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令和3年度介護報酬改定の主な事項について⑧~リハビリテーション・機能訓練の強化~

自立支援・重度化防止の取組の推進でリハビリ機能の強化を

前回までは、「地域包括ケアの推進」について解説してきました。
今回からは、3つ目の大きな柱「自立支援・重度化防止の取り組みの推進」について解説していきます。

大きな柱として強化を謳われているのが、「リハビリテーション・機能訓練の強化」。
訪問リハ、通所リハだけでなく、通所介護、特定施設、介護3施設についてもリハビリ機能の強化の改定が並びます。
それぞれのサービスの改正点について解説していきます。

訪問リハ、通所リハはリハビリテーションマネジメント加算が大きく見直されました

まずは訪問リハと通所リハのリハビリテーション加算の見直し。

自立支援・重度化防止に向けた更なる質の高い取組を促す観点から、リハビリテーションマネジメント加算について以下の見直しが行われました。

 報酬体系の簡素化と事務負担軽減の観点から、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)及び介護予防のリハビリテーションマネジメント加算は廃止し、同加算の算定要件は基本報酬の算定要件とし、基本報酬で評価を行うこととなりました。

訪問リハビリテーションと通所リハビリテーションの評価の整合性を図る観点から、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)及び(Ⅲ)の評価の見直しが行われました。

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)を廃止。定期的なリハビリテーション会議によるリハビリテーション計画の見直しが要件とされるリハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)・(Ⅲ)において、事業所がCHASE・VISITへデータを提出しフィードバックを受けPDCAサイクルを推進することを評価することになりました。

 CHASE・VISITへの入力負担の軽減やフィードバックにより適するデータを優先的に収集する観点から、リハビリテーション計画書の項目について、データ提供する場合の必須項目と任意項目を設定されました。

 リハビリテーションマネジメント加算の算定要件の一つである「定期的な会議の開催」について、利用者の了解を得た上で、テレビ会議等の対面を伴わない方法により開催することが可能とされました。

ん?訪問看護ステーションは置いてけぼり?

上記改定以外にも、訪問リハでは、「退院・退所直後のリハの充実」として、1週に6回を限度として算定が認められる訪問リハビリテーションについて、退院・退所直後のリハビリテーションの充実を図る観点から、退院・退所の日から起算して3月以内の利用者に対して週12回まで算定を可能となったことや、

訪問リハ、通所リハに対し、「社会参加支援加算の見直し」、社会参加支援加算について、算定要件である「社会参加への移行状況」の達成状況等を踏まえ、利用者に対する適時・適切なリハビリテーションの提供を一層促進する観点から見直しが行われたり(単位数の変更はなし)、

訪問リハ、通所リハに対し、「生活機能向上連携加算の見直し」が行われたり(実質プラス改定)、様々な改定がなされています。

一方、地域のハリビリを担う訪問看護ステーションに関しては、「理学療法士等の訪問看護の適正化」と題し、訪問看護ステーション所属のOT・PT・STのリハに対し、厳格な規定が導入される等、置いてきぼりにされた印象がぬぐえない改定となっています。

通所介護における個別機能訓練加算の見直しで人員基準が厳格化?

その他のサービスメニューでリハ・機能訓練の強化で目立つのは通所介護。

通所介護における個別機能訓練加算について、より利用者の自立支援等に資する個別機能訓練の提供を促進する観点から、加算の取得状況や加算を取得した事業所の機能訓練の実施状況等を踏まえ、従来の個別機能訓練加算(Ⅰ)と個別機能訓練加算(Ⅱ)を統合し、人員配置基準等算定要件の見直しが行われています。

その他、特定施設、特養の個別機能訓練加算の見直しが行われ、「個別機能訓練加算(Ⅱ) 20単位/月」が新設されました。これまでは12単位/日の個別機能訓練加算だけでしたのでこれもプラス改定ですね。
 

自立支援のためにはリハや機能訓練は無くてはならないもの。
今回の改定では訪問リハ、通所リハについて大きく見なおされることになりました。

ただ、訪問看護のリハビリ機能については、むしろ厳しい改定となっています。
昨年の医療保険改定時の流れを汲んだ改定となっているのではないでしょうか?

次回は「介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進」についてご説明します。
ん?あまり興味ないですか(笑)?

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