介護職の半数が異業種からの転職 前職の経験・知識活かせる職場づくりが重要に
公益財団法人介護労働安定センターが7月10日、「令和5年度 介護労働者の就業実態と就業意識調査」の結果を発表しました。
この調査は令和5年度介護労働実態調査として、全国の介護保険サービス事業所から無作為抽出した1万8000件の介護事業所に勤務する5万4000人を対象に実施したもので2万699人が回答しました。
この調査結果を2回にわたり紹介します。
今回は「今の仕事を選んだ理由」「前の仕事を辞めた理由」についてです。
「現在の仕事(職種)を選んだ理由(複数回答)」では「働きがいのある仕事」が最も多く、以下「資格・技能が活かせる」「人や社会の役に立ちたい」「今後もニーズが高まる仕事」「お年寄りが好き」「介護の知識や技能が身に付く」の順です。
男女で特に大きな差が見られたのは「自分や家族の都合の良い時間(日)に働ける」(男性5.9%:女性14.6%)、「資格・技能が活かせる」(男性23.3%:女性32.5%)、「お年寄りが好き」(男性14.7%:女性21.1%)などで女性が男性を大きく上回っています。
一方で、男性の回答率が高いのは「今後もニーズが高まる仕事」(男性31.6%:女性26.3%)、「人や社会の役に立ちたい」(男性29.0%:女性27.9%)などです。
しかし、「他に良い仕事がない」(男性11.0%:女性6.6%)、「特に理由はない」(男性6.7%:女性3.4%)などの消極的な理由もあります。
これだけで一概に論じるのは多少乱暴かもしれませんが、男性は、介護の仕事への向き合い方に関する個人差が強い傾向があると言えそうです。
指導や研修に際しては、こうした点をしっかりと把握する必要があるのではないでしょうか。
次に、回答を年齢別に見てみましょう。
20代などの若い世代では「お年寄りが好き」「身近に介護関係の仕事をしている人がいた」の回答が他年代に比べて多くなっています。
しかし、前者の場合は、入社前に抱いている介護のイメージと実際の現場にギャップを感じる可能性があります。
しっかりとしたフォローが必要かもしれません。
一方で、60代以上になると「生きがい・社会参加」「身近な人の介護の経験から」という回答が多くなります。
回答者の中で前職が介護関係だった人は41.7%でした。
介護以外の福祉関係職、医療関係職だった人も合計すると56.8%で、男女比では女性の方が7.1%高くなっています。
他業種からの転職比率が高い男性については「前職の知識や経験・スキル、ノウハウなどを活かせる立場や働き方」を用意することが、長期就労につながるかもしれません。
なお、年齢別に「前職が介護・福祉・医療業界」の割合を見ると、20歳以上25歳未満では44.2%ですが、35歳以上40歳未満では62.6%になります。
それ以降は次第に低下傾向となりますが、50%以上の高い数値を占めます。
前職が介護関係だった人に、退職した理由を尋ねたところ、30歳前後では「職場の人間関係に問題があった」、30~40代では「妊娠・出産・育児」が、65歳以上では「定年・雇用期間満了」の割合が他の年齢層に比べて高くなっています。
スタッフの定着率上昇を図るのであれば、年齢層などに合わせて有効的な対応策を取っていく必要があると言えるでしょう。
なお「妊娠・出産・育児」が理由の退職は、全体では8.2%ですが、その割合は4年連続で減少しており、2019年度の約4割になっています。
産休や育休、時短勤務、男性の育児休暇取得など、出産・育児と仕事を両立させやすい環境が以前よりも整っていると言えるのではないでしょうか。
介護の三ツ星コンシェルジュ


