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介護職に必要な倫理

こんにちは!「しんぶろぐ〜介護ノート~」を運営しているしん(@shinbloger)です。
簡単に自己紹介させてください。

・13年以上の介護経験がある現役の介護士です。
・介護福祉士と福祉用具専門相談員の資格を持っています。
・認知症デイの相談員4年以上の経験があります。

今回は、介護職に必要な※倫理について記事を書きました。3分ほどで読める記事なので介護職の方は読んでみてください。

※道徳。 モラル。 人のふみ行うべき道。
ある社会で、人々がそれによって善悪・正邪を判断し、正しく行為するための規範の総体。

はじめに:介護職における倫理とは?

介護職は、高齢者や障害者などの支援を行う重要な仕事です。
この仕事では、人々の身体に直接触れたり、日常生活のお手伝いをすることが多いため、倫理観が非常に大切になります。

例えば、医師をはじめとする、人に直接触れる職種では行為を間違えれば身体や尊厳を傷つける可能性があり、場合によっては命にかかわるケースもあります。
だから高い倫理性がもとめられます。

介護職に重要視される原理原則

介護職で一般的に重視される4つの倫理原則は下記になります。

・自律尊重の原則
・善行の原則
・無危害原則
・正義原則

自律尊重の原則
自律尊重の原則は、利用者の意志や選択を尊重する考え方です。個人の価値観や生活様式、信念を理解し、その人らしさを尊重してサポートしていく事が重要です。
強制や無視することなく、その人の意志に基づいた介護を提供することが求められます。

善行の原則
善行の原則は、利用者に対して可能な限り良い影響を与え、利益を最大化する行動をすることです。
介護職の人々は、利用者の健康や生活の質を向上させるために最善を尽くす必要があります。

無危害の原則
無危害の原則は、利用者に対して害を与えない、あるいは可能な限り害を最小限に抑える考え方です。
介護の過程での怪我や精神的なストレスなどを防ぐための工夫が求められます。
利用者の安全を第一に考え、危害を与えないよう努めることが大切です。

正義原則
正義原則は、介護サービスを公平かつ均等に提供することを意味します。利用者一人一人に対して均等にサービスを提供し、特定の利用者に偏りのないように努める必要があります。
資源やサービスの分配が公平に行われるよう、介護職として誠実に行動することが求められます。

これらの原則は、介護職において非常に重要であり、すべての行動と判断の基盤となります。
倫理原則を理解し、遵守することで、利用者へのサービスが向上し、信頼される介護の提供が可能となります。

介護現場で想定される事例

介護現場で想定される事例から介護職に必要な倫理観が守られているか考えてみたいと思います。

・利用者の呼びかけに「ちょっと待って!」や「そこに座ってて!」と強制する。
・自分で着脱できるにもかかわらず、時間がかかるという理由で職員がすべて介助する。
・「○○して!」「ダメ!」など、指示・命令口調で行動抑制する。
・ナースコールが鳴ってもすぐに対応しない。
・食べようとしない利用者に無理やり食べさせる。
・食事用エプロンをつけたまま、食べこぼしがあるままでリビングに放置する。
・レクリエーションで、利用者の意思なく仮装やカツラをかぶせて「かわいい」と笑う。

介護現場は日々業務に追われており、人手不足で大変なのはよくわかりますが、これら事例の対応をされている側はどのように感じるか考えたことはありますか?
事例を踏まえたうえで、自分自身を下記のストーリーの主人公に置き換えて読んでみてください。

「あなたはファミレスに行きました。」

・店内はとても混んでます。店員は目があったのに、「いらっしゃいませ」の一言もありません。
・席に座ろうとすると「そこじゃなくてあっち」と指で指図されます。
・メニューを眺めていると、店員に「まだ?」と言われました。
・メニューを決めて、とおりかかった店員に声をかけるも「ちょっと待ってて」をぶっきらぼうに言われます。
・さらに待ったうえで呼び出しボタンを押すと「さっきも待ってて言ったでしょ!」怒られました。
・やっと注文がきて、料理が運ばれてきましたが、店員は「はい」と一言言って去っていきました。
・食事を楽しんでいると「早く食べて!」とせかされます。

このストーリーを読んだときに、お客として大切にされてるとは思えませんよね。
文句の一つも言いたくなります。

我々介護職は日々の業務のなかで、悪気なく利用者の倫理や尊厳を傷つけてしまう言動をしているかもしれません。

まとめ

介護職における倫理は、利用者の健康や尊厳を守るために非常に大切です。
この倫理は、自律尊重、善行、無危害、正義の4つの原則からなります。

しかし、忙しい現場で、これらの原則を忘れてしまうこともあります。

その結果、利用者の気持ちを傷つけてしまうことがあるかもしれません。
だからこそ、介護職は毎日の業務の中で、これらの倫理を常に心に留め、自分の行動を見つめ直すことが大切です。

利用者にとって最良のケアを提供し、信頼される介護職になるためには、倫理の理解と実践が欠かせません。
私たちの行動一つひとつが、利用者の心地よい生活を支える基盤となるのです。

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