高齢者の疾患①「単なるもの忘れ?病気(認知症)によるもの忘れ」
親の認知症の兆候を早くつかむのが大切
親の介護で会社を辞める原因の多くが、親の”認知症”。
徘徊する、失禁する、怪我をする、ぼやを出す、119番通報をする。
近所の皆様に迷惑をかけるので、1日中一緒にいとかないと…。
そういったことが原因で会社を辞めざるを得ないと追いつめられる…。
でも、そんな症状は急に現れるのでしょうか?
親と離れて暮らしていると、親の状況はわかりづらいもの。でも症状は徐々に表れてきています。
「自分の親が認知症なんて、信じたくない…。」
でも親御さんは、「最近もの忘れがひどく、自分は認知症ではないか?でも診断されるのは怖い。」ともっと怯えておられるはず。
早期発見、早期治療が何事にも大切。認知症だって一緒です。
認知症って、重い症状ばかり思い浮かべていませんか?
認知症は重い症状ばかりではありません。
日常生活で本人や家族に困ることが増えてきたら、認知症の可能性もあります。
どこまでが単なるもの忘れで、どこからが認知症なのか?
確かに認知症は老化によるもの忘れと区別がつきにくい病気です。
「年のせいでしょ」と思う些細な変化に認知症のサインが隠れています。
・”しょっちゅう”同じことを言ったり聞いたりする
・”いつも”探し物をしている
・”ヒントを言っても”人の名前を思い出せない
・”食べたメニューを思い出せない”のではなく”食べたこと自体を覚えていない”ことがある。
こんな日常生活でのやりとりがサインです。見逃さないようにしましょう。
認知症のヒントとは?
公益財団法人認知症の人と家族の会のHPに「家族がつくった 認知症 早期発見の目安」が掲載されています。
日常の暮らしの中で、認知症の始まりではないかと思われる言動を、「家族の会」の会員の経験からまとめたものです。医学的な診断基準ではありませんが、目安として参考にしてください。
いくつか思い当たることがあれば、専門家に相談してみてください。
何でもなければ安心ですし、他の病気が見つかればそれはそれで対応ができます。
是非ともご活用下さい。
出典元:「認知症の人と家族の会」作成「家族がつくった認知症 早見発見の目安」
早期発見が何故大切?どこに相談?
現在の医療技術で認知症を根本的に治療することは困難ですが、早期発見することは以下のメリットに繋がります。
・症状を軽くできる薬や治療により、進行を遅らせることができます。
・認知症が進行した際に自分の生活をどうするか?誰にサポートしてもらいたいか?財産をどう管理するか?とうを周りの家族と一緒に考え、伝える時間が得られます。
・介護の方法やサービス情報を集めることで、重い症状になった場合の備えが出来ます。
認知症について相談したいときは、
本人と相談にいける場合は、最寄りのお医者さま、特に専門医療機関である
・「もの忘れ外来」
・「認知症外来」
・「認知症疾患医療センター」
そのほか、「神経内科」「神経科」「精神科」を標ぼうする病院・クリニックへ、
本人が病院に行きたがらないので家族だけで相談する場合は、「地域包括支援センター」でまずは相談しましょう。
本人が病院に行きたがらない場合は?
本人は認知症かもしれないと感じていても、
「認知症は治らないから、診断されると怖い。」
不安や認めたくないという気持ちから受診をためらう人が多いのも事実。
自分の身になって考えてみたらあたりまえですよね。
不安な症状が出始めている本人は、私たちが考えられないくらい、もっともっと不安を感じています。
そんなときには、
・本人が信頼しているかかりつけ医の先生に「一度、精密検査を受けてみたら?」と勧めてもらう。これは事前に先生にお願いしておくことが肝要です。
・「大丈夫だと思うけど、一度、脳ドックだけでも受けてみる?」と家族から誘ってみる。
・まずは家族だけで「もの忘れ外来」等がる病院に相談に行き、認知症の専門医に相談した上で、他の病気を理由にその病院を訪れ、ついでに「もの忘れ外来」にかかってもらう。
というような方法で、まずは検査を受診してもらうようにしましょう。
その場合の準備として
・今困っていることや不安に思っていること
・日常生活にどんな支障、困難が生じているか
・どのような症状がいつ頃から起こったか
・今までにかかった病気、現在飲んでいる薬
を整理し、専門医にメモで渡すことをお勧めします。