糖尿病シリーズ 8.シックデイってなんだ?

「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。今回は糖尿病の最終回です。糖尿病と付き合う上で、非常に重要なシックデイについて解説します。

シックデイとは?

 シックデイって聞いたことはありますか?シックというのは英語で、「体調が悪い」みたいな意味ですが、シックデイは読んで字のごとく「体調の悪い日」のことを意味します。最も代表的な光景は、糖尿病の患者さんが風邪をひいた時などです。糖尿病患者さんは抵抗力が低下していて、ウイルスや細菌への感染症にかかりやすいです。そして、糖尿病患者さんがこう言った体調不良に至ると、血糖値が非常に高くなることが知られています。普段しっかりと血糖がコントロールされている糖尿病患者さんでも、血糖が高くなってしまい、脱水などを伴うと重症になります。
なので、こう言った現象をシックデイとよび、特に注意が必要としています。新型コロナウイルス感染症なども含め、糖尿病患者さんは要注意なんですね。
 

シックデイへの対応

 では、シックデイにはどのように対応すれば良いのでしょうか?
まず、体調をきちんと把握し、整えることに努めましょう。安静にし、食欲がないときには水分をきちんととる必要があります。スープやお粥などが良いかもしれません。ここで注意が必要なのは、糖尿病の薬を自己判断で中止しないことです。食欲がなくて、普段よりあまり食べてないからインスリンを打たないでおこう・・・
といったことをしてはいけないということです。実は普段よりもずっと血糖が高くなっていて、そのために重篤な状況になってしまうということを防ぐ必要があります。

 こういった状況に備えて、かかりつけの先生と事前に対応を決めておくことが重要です。これを”シックデイルール”と呼びます。体調が悪い時の注意事項や、薬の使い方、どういった場合に医療機関と連絡を取った方が良いかといったことをあらかじめ共有しておくんですね。シックデイ状態の糖尿病患者さんは、このシックデイルールに従って行動することが重要なのです。

 高齢化の進む日本を反映して、高齢の糖尿病患者さんも多くおられます。中には認知症などもあり、自身で複雑なことの管理が難しい糖尿病患者さんも含まれます。そういう意味では、本人のみでなくご家族にも理解していただき、サポートをお願いしたい分野ですね。
 

まとめ

 長く続いた糖尿病のお話も、やっと終わりを迎えることができました。よく聞くけど、理解しにくいかなと思う部分を中心に、分かりやすさ優先で解説してきました。是非、今回のシリーズをもとに、いろいろ情報収集をしてみてください。次回から脂質異常症についてお話しします。

この記事を書いたコラムニスト

柏木 秀行 (カシワギ ヒデユキ)

医師・社会福祉士・経営学修士

1981年広島県呉市に生まれる。筑波大学医学専門学群を卒業後、福岡の飯塚病院に初期研修医として就職。救急、感染症、集中治療などを中心に研修を行った。地域医療を支える小規模病院に出向した際、医療経営と地域のヘルスケアシステムづくりをできる人材になりたいと感じ、グロービス経営大学院で経営学修士を取得。また、社会保障制度のあるべき姿の観点を、研修医教育に取り入れたいと感じ社会福祉士を取得し育成に取り組む。現在は飯塚病院緩和ケア科部長として部門の運営と教育を行いながら、診療所の経営コンサルトをオフタイムに兼任。緩和医療専門医、総合内科専門医、プライマリ・ケア認定医・指導医。

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