老人ホーム選びの知識

失敗しない老人ホームの選び方~ パンフレットと重要事項説明書の違い~

ホームのホームページやパンフレットから読み取れる運営に対する姿勢

有料老人ホームの情報に接するときに最初に接するのは何でしょうか?
まずはホームのウェブサイト。次に送られてくるパンフレットではないでしょうか?

ウェブサイトはページ数の制限もあるため、「料金」「場所」「大まかなサービス内容」等が掲載されています。
ウェブサイトで注目していただきたいのが、ホームの様子を伝える「ブログ」や「SNS」が掲載されているか?
プログやSNSを運営しているのはホーム長や生活相談員、事務員の方々。これらがあることは、ホームの状況を広く一般に伝え、皆に知ってもらおうという姿勢がある証拠です。
これらが定期的に更新され、情報開示を常に意識しているホームに悪いホームはありません。

より詳しい情報が欲しいホームからは、パンフレットと重要事項説明書を取り寄せましょう。

パンフレットは、基本的には「入居者を募集する」という目的で作成された「広告」だという理解で見て下さい。
他社ホームより優れているところはパンフレットで大きく目立つように記載されています。
逆に弱い部分は、あまり目立たせることなく小さく記載されています。

有料老人ホームには「広告等に関する表示ガイドライン」があり、優良誤認を与えたり、不当に消費者を誘引する表示は禁止されており、記載すべき情報につき細かく規定されています。
ですから、得意分野は大きく、不得意分野は小さく表示しているのです。

時々、パンフレットのないホーム、あってもものすごく簡単なものしかないホームがあります。
こういうホームは、ある特定の病院や有料老人ホーム紹介会社と繋がっていたりすることが多いホームです。広告活動にお金をかけなくても、入居者を集めるルートを有しているのです。
こういうホームは要介護度の高い重度の入居者が多い傾向にあります。
寝たきりや認知症の方、医療依存度の高い方が多く、看護体制がしっかりしている一方、レクリエーションやリハビリはあまり充実していない傾向にあります。
軽介護の方には適さないホームかもしれませんね。

重要事項説明書とは

ウェブサイトやパンフレットはホームの「伝えたい情報」が大きく掲載されている一方、「伝えたくない情報」は目に入りにくくなっています。
また、ホーム見学に行っても、パンフレットに掲載されている「伝えたい情報」を中心に説明されてしまいます。

では、どうすれば「伝えたくない情報」を把握することが出来るのでしょうか?
ホームの「伝えたい情報」「伝えたくない情報」が公平に記載されているのが「重要事項説明書」です。

都道府県によって表示順や項目に若干の違いはあるものの、同じ内容が同じ表示方法で記されています。
特定の項目を目立たせて表示したり、表記したくない情報を隠したりすることができない書類なのです。

この重要事項説明書が「読める」ようになることで、複数のホームの比較が容易にでき、見学のときには要点を絞って質問したり確認したりすることができます。

重要事項説明書に掲載されている情報は大まかに以下の8つです。
・ホームの類型(「介護付」か「住宅型」か)
・入居時の要件(主に要介護度。自立の方の受入の可否)
・建物に関する説明(所有か賃貸か。居室の広さ。共用施設。)
・従業員の説明(配置人員。職員の資格。職員の介護従事年数。離職率。夜間体制。)
・介護サービスの内容
・協力医療機関、食事委託事業者の情報
・利用料金
・入居者の状況(要介護度。退居者数。退居先。)

これらの情報を知ることで、ホームの全体の概要が理解出来るのです。
ただ、一般の方が内容を理解するのは至難の業。知り合いの専門家(ケアマネジャー、有料老人ホーム入居相談センターの職員等)に相談して、自分の知りたい項目について教えてもらうことをお勧めします。

重要事項説明書を事前に貰えるホームに入居しましょう

この重要事項説明書。ホームの良い点も悪い点も掲載されているので、事前に渡すのを嫌がるホームがほとんど。
全体のホームの8割程度はすぐには出してくれません。
質の悪い業者では入居契約時にしか説明せず、更には、「大事なところだけ端折りながら説明します」とい言って、ホームにとって伝えたくないところを飛ばして説明する事業者もあります。

重要事項説明書は行政からも開示を義務付けられている書類です。
パンフレット請求時や見学の予約時に入居者の状況をきちんと伝え、冷やかしでないことを説明すると、まともな事業者なら送っていただけるはずです。
それでも拒む事業者のホームには入居しない方が良いでしょう。
対象者が入院している病院のソーシャルワーカーやケアマネジャーから勧められたホームでも、重要事項説明書の入手をお願いしましょう。

これを頼んで取り寄せてくれないソーシャルワーカーやケアマネジャー、有料老人ホーム入居相談センターの相談員は信用できません。そういう方にホーム選びを任せるのはお勧めできません。

なお、関西エリア(京阪神間)では、大阪市、堺市、吹田市、西宮市、尼崎市以外の行政では、行政のホームページに各ホームの重要事項説明書が掲載されています。
そちらから入手するのも良いでしょう。

最後に参考情報ですが、住宅型の有料老人ホームの重要事項説明書を入手する場合は、併せて、主に介護サービスを提供している訪問介護事業所の重要事項説明書を送付いただくようお願いしましょう。

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