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介護職が知っておきたい2024介護報酬改定② 地域密着型サービス・認知症GH・特定施設編

2024年は介護報酬、診療報酬、障害福祉サービス等報酬の3つが同時に改定されるトリプル改定の年。医療福祉業界関係者に注目を集めています。通常は年度初めの4月に施行されますが、診療報酬改定の6月施行に合わせて同時施行となる見通しもあるようです。

介護報酬改定の主点は、①処遇改善加算の一本化、②介護助手人材の活用、③介護ロボット・ICT等の活用、④科学的介護の推進、⑤介護保険自己負担2割層の拡大等ですが、ここでは、介護業界では少数派の地域密着型サービス(小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護)、認知症対応型共同生活介護、特定施設入居者生活介護の改訂について解説していきます。

事業によって明暗。地域密着型サービス

地域密着型サービスですが、まず、小規模多機能型居宅介護の基本報酬は全体的に0.3%の微増、看護小規模多機能居宅介護の基本報酬は全体的に0.1%のプラスとなりましたが、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の基本報酬は、4.4%の引き下げとなりました。
これは2023年度介護事業者経営実態調査での収支差率が11.0%と高かったことが原因のようです。厚労省としては、拡げていきたい地域密着型サービスですが、収支差率によって明暗が分かれたようです。

3サービス共通では、「総合マネジメント体制強化加算」の見直しが注目されています。地域包括ケアの推進と地域共生社会の実現を評価する加算として、加算Ⅰ1200単位/月が新設され、現行の加算(1000単位/月)は加算Ⅱ(800単位/月)への移行となります。
加算Ⅰの取得条件として、加算Ⅱの3項目に加え新たに7項目が追加されました。

認知症対応型グループホーム・特定施設の基本報酬は?

認知症対応型共同生活介護の基本報酬は0.1%の引き上げ、特定施設入居者生活介護は0.7%の引き上げとなりましたが、医療機関との密接な連携が努力義務となり、「協力医療期間関連加算」など各種の加算が新設されました。

両サービスとも施設系となりますので、看取りを意識した加算が加わったようです。
相談・診療を行う体制を常時確保している協力医療機関と連携している場合1月につき+100単位、それ以外の協力医療機関と連携している場合1月につき+40単位加算されるようです。

それ以外に特定施設では、①夜間看護体制加算の見直し(夜勤または宿直での看護職員配置による上位区分の加算が創設)②入居継続支援加算の見直し(単位数は変わらず尿道カテーテル留置、在宅酸素療法、インスリン注射を実施している利用者が追加)③口腔衛生管理体制加算の廃止、④生産性向上に伴う人員配置要件の特例的な柔軟化(見守り機器等のテクノロジー活用によって生産性が向上し、サービスの質や職員の負担軽減が実現できる事業所に限定して、人員配置要件3:1から3:0.9に緩和することが可能。)が導入されます。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)では、①夜間支援体制加算の見直し(見守り機器の導入割合によって夜勤職員の配置要件が僅かに緩和。)が導入されます。

今回の令和6年度介護報酬改定の見直し項目は、訪問介護の報酬減額ばかりが注目されていますが、特養・老健も含め、施設・居住系サービスは他サービス以上に大きな見直しが行われました。
改定内容をしっかりと把握し、必要な対応準備を行く必要がありそうですね。

出典「令和6年度介護報酬改定の主な事項について」(厚生労働省)001230330.pdf (mhlw.go.jp)(2024年03月25日に利用)

介護の三ツ星コンシェルジュ

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