認知症について

高齢者の疾患③「大きなショックやストレスが認知症に影響する」

おしどり夫婦のご主人さまが亡くなって

とても仲の良かったご夫婦。
ご子息が独り立ちしてからも、夫婦で合唱団に入り、旅行に出かけ、新婚時代に戻ったような生活をしていらっしゃった方のご主人さまが亡くなりました。

ご遺族は、既に家庭を持って、別居している娘さん二人。
「一緒に暮らそうか?」という長女さんの申し入れに対しても、「大丈夫。一人暮らしの方が気楽だから…」といって一人暮らしを継続されていました。

葬儀後、半年間は法事等でバタバタ忙しい日々を過ごされ、はた目からすると何ともなかったのですが、「あそこが痛い、ここが痛い」と訴えられるようになり、処方薬が山のように増えていったそうです。

長女さんが気づいた一年後には深い鬱症状。
精神科の専門医の診断を受けると「レビー小体認知症」と診断されました。

認知症の原因は

ご診断したお医者さまに原因を聞くと、「一年前の旦那様の死別が原因です。」と言われたそう。
ショックやストレスが原因で認知症が発症することは良くあることのようです。

東日本大震災の仮設住宅では認知機能が低下した人が通常より1.5倍多かったそう。

動物実験でもストレスを与えると認知症の原因物質の一つである、アミルイドβたんぱくが脳内にたまってくるという結果になっているようです。

この方も、おしどり夫婦だった故に、喪失感が強く、また、ふだんの生活で特に旦那さんに健康面で頼っていたこともあり、「あそこが痛い、ここが痛い」というのは、精神的不安から来ていたよう。
徐々に薬が増えていったのも、サインだったかもしれません。

ショックやストレスを和らげる対策としては、周囲の方が寄り添って悩みを共有してあげることが重要です。
この方の場合も、長女様は「1年程度は、寄り添ってあげた方が良かった。」と後悔されていました。

有料老人ホームへの入居で快方に

暫くは、長女さまが付き添いで介護されていたようですが、認知症特有のBPSD(行動症状・心理症状)に悩まされ、長女さま自身が精神的に辛くなってきたこともあり、結局、「暫く。」という条件で有料老人ホームに入居されました。

24時間スタッフさんがいること、仲間が増えたことといった安心感、また、気づいたのが比較的早期だったため早期治療が出来たのが奏功したのか、その方の認知症の症状は改善されたようです。

今では、面談に訪れた長女さまにもにこやかに接せられ、長女さまも「有料老人ホームにお世話になって良かった。」と安心されています。
”不安”という大きなストレスが原因だっただけに、思い切って環境を変えたのが奏功したようです。

老人性うつ病と認知症の違いは

長女さまも初めは「老人性うつ病」を疑っていたよう。
まさか認知症だとは思ってもみなかったそうです。

高齢者のうつ病は
・「抑うつをあまり訴えない」
・「ものごとに興味や関心がなくなる」
・「もの忘れに似た症状」

等、アルツハイマー型認知症に似ている症状が出てきます。

ここでうつ病と認知症の「もの忘れの違い」を説明しておきましょう。

うつ病のもの忘れの特徴は
・「急に始まる」
・「自分でも気づく」
・「ご本人がもの忘れを苦にする」


認知症の特徴は
・「徐々にもの忘れが増える」
・「自分では気づかない」
・「ご本人がもの忘れをしたことを取り繕う」

 

一概に当てはまるわけではないですから、専門医(精神科等)の受診で確認してみて下さい。

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