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「家庭的な雰囲気の職場」「感謝される仕事」… 求人広告に使うべきでない言葉・キャッチコピーとは?

この言葉がでたら「ブラック企業」に認定?

介護業界の人手不足は相変わらずで、多くの事業所から「募集をかけているが、全く採用できない…」という嘆きの声をよく聞きます。

しかし同じ「採用ができない」でも「面接をしたが、いい人がいない」「求職者から断られてしまった」のと「求人広告に全く反応がない」のとでは全然違います。
前者は面接まではいったわけですから、求人広告が求職者の目に留まり、心を動かしたことになります。
しかし、後者は「求人広告が求職者の心に全く響かなかった」ことになります。
そのような求人広告は、どれだけ出しても効果は期待できません。
では、いったい何がいけなかったのでしょうか。

ネットやSNS上には「こんな求人広告を出している会社はブラック企業認定!」といった内容の書き込みが多く見られます。
つまり、求人広告には「これを使うと求職者からそっぽを向かれてしまう言葉やキャッチコピー」があるのです。
今回はこれらの中から、介護・福祉関係事業者が知らず知らずのうちに使ってしまいがちなものを紹介します。

①未経験の方でも研修制度があるから安心

「介護の仕事は専門性が高い・難しい」というイメージを払拭し、求職者を安心させるために多用されます。
しかし、介護に限らずどのような職場でも必ず研修はあります。
どこの職場でも当たり前のことを書いても「応募しよう」という動機づけにはなりませんし、逆に「よほど他に書くことが無いのだな」とマイナスのイメージを持たれてしまいます。

どうせ研修のことを書くなら、具体的に「どのようなことを学べるのか」を書く方がPR材料になります。
あるグループホームは、市の認知症介護指導員の資格を持っている管理者と、グループホームでの勤務歴が20年近いスタッフの2人が研修担当者であり、認知症介護について専門的に学べることを書いたところ、多くの反応があったそうです。

②お客様に感謝されるお仕事です

似たようなパターンとして「お客様の『ありがとう』がうれしい」などといったものもあります。
しかし、これも①と同様に、全ての仕事に当てはまるキーワードであり、その企業や事業所のアピールにはなりません。

また、ボランティアではなく仕事なのですから、労働の対価は『ありがとう』という言葉ではなく、給与でなくてはなりません。
それにもかかわらず求人広告で「心の満足」を前面に打ち出す会社を求職者は「処遇面に関する従業員の不満を『介護ほど、心からのありがとう、をもらえる仕事はない』などと論点をごまかして対応する会社」と判断します。

③家庭的な職場です

介護関係の求人広告だと7割ぐらいがこの手の表現を使っているのではないでしょうか。
もちろん、家庭的な雰囲気で利用者をケアするのは良いことです。
しかし「家庭的なケア」と「家庭的な職場」は全然違います。
「家庭的な職場」という表現は「家族のようにみんな仲が良い職場」「自由に何でも言い合える職場」ということをアピールしたいのでしょう。
しかし、求職者はこの言葉から次のような職場を想像します。

◎経理・人事・法務などの体制が未整備で、会社・法人としての体を成していない。
◎「社員は家族同然」と、経営者が、私用のために従業員を使ったり、従業員の家庭内のことにまで干渉したりする。
◎「困っている家族のために尽くすのは当然」と従業員に無給労働や長時間労働を強いる。
◎文字通りの「家族経営」で経営者一家以外は出世できず、単なる駒として扱われる。

 このように、企業側が良かれと思って使用していても、実は求職者にマイナスのイメージを与える言葉は少なくありません。
「耳障りがいいから」と安易に使わないように注意しましょう。

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