高齢者の病気・疾患

高齢者の疾患⑩認知症症状別の対処方法~うつ状態・失禁~

認知症の方への対処方法

残念ながら現在の医学では認知症の進行を遅らせることが出来ても、完全に治すことは出来ません。
現在の医学では、認知症の進行度(軽度⇒中等度⇒高度)に対し治療方針をたて、薬を選び経過を見ることしかできません。

一方、介護という点で言えば、症状別の対処法についてきちんと理解し、対応することにより医師がどんなに良い薬を使うよりも、安心させ落ち着かせることが可能です。

シリーズでお知らせする「認知症症状別の対処方法」。
認知症の症状別の対処法について説明していきます。
今回は、「うつ状態」と「失禁」にいて説明していきます。

「うつ状態」の方への対処方法

認知症の症状の一つに「うつ状態」があります。

気分が落ち込む、眠れない、食欲がない、感情が鈍くなる、何に対しても興味を示さないなどの症状なって現れます。

認知症の患者は感情をうまく伝えられないため、うつ状態になっても気づきにくいのです。
症状を掴む方法として、「それまで楽しみにしていたテレビを見なくなる」「部屋に閉じこもりがち」「あまり食べなくなる」「言葉数が減る」「夜寝ないで起きている」などの変化に注意してください。

早い段階でサインに気付けるようになりましょう。

うつ常態の認知症の方は出来るだけ1人にしないようにしましょう。
皆がいるリビングに誘って、本人の興味がある話題を出して話しかけるようにしましょう。

飲んでいる薬が原因の場合もあります。
うつ状態を起こしやすい薬として、
・降圧剤
・鎮痛剤
・抗パーキンソン病薬
などがあります。

これらの薬を服用していて、うつ状態が見られたら、専門医に相談して対処するのが良い方法です。

失禁への対処方法

認知症の方の失禁の原因はトイレの場所がわからなくなる場合です。
トイレに行きたくても場所が分からないので、探しているうちに失禁してしまうのです。
また、部屋の一部をトイレと間違えて失禁してしまう場合もあります。

トイレに大きな目印をつけておいたり、夜は部屋からトイレまでの廊下の照明をつけておく、部屋にポータブルトイレを設置する等が対処方法となります。

介護者は、認知症の方の排泄周期をチェックしておき、時間を見ながら定期的にトイレの声掛けを行うことも重要です。
オムツは出来るだけ使わないようにしましょう。オムツを使うと介護者の負担は減りますが、本人の排泄感覚を麻痺させて自立心を奪うことにながります。

排泄は人間にとってとても大切な行為。これに関しては出来るだけ自立して行うようにすることが大切です。

次回は「帰宅願望」と「異食」の対処方法について説明していきます。

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