高齢者の疾患②「知ってます?認知症のこと」
認知症の原因となる病気は70種類以上あると言われていますが、その中でも代表的なものが図の3つです。
認知症のほとんどを占める三大認知症
それが
A.アルツハイマー型認知症
原因は「脳の神経細胞にベータアミロイドなどが過剰に蓄積し、神経細胞が死亡し、脳の中の「海馬」・「前頭葉」と呼ばれる器官の萎縮と、その後に脳全体に萎縮が広がること」です。
B.レビー小体型認知症
原因は「脳にレビー小体という異常なタンパク質が現れ、このレビー小体が脳の中の「大脳」と呼ばれる器官に広く現れること」です。
C.脳血管性認知症
原因は「脳梗塞や脳出血などで脳の血管が詰まったり破れたりすることによって、その周りの神経細胞がダメージを受けることにより、脳の働きが悪くなること」です。
※ただし、認知症にも治るタイプもあります。
・正常圧水頭症…脳脊髄液が脳室に過剰にたまり、脳を圧迫することにより発症する認知症
・慢性硬膜下血腫…頭をぶつけたりしたときに頭蓋骨と脳の間に血の塊ができ、それが脳を圧迫することにより発症する認知症
その他、脳腫瘍、甲状腺機能低下症、栄養障害、薬物やアルコールに関連して発症する認知症などがあります。
認知症の症状とは
認知症の症状は、認知症の人に共通して現れる「中核症状」と、人それぞれの性格、病気の影響、環境などの要因が重なって起こるBPSD(行動症状・心理症状)に分けられます。
アルツハイマー型認知症の症状と対応のポイント
アルツハイマー型認知症の特徴は以下の通りです。
認知機能障害
①新しい経験を記憶できず、すぐ忘れてしまいます。食事したこと自体を忘れてしまう、日付、昼夜の認識、今いる場所、家族の顔などがわからなくなることもあります。
②判断する力や理解する力が落ちて、食事を作ったり、計算が出来なくなったりします。
BPSD(行動症状・心理症状)
・無為・無関心、妄想、徘徊、抑うつ、興奮、暴力等の症状が現れることがあります。
身体面の症状
・進行するまであまりわかりません。
ご家族の対応のポイント
・否定しないで、本人の話をよく聞きましょう。
・同じことを言われても、穏やかな気持ちで初めてのつもりで話を合わせる
・食事後に「まだ食べていない」と言われたときは、「これから食べましょうね」というふうに接しましょう。
中核症状は誰にでも同様に現れ、BPSD=行動症状・心理症状は人により現れ方が異なります。
レビー小体認知症の症状と対応のポイント
レビー小体型認知症の特徴は以下の通りです。
認知機能障害
・注意力がなくなる、ものがゆがんで見える等の症状が現れます。
・時間帯や日によって、頭がはっきりしていて物事をよく理解しり判断したりできる状態と、ボーとして極端に理解力や判断力が低下する状態が入れ替わり起こります。
BPSD(行動症状・心理症状)
・幻視(実際には見えないものが本人にはありありと見える)、睡眠時の異常言動(眠っている間に大声で叫んだり、怒鳴ったり)、抑うつ状態が現れることがあります。
身体面の症状
・パーキンソン症状(動作が遅くなったり、無表情、筋肉のこわばり、前かがみで小刻みに歩く、倒れやすい)、自律神経症状(立ちくらみ、便秘、異常な発汗・寝汗、頻尿)が現れます。
ご家族の対応ポイント
・転倒に注意!!。椅子からの立ち上がりや階段では手すりを使う。つまずきやすいものは片づけ、家の中を整える。
・食べ物が飲み込みにくくなるので誤嚥性の肺炎に注意を!!。食事の時は前かがみの姿勢をとり、家族が見守る。刻み、トロミなど調理を工夫。
血管性認知症の症状と対応のポイント
血管型認知症の特徴は以下の通りです。
認知機能障害
・障害される能力と残っている能力があり、判断力や記憶は比較的保たれています。「せん妄」が起きて突然認知機能が悪化することがあります。
BPSD(行動症状・心理症状)
・意欲や自発性がなくなったり落ち込んだり、感情の起伏が激しくなり、些細なことで泣いたり、興奮したりします。
身体面の症状
・手足に麻痺や感覚障害等神経症状が現れることがあります。
ご家族の対応のポイント
・規則正しい生活習慣を!!昼夜逆転、不眠に注意してください
・本人が無理しなくても楽しめることを
・デイケア、訪問リハビリ等介護保険を使ってリハビリテーションが大切です
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