円背の方向けの福祉用具
こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。
今回は「円背の方向けの福祉用具」というテーマで書いてみたいと思います。
そもそも円背とは
そもそも「円背って何?」という方のために、「円背」について簡単にご説明しますと・・・。
円背(えんぱい)とは、背中が丸く曲がった状態のこと。
高齢者によく見られ、加齢による骨や筋力の衰え、骨粗しょう症などが原因で起こります。
ひどくなると、姿勢が崩れて歩きにくくなったり、内臓が圧迫されて呼吸や消化に影響が出ることもあります。
福祉用具についても、円背の方への用具の選定や適合には注意が必要!
通常とは違う選定の工夫が必要だったりします。
円背の方向けの車いす
円背の方が車いすを使う場合は、一工夫が必要だったりします。
円背の方が一般的な車いすを使う場合、座った際に背中とおしりの間に隙間ができてしまい、背シート・座シートに背中・おしりをしっかり支えられず、座位姿勢が不安定になったり、前すべりを更に助長したり、仙骨に圧が集中しているため床ずれのリスクも高まったりします。
そこで重要なのが、背中とおしりの隙間を埋めること。
具体的には下記のような骨盤後部もサポートするクッションを使用したり、車いすも背もたれ角度をより寝かせた角度に設定できるタイプに変更したりして、おしりと背中の隙間が埋められるような設定が重要です。
【出典】株式会社加地ホームページ モニートREHA
(最終アクセス日:2025年03月21日 掲載許可済み)
https://exgel.jp/jpn/product/m-reha/
※そもそもですが、円背といっても、背筋を伸ばすことができる方であればその姿勢に持っていけるようにすることが重要です。
その場合は、骨盤後部(ちょうどズボンのベルト位置くらい)の車いす背シートの背張調整をしっかり締めて、骨盤を立たせる設定にすることが重要です。
円背の方向けの歩行器
円背姿勢の方の歩行器も注意が必要です。
歩行器を利用する際は、できるだけ歩行器に体を近づけて使用する必要がありますが、円背の方は前傾姿勢が強まるため、歩行器と体の距離が離れてしまいがちです。
距離が離れると、前のめりに倒れてしまう危険があるため、なかなか悩ましいところです。
そんな円背の方向けに作られているのが、下記の商品。
【出典】株式会社星光医療器製作所ホームページ アルコー3型
(最終アクセス:2025年03月21日 掲載許可済み)
https://catalog.seiko-aruko.jp/products/detail/248
パッド部分の高さが非常に低く調整できるようになっているので、円背の方でもなるべく体を歩行器本体に近づけられる歩行器になっています。
円背の方向けのシャワーいす
円背の方が使うシャワーいすも工夫が必要です。
一般的なシャワーいすは大型の背もたれがついていますが、円背の方にとっては体が前に押し出されてしまい、浅い座りになってしまいます。
そんな円背の方には、下記のようなシャワーいすが有効だったりします。
【出典】アロン化成株式会社ホームページ コンパクト折りたたみシャワーベンチIC「骨盤サポート」タイプ
(最終アクセス:2025年03月21日 掲載許可済み)
https://www.aronkasei.co.jp/anju/products/nyuuyokukaigo-showerbench/533664/
骨盤部分をサポートする小さな背もたれがついていて、円背の方でも深く安定した座位姿勢を保つことができます!
円背姿勢には見合った福祉用具が必要
ということで、円背の方向けの福祉用具についてご紹介させて頂きました。
円背の方に適合する福祉用具は、一般的な福祉用具だけでは対応しきれないことも多く、今回説明したような円背の方に見合った福祉用具を使っていく必要があります。
それを知らずに福祉用具なんてどれでも一緒でしょ!
なんていう考え方で合わない福祉用具を使ってしまわないようにしましょう。
円背の方だけではなく、その人その人により適合した福祉用具をご利用いただき、少しでも生活が良くなるように、このコラムの内容がその助けになればと思っております!
というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!
これからも、「介護の三ツ星コンシェルジュ」にて、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!
ではでは





