数の単純比較はできません。
軽度ながんを多く扱うほど、在院日数は短くなるからです。
したがって、今回の在院日数のデータは一つの目安として参考にされることをお勧めします。
また、前述しましたように外科手術は在院日数が長いため、この手術を行っている病院は、行っていない病院と比べると平均の在院日数が長くなりますので、単純に平均の在院日数の比較はできません。
大阪国際がんセンターがダントツ。その他はやはり大阪府は大学病院・公的大病院が!!
大阪は、ずらりと大学病院、公的大病院が並びます。外科手術を多数多く行っている病院も数多くあります。大阪国際がんセンターの件数が抜きんでています。内視鏡手術も大阪国際がんセンターがダントツです。
10位に岸和田徳洲会病院が民間病院としてランクインしています。
兵庫県は変わらず神戸大学病院がトップ!!
兵庫県は神戸大学病院が外科手術、兵庫県立がんセンターが内視鏡的粘膜切除術等、でトップ。
両病院でトップ1、2を分け合っています。
京都府は京都大学医学部附属病院がトップに!!
京都府では、外科手術を行っているのは、京都大学医学部付属病院と京都岡本記念病院です。
内視鏡的粘膜切除術等では京都岡本記念病院がトップです。
滋賀県は大津赤十字病院、奈良県は天理よろず相談所病院、和歌山県は和歌山県立医科大学付属病院がトップ!!
滋賀県では、外科手術を行っているのは大津赤十字病院のみです。民間病院では淡海医療センターが3位にランクイン。内視鏡的粘膜切除術等を比較的多く行っています。
奈良県では、天理よろず相談所病院と奈良県立医科大学病院が、外科手術を行っています。
内視鏡的粘膜切除術等は天理よろづ相談所病院が数多く行っています。
和歌山県では外科手術を行っている病院は見られません。
内視鏡的粘膜切除術等で和歌山県立医大病院、日本赤十字社和歌山医療センターも行っています。
今回は、手術件数合計数ならびに在院日数のみを比較しましたが、これらの指標ですべてを推し量られるわけではありません。
病院の業績・アクティブを見る上では、病床あたりの手術件数、医師一人あたりの手術件数も、重要な指標となります。
このようなことを踏まえて、皆さんが病院選びの参考としてこのコラムを活用していただけば幸いです。
(注1)
手術件数データは厚生労働省の「令和3年度DPC導入の影響評価に係る調査」のサイトから引用しています。
介護の三ツ星コンシェルジュ編集部