高齢者の病気・疾患

がんシリーズ8. セカンドオピニオン

「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。
がん(悪性腫瘍)シリーズの8回目は、セカンドオピニオンについてです。
あまり聞いたことがないかもしれませんが、がん治療を考える上で非常に重要なテーマですので、ゆっくり進めていきます。
 

セカンドオピニオンってなんだろう

これまでのシリーズで、がんの診断や治療について様々なことをお話ししてきました。
可能な限り分かりやすさを優先でお話ししてきたのですが、これを全て読んだからって、もし自分ががんになった時のベストな治療って選択できるかというと難しいですよね。
それは当然で、医師である私ですら、自分が癌になったときには適切な専門医と相談すると思います。

このようにがん治療の選択は非常に重要なので、正しい情報に基づいて担当してくれている医師としっかり相談して納得感を持って決めていただくことが重要です。

ここで、ちょっと例え話ですが、皆さんにとって大事な買い物をする時は目に入ったものをすぐ購入しますか?
まあ、そういった方もいらっしゃると思いますが、多くの方が複数の商品をそれぞれ比較して決めますよね。
例がちょっと分かりにくかったかもしれませんが、セカンドオピニオンはこれと同じです。
まして、重要ながん治療に関することなので、診断や治療の選択肢などを別の医療機関の医師の意見も聞いてみて、それぞれの意見を踏まえて決めることをセカンドオピニオンと言います。
言葉の通り「第2の意見」という意味合いです。

どうすればセカンドオピニオンを受けられますか?

例えば、

・担当医の先生の治療以外の選択がないか意見が聞きたい
・診断について別の医師の意見も聞きたい

と言った気持ちの時には、セカンドオピニオンを検討していただいて良いかもしれません。
その際は、担当医や相談支援センターなどの担当部署に相談してみると良いでしょう。

「セカンドオピニオンを希望するのは、担当医の先生には内緒にしたい」といった要望をよく質問されます。
担当医が機嫌を損なうのではないかという心配から、こう言った質問をいただくことが多いです。
ただ、セカンドオピニオンは行った先の医療機関で検査をするのではなく、元々の担当医の先生が実施してくれた検査や情報からセカンドオピニオンの担当医が判断を説明します。
なので、担当医の協力は不可欠です。

もし担当医に相談しにくいと感じる場合は、相談支援センターや看護師などのスタッフにその旨も含めて相談してみましょう。

セカンドオピニオンの注意点

私としては、セカンドオピニオンは非常に大切と思っています。
一方、セカンドオピニオンをしっかりと活用するには、患者さんにも理解しておく点があります。
まず、現在の担当医の意見をよく理解することが大切です。
次に、セカンドオピニオンで聞きたいことを前もって整理しておくことも重要でしょう。
そして、可能であれば信頼できる人に同行してもらうことも大切ですね。

セカンドオピニオンを重要な治療方針の決定に活用できるよう、注意点をしっかり理解して臨んでいただきたいと思います。

まとめ

第8回はセカンドオピニオンについて述べてきました。
少し難しく感じられましたか?
少し知識を持って見渡してみたら、病院にも関連する話題が掲示してあったりします。
注意して観察してみてください。

次回からは2回に分けて、「情報との付き合い方」についてお話ししていきます。

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