高齢者の病気・疾患

糖尿病シリーズ 7.糖尿病の飲み薬

糖尿病シリーズ 7.糖尿病の飲み薬

「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。今回は糖尿病の治療薬について、注射薬を中心に解説をしていきましょう。
 

インスリンが足りないなら補充しよう!

もう何度も言いました。
糖尿病は血液の中の糖の量である血糖値を調整する、インスリンというホルモンが不足したり効果が減ってしまい、血糖が上昇する病気でした。インスリンが足りないんだったら、体の外から補充しちゃえばいい!ということで、注射で直接インスリンを補充するのがこのタイプの多くを占めています。

 ではインスリンはどこから持ってくるのでしょうか?
実は、糖尿病患者さんに注射しているインスリンは、人工的に合成されています。
すごいことと思いませんか?体内のホルモンが、人工的に合成できるんですよ?
以前、少しだけお話しした、体内でインスリンを作ることができない 1型糖尿病と呼ばれる種類の糖尿病の患者さんがいます。一般的な2型糖尿病と異なり、小学生くらいの子供のうちから発症します。インスリンが発見され、合成可能になる前は、こうした1型糖尿病の患者さんは、重篤な糖尿病となり数年で亡くなっていました。そんな光景が大きく変わったのは、インスリンの発見と製品製造のおかげでした。インスリンの開発の歴史については、インターネット上も色々紹介されてますので、是非読んでみてください。

 ついつい熱く語ってしまいました。
インスリンの注射薬は、皮下注射(ひかちゅうしゃ)という方法で投与します。皮膚の下の浅いところに細い針で投与するので、さらに深いところにある神経や血管を痛める事は通常ありません。なので、患者さんは打つ練習をして、手順を守りながら自分で打っています。

 インスリンも詳しく話すといくつかの種類があり、主に、作用時間の長さによって分かれます。大まかに打ったらすぐに血糖が下がるタイプと、ゆっくりじわじわ血糖が下がるタイプがあります。これらをどのように使い分けるかは、患者さんの血糖の変動によるので、かかりつけの医師と相談して決めましょう。

インスリン以外の注射薬

 糖尿病の注射といえばインスリン!と覚えておけば良かっただけなのですが、最近新しい薬が注射薬として出てきています。GLP-1受容体作動薬(ジーエルピーワンじゅようたいさどうやく)というもので、前回、内服薬の際に紹介したDPP-4阻害薬と似たような作用と言われています。新しい薬剤なので、今後、どのような形で広がっていくのか、私も注目しています。

まとめ

 糖尿病の注射薬についてお話ししてきました。いかがだったでしょうか?ちょっと難しい話が続きましたね。糖尿病も次回で最後になります。それでは次回もどうぞよろしくお願いします。

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