介護施設での暮らし

お話きっかけ集「つむぎ」 11月

時代時代の流行りすたりもあり、各世代の話題は違ってくるもの。
75歳以上が後期高齢者と言っても、95歳の方と85歳の方では話題も変わってきます。
まして、医療・福祉で働く方々は若い方が多く、人生の大先輩である高齢者の方々と長くお話をするのは大変ですよね。
傾聴ボランティア団体の「PORO」では、医療・福祉の世界、高齢者の方々と接する若い世代向けに、お話しきっかけ集「つむぎ」を毎月発行されています。
季節や行事、自然、食べ物、暮らしの中から、お話きっかけ集 つむぎ 高齢者とのおしゃべりが弾むテーマを、月別にご紹介します!

今回はその11月号から、11月(霜月 しもつき)の話題をご紹介します。

11月のキーワード

■文化の日
戦前は『明治節』と呼ばれ、明治天皇の誕生日を祝う日でした。
1946年(昭和21年)のこの日に日本国憲法が公布され、日本国憲法が平和と文化を重視していることから、「自由と平和を愛し文化をすすめる」国民の祭日と定められました。
皇居では文化勲章の授与式が行われます。

■立 冬
冬が立つと書くように、文字通り冬の兆しが見え始める頃。
空気が冷たくなり、「木枯らし」がやってくる季節です。
季節の変わり目で体調を崩しやすく、旬の食材をしっかり食べて体調を整えたいもの。
少し早めに冬支度を始めるのもいいですね。

■学芸会
小学生の頃、学芸会のために劇や合唱、合奏などの練習をした人は多いと思います。
現在は「学習発表会」と呼ばれ内容も変化していますが、昔は保護者や地域の人々に学習成果を観てもらうための大切な行事でした。
高齢者に学芸会の思い出を聞いてみてはいかがですか。

■童謡「たきび」
「さざんか さざんか 咲いた道 たき火だ たき火だ 落ち葉焚き♪」
は、この季節を感じさせる童謡です。
昭和16年にラジオ「幼児の時間―うたのおけいこ」で放送するために作られました。
たき火の光景を見ることは減りましたが、高齢者ならたき火で焼き芋をつくった経験を持っておられるのでは?

■カ ニ
冬の味覚の代表・ズワイガニは、山陰では松葉ガニ、北陸では越前ガニ、京都では間人ガニなどと呼び名が変わります。
11月6日が漁の解禁日で、毎年、新聞やテレビのニュースになります。
江戸時代に、鳥取藩主・池田治道が津山藩主・松平越前守に松葉ガニを贈った記録もあるそうです。

知っておきたい、こんなこと!秋のおしゃれは「カーディガン」から

カーディガンは、男女を問わず幅広い年代の人が持っている万能のはおりもの。
高齢の皆さんにも愛用されている定番アイテムです。

カーディガンの原型は、17世紀のイギリスとフランスのフィッシャーマン(漁師)たちが、仕事着として使用したセーター。
保温性と防寒性にすぐれたセーターでしたが、暑く感じたらすぐに脱げるように、前を開けられるデザインのものが考案されました。
この前開きのセーターがカーディガンと呼ばれるようになったのは、カーディガン伯爵7世が由来とされています。
伯爵がクリミア戦争で負傷したとき、前開きのボタン付きセーターを、保温のために軍服の上に着たことからカーディガンと呼ばれるようになったとか。
カーディガンをうまく使って、風邪など引かないよう気を付けてお過ごしください。

折り紙と日本人の暮らし

平安時代後期から上流階級の人々の間で大事な手紙を折り畳んだり、冠婚葬祭などの儀式で物を和紙で包む習慣が生まれました。
日本ではかつて毎日寝具をきれいに畳んで、和服も畳んで収納しました。
降り畳むことは「きちんとする」に通じることから、日本に折り紙文化が定着したのかもしれません。

江戸時代に紙が普及すると庶民も色付きの和紙で折り鶴や舟などを作るようになり、現在の折り紙の原型ができました。
明治になると、洋紙(上質紙)が大量生産されるようになり、きれいな色が塗られた正方形の折り紙が誕生し、学校の教材に利用され日本中に広まりました。
今や折り紙は世界中で愛され、『ORIGAMI』は万国共通語となっているそうです。

11月11日は「おりがみの日」。
4つの1を組み合わせるとおりがみの形になることから、1980年に制定されました。
高齢の皆さんと一緒に折り紙を楽しんでみませんか。

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