介護に備えて⑧ 親が入院した場合に備えて
入院が決まり次第、退院後の生活を考えてください
親が高齢になった場合、急に病気や怪我がやってきます。
高齢の親がいる家庭はその時に備え、心の準備をしておいた方が、いざという時にあわてなくて済みます。
最近、急性期病院(特に患者7人に対して看護師1人の割合で、常に看護師が患者をみている体制を有する病院)は、入院日数の管理をきっちりやっておられるので、手術後1週間、2週間で退院しなくてはならない場合が多く見受けられます。
さらには退院後に介護が必要になるケースも多々あります。
いざという時の備えとして何をすべきなのか、どう対応すればいいのか。
これらを適切に判断していかなくてはなりません。
まずは、そんな時に慌てることがないよう、知っておくべきことを整理しておきましょう。
入院時の注意点
入院時に病院が必要になるのは”情報”です。
つまり、「どんな病気にかかっているか」という情報(特に生活習慣病)、「どんな薬を処方されているのか」という情報です。
特に親が独り暮らしの場合、その親自身が病気や怪我で入院する場合は、離れている家族が”情報”を入院する病院に提供しなくてはなりません。
かかりつけ医の診察券、保険証、おくすり手帳、服用中の薬。
この辺りの”情報”は普段から把握しておきましょう。
また、親が独り暮らしの場合は、入院中の留守宅管理も必要になります。
冷蔵庫の中身の処分、ガスの元栓締め、必要のない家電製品のコンセント外し、雨戸を閉め施錠する、定期的に郵便物を取りに行く、マンションにお住いの場合は管理人さんへの連絡も必要でしょう。
次に、アフラックを代表とする医療保険の申請です。
これらの保険にはご高齢者の方も加入されていることでしょう。
加入していたら、当然、入院によって保険金が給付される可能性があります。
保障内容は保険証書を確認すればわかります。
親が元気なうちに保険証書の保管場所を教えてもらっておく必要もあります。
保険金を請求するためには、こちらから手続きを行う必要があります。
診断書等必要な書類はきまっていますので、退院前に確認して備えておきましょう。
退院後はどうするか
親が病気や怪我で緊急入院!!でも手術等により最悪のケースを免れた!!
ほっとすべき所ですが、ここからが大変です。
先程も申し上げました通り、急性期病院は治療を行うところ。
治療の必要がなくなれば退院を迫られます。
退院後に独居での生活が難しい場合はどうするのか。
家族が直面する大きな問題です。
病状や回復状態によって選択肢は様々です。
まずは主治医の先生、病棟の看護師に病状を確認し、病院内の医療連携部門(医療連係室、地域連携室という部門です)のメディカルソーシャルワーカーに相談してみて下さい。
退院先としてどこを選ぶのか。それは、お体の状況により変わります。
1.まだまだリハビリが必要、もしくは継続的な医療行為が必要な場合。
⇒回復期リハビリ病院、地域包括ケア病院への転院、老人保健施設への入居。
2.自宅へ帰っても介護保険の在宅サービスを使えば、何とか独居が続けられそうな場合。
⇒要介護認定を受けて、ケアマネジャーを決め在宅介護サービスを受ける。
3.独居での生活は難しいが、家族が遠方、もしくは育児・仕事等があるため介護出来ない場合。
⇒施設入所を考える。その方の病状、身体状況、認知症の状況、予算、立地、継続的な医療行為の必要性の有無等、色々考慮しなければならない事が多いです。その状況により、入居する施設も変わってきます。こういう場合は専門家に相談してみましょう。