介護施設での暮らし

お話きっかけ集「つむぎ」 2月

高齢者とのおしゃべりが弾むテーマを。

時代時代の流行りすたりもあり、各世代の話題は違ってくるもの。
75歳以上が後期高齢者と言っても、95歳の方と85歳の方では話題も変わってきます。
まして、医療・福祉で働く方々は若い方が多く、人生の大先輩である高齢者の方々と長くお話をするのは大変ですよね。
傾聴ボランティア団体の「PORO」では、医療・福祉の世界、高齢者の方々と接する若い世代向けに、お話しきっかけ集「つむぎ」を毎月発行されています。
季節や行事、自然、食べ物、暮らしの中から、お話きっかけ集 つむぎ 高齢者とのおしゃべりが弾むテーマを、月別にご紹介します!

今回はその2月号から、2月(如月 きさらぎ)の話題をご紹介します。

2月のキーワード

■節分
2021年の節分は2月2日です。例年は2月3日ですが、暦のズレの影響で、124年ぶりに2月2日になる珍しい年になりました。
節分には豆まきをしたり、いわしを食べたりといろいろな行事がありますが、最近は巻き寿司の丸かぶりが人気ですね。

■下駄スケート
日本人が初めてスケートで滑ったのは1891年、札幌農学校の生徒たちでした。
当初スケート靴は高価だったので、下駄にブレードをつけた「下駄スケート」が長野県下諏訪町で発明され、昭和30年代中頃くらいまで使われたそうです。

■ニットの日
2月10日はニットの日。
2と10の語呂合わせですが、横浜手作りニット友の会が、編み物の普及を目指して作りました。
その後1994年に全国的な記念日として、日本ニット工業組合連合会が制定しました。女性の高齢者さんに編み物の好きな方が多いですね。

■鰤(ブリ)
ブリは成長するにつれて呼び名が変わる出世魚。関西ではツバス、ハマチ、メジロ、約80cm以上に成長したものをブリと呼びます。
冬に日本海でとれる脂ののった大物は「寒ブリ」と呼ばれる高級魚。冬のご馳走としてお好きな方も多いのでは?

■蕪(カブ)
春の七草では「すずな」と呼ばれているカブ。
スープや煮物など冬の料理に欠かせない野菜です。
アクがないのでどんな調理法にも合い、消化酵素のジアスターゼが豊富、葉にも栄養がたっぷり。
自分でお漬け物にして食べていた方もおられるのでは?

■寒ボタン
ボタンは中国原産の植物で、古い時代に日本に伝わりました。
元々初夏の花であるボタンを、人の手で冬に咲くようにしたのが冬ボタン。
春と初冬に花をつけるものを寒ボタンと呼びます。
寒さの中、わらの下で咲く大輪の花は、心をほっこりさせてくれますね。

知っておきたいこんなこと!!「おきぐすり」と「薬屋さん」

ちょっとした風邪や腹痛など、薬を飲んで治すという方もおられると思います。
今ほど医療が普及していない時代には、「おきぐすり(配置薬)」にお世話になったという高齢者も多かった
のではないでしょうか。

おきぐすりの始まりは江戸時代。
薬の調合も行った富山十万石の藩主・前田正甫が領民を救うだけではなく、先に薬を預け、次回訪問時に使用した分だけ代金を受け取る「越中富山の薬売り」のビジネスモデルを考え出しました。

薬売りは「売薬さん」と呼ばれ、柳行李の中に薬や紙風船などを詰め、全国を回って商いをしました。
薬の効き目はもちろん、毎年、定期的に来る「売薬さん」は話題が豊富なうえ、健康のアドバイスも。
大人はもちろん、子どもたちもオモチャがもらえるため、訪問を待ち望んでいたそうですよ。

知っておきたいこんなこと!!あったかい味噌汁は、故郷の味

寒い冬、あったかい汁物はご馳走ですね。
なかでも味噌汁は日本の代表的な伝統食の一つです。

味噌は、平安時代には贅沢品で、貴族たちが食べ物にかけたり、付けたりして食べたそう。味噌汁が登場したのは鎌倉時代です。
中国からやってきた僧が粒味噌をすりつぶして水に溶けやすくしたところ、味噌汁として利用されるようになりました。

また、戦国時代には米と味噌が兵糧に用いられ、戦場でのたんぱく源として重宝されました。

江戸時代には、各地の味噌が江戸に送られ、味噌汁がようやく庶民の味になりました。
仙台味噌や八丁味噌、信州味噌をはじめ、全国にはさまざまな「郷土の味噌」があります。
  
ひと昔前まで、朝食に欠かせなかった味噌汁は、高齢者にとって故郷の味であり、お母さんの味ではないでしょうか。

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