介護に備えて

介護に備えて⑫ 親の医療費・介護費の自己負担額をグッと安くする方法とは

住民税非課税世帯は医療費・介護費の自己負担額がグッとお得に

私の父親が亡くなった時に、年金や社会保険等、公的な手続きは全て母に変わり私が行いました。
80歳を超える母にとってはとても複雑で難しい手続き。何とか終了して最後に市役所の介護保険課に行った時に言われた言葉が、「〇〇様のお母さんは、「寡婦」となられましたので、所得税はかかりませんし、住民税非課税世帯となります。」ということ。

母の年金は23万円/月。持ち家なので一人暮らしには十分な額。でも住民税非課税世帯となることで、医療費や介護費の自己負担額がぐっと削減されました。

 

「寡婦」「障害者」は住民税非課税世帯

「住民税非課税世帯」が医療費や介護費の自己負担額が大幅に軽減されるのは良く知られていること。

一般的に「両親二人暮しで、2人とも年金などの所得が一定額より低く住民税を払っていない世帯」は非課税世帯。「住民税を払っている父親と払っていない母親の二人暮し」は課税世帯。「住民税を払っていない両親と現役世代の子が同居し同世帯としている場合」は課税世帯となります。

ただ、一人暮らしになると、住民税課税の収入があったとしても、「寡婦」「障害者」の場合は、住民税が非課税となる場合があります。
税法上の「寡婦」とは、「夫と死別」「再婚していない」「合計所得金額が500万円以下」の場合を言います。
税法上の「障害者」とは「障害者手帳を持っている」「介護保険の認定などで、各自治体の定める対象に該当し、「障害者控除対象者認定書」を交付されている」の場合を言います。

非課税世帯になれば、医療費や介護費の自己負担額が軽減されるだけでなく、介護保険料の負担割合も軽減されます。

障害者制度の利用によりサービス利用が増やせる

障害者制度の活用も覚えておくと良い制度です。
身体障碍者手帳の交付を受けていない場合でも、自治体毎に決められた要件に該当すれば前述の「障害者控除対象者認定書」を交付され、障害者控除を受けられるケースがあります。

介護保険の認定で要介護4、5だと該当するケースが多くなってきます。
介護保険を利用していて、なおかつ障害者手帳の交付を受けると、サービスで重複するものは介護保険のサービスが優先されますが、例えば認知症の診断を受けた場合には、「精神障害者保健福祉手帳」の交付を受けることが出来、介護保険以外の障碍者向けサービス、例えば、医療費の補助、タクシー利用補助、訪問看護等のサービスを併せて受けることが可能になります。

介護保険の利用限度額を超えた場合にも、障害者として必要なサービスと行政が認定すれば、+αのサービスを受けることが可能になります。障害者のサービス適用については、各行政で扱いが変わりますので確認が必要です。

世帯分離の活用も

世帯分離を行うことにより、医療費や介護費の自己負担額の軽減が可能になります。

親子同居、夫婦同居の場合でも世帯分離は可能です。「生計が一」ではないと判断できる場合は、行政に「世帯変更届」を提出することにより世帯分離が可能になります。親の収入だけでは住民税非課税世帯に該当する場合は、医療費や介護費の自己負担額がグッと下がります。

自身の親御さんの状況を確認し、使えるものは使えるようにしましょう。
 

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この記事を書いたコラムニスト

荒牧誠也 (アラマキセイヤ)

コラムサイト介護の三ツ星コンシェルジュ編集長

株式会社ベイシス 取締役シニア事業部長
1964年 大阪府大阪市生まれ
1988年 関西電力㈱入社。介護事業子会社 ㈱かんでんジョイライフや医療関係子会社 ㈱かんでん在宅医療サービスの設立や運営に従事。関西電力グループのメデイカル・ヘルスケア事業の企画業務や㈱京阪ライフサポートのM&Aに従事後退職。
2017年 関西電力㈱を退社。㈱ベイシスの取締役シニア事業部長に就任。

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