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「オムツ」がアウターウェアに? 万博でファッションイベント開催

2025年6月24日、大阪・関西万博の会場内で一般社団法人日本福祉医療ファッション協会が主催する「O-MU-TSU WORLD EXPO 2025」というイベントが開催されました。

その名前の通り「オムツ」にスポットを当てています。

皆さんは、自分がオムツを着用することになった場合、どのように感じるでしょうか。

おそらく「できればしたくない」「恥ずかしい」「人に知られたくない」などという感覚が一般的なのではないでしょうか。

ちょっと前の大人向けオムツのテレビコマーシャルも、オムツが必要になったが「俺は男だぞ」と着用を嫌がる夫を、妻が「じゃあ、着けたら私が旅行に連れて行ってあげる」となだめすかせるものでした。

今回のイベントは、オムツのこうしたイメージを払拭し、新たな可能性を考えるのが狙いです。

例えば、スポーツ観戦や映画・ライブの鑑賞中、公共交通機関での長距離移動中など、トイレに行くのが困難なケースは少なくありません。

「トイレに行きたくなったら困るから」と水分補給を控えた結果、熱中症やエコノミーラス症候群を引き起こす可能性もあります。

こうした場面では、年齢を問わずオムツは非常に重宝すると言えるでしょう。

また、通常の下着とオムツを比較した場合には、吸水性が高いという点で機能としてはオムツの方が上です。

つまり、本来ならばオムツをしていた方が生活する上での利便性は高くなるといえます。

それにも関わらわず「オムツを日常的に着用しよう」という人が少ないのは、通常の下着に比べてデザインなどのファッション性が極めて低い点が理由としてあげられます。

特に若い女性などは「病気や障害が原因でオムツを着用しているが、友達に知られたくないので、絶対に一緒に旅行はしない」などというケースもあります。

逆に言えば、通常の下着と同様のファッション性を持ったオムツがあれば、老若男女を問わず日常的に着用するようになると考えられます。

その結果として、止む負えない理由でオムツを常用している人に対する哀れみや差別的な感覚もなくなっていくと思われます。

今回のイベントでは、そうした社会の実現を目指し、様々なメーカーが試作した「アウターウェアとしても着用可能なオムツ」がファッションショー形式で披露されました。

世の中には、病気やケガ、障害、加齢などで衰えたり、失ったりした身体機能をカバーする機器・装具が沢山あります。

このうち眼鏡に関しては完全にファッションアイテムとしての地位を確立しました。

複数を所有して気分やTPOに合わせて使い分けることが珍しくありません。カツラ(ウイッグ)もそれに近い存在となっています。

また、杖なども若い世代や女性などを意識したファッショナブルなアイテムが徐々に増えてきています。 

しかし、補聴器や車椅子、オムツに関しては、こうした動きはまだまだと言えます。

これらのファッション性が増すことで、高齢者や障害者のQOLがあがるだけでなく、外出をしてみようという気持ちも出てきますから、身体機能の維持・改善につながります。

外出により他者との会話が増えることも期待できますから、認知機能にもいい影響を与えるでしょう。

先に紹介したイベントによれば、既存のオムツ製品の色を変えることは簡単だそうで、実際に多くのメーカーがカラーオムツの商品化を試みています。

しかし、大人用オムツに関して言えば、着用者は「下着は白が一番」という意識が強い世代が中心ということもあり、ほとんど一般化はしていないとのことです。

しかし、もう少し下の世代がオムツユーザーになってくれば、パステルカラーや柄・イラスト入りなど、ファッション性の高いものが登場してくるかもしれません。


介護の三ツ星コンシェルジュ

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