高齢者の病気・疾患

がんシリーズ1. がんってどんな病気?

「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。今回から新シリーズとして、がん(悪性腫瘍)を扱っていきます。まず初回はがん(悪性腫瘍)の概略を説明していきます。

日本人が最も亡くなっている病気

 本シリーズのテーマである、がん(悪性腫瘍)です。がん(悪性腫瘍)は正確には、ひらがなの「がん」、漢字の「癌」、がんというのが正確ではなく、「肉腫」「白血病のようにがんと似た病気だけど、がんとは言わないもの」と、色々表現があります。医学的には使い分けるのが正しいのですが、おそらくわかりにくくなってしまうので、あえて一般的な悪性腫瘍全体を意味するひらがなの「がん」を使っていきます。
 我々日本人が最も亡くなっている病気を知っていますか?もう皆さん、お分かりですね。がんは日本人の死亡原因第1位です。これは、男女共に第1位ですので、性別差はありません。誰でもなる可能性がある病気なんですね。よく言われるのは、「一生のうち、2人に1人はなんらかのがんに罹り、3人に1人がなんらかのがんで亡くなる」と言われています。まずは決して他人事ではないことを、理解していただければと思います。
 

がんってどんな病気?

 がんには様々な種類があります。日本人で多いところだと、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がんが代表的ながんですね。それぞれのがんが、それぞれの特徴があり、同じ病気と言ってはいけないほど診断も治療も、そして生存率も異なります。だから、それぞれのがんに専門家が存在するんですね。一方、どんながんでも共通する特徴はあります。簡単に説明していきますね。

 まず、我々の体は小さな細胞からできています。この細胞は一つの細胞が分裂することで新しく生まれ、古くなった細胞はその生涯を終えていきます。なので、我々は全く変わらないように見えても、体の中身は日々入れ替わっているんです。ちょっとびっくりしませんか?
 がんは、この細胞ががん細胞になってしまいます。がん細胞はどんどん増える特徴があります。細胞が増えるというと、何かいいことのようにも聞こえますが、がん細胞は通常の細胞と違います。細胞というのは、それぞれに与えられた役割を果たすための機能があるのですが、がん細胞はそれらが失われています。例えば、胃の細胞だったら胃液を分泌するというような機能を持っていますが、胃がんの細胞はそんなことお構いなしです。そんながん細胞が無秩序に増えるとどうなるか?必要な機能を提供している細胞の代わりにがん細胞が増えるので、胃の食べ物を消化するという役割は果たせなくなりますね。
 もう一つ厄介ながん細胞の特徴は、ふらっと他のところに行って、別の場所で勝手に増えるというものです。これを「転移(てんい)」と呼びます。ただでさえ、勝手に増殖して迷惑なものが、別の場所に行って増えてしまう。移った先が肺なら肺転移、脳なら脳転移なんて呼びます。そうして転移した先でも無秩序に増えたがん細胞は、その転移先の機能を邪魔し続けるんですね。

まとめ

 がんシリーズの初回は、その概要についてお話ししました。次回はがんのに原因ついてお話しします。

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