有料老人ホーム三ツ星ガイド訪問記

館内通貨を用いた保険外サービスで、入居者の夢を実現「一家団蘭あさひ」

大阪市旭区のサービス付き高齢者向け住宅「一家団蘭あさひ」は、高齢者住宅入居相談会社を経営していた看舎桂太社長が「自分が理想とする高齢者住宅を造ろう」と考え、別法人を立ち上げ、2018年12月に開設しました。

数多くの高齢者住宅の良い点・悪い点を目にしてきた専門家の視点をもとに、数多くのユニークなアイデアが導入されています。

例えば「保険外サービスの充実」があげられます。
入居者はレクリエーションに参加したり、ホームの仕事を手伝ったり、リハビリに取り組んだりすることで「だん」という館内通貨を入手でき、だんを使って様々な保険外サービスを受けられます。

例えば「3000だん」でスタッフを1時間マンツーマンで自由に使うことができます。
ある入居者は、「だん」を貯めてスタッフに同行してもらい50年ぶりに映画館に行ったそうです。

「この方は、その後数回映画館に行っています。
また、映画に行くために、毎日ホーム内をウオーキングする様になりました。
1日に歩いた歩数に応じて『だん』がもらえるからです」。

レクリエーションは日曜日以外毎日実施していますが、毎回入居者の7~8割が参加するというのも「だん」がもらえることが大きな理由になっています。

「だん」を活用して特別な食事メニューをプラス!

開設2年目からは受けられるサービスのメニューが増え、入居者は日常的に自分の好きなように利用しています。
毎月1回のケアマネジャーとの面談のときに「だん」を使ってコーヒーを奢る入居者もいるそうです。

「2月からは、『だん』で、毎日の食事にお酒など特別なメニューをプラスできる取り組みも始めます。
入居者や家族からの要望については、可能な限り『だん』を活用した保険外サービスで実現していきますので、『これは我儘だろうか』などと思わず、どんどん要望を出して欲しいと思います」

ホーム全体に活気が感じられる理由とは?

また、「家長(ホーム長)を入居者・スタッフ全員の選挙で選ぶ」というユニークな取り組みを昨年初めて実施しました。
正社員であれば勤務歴に関係なく、誰でも立候補できます。
実際に立候補した3名は、写真入りのポスターを館内に掲示したり、利用者の前で演説会をしたりと、本物の選挙さながらの活動を行ったそうです。

当初の狙いは「会社側の観点や都合による異動ではなく、本当に入居者など支持されている人をホーム長にすべき」だったそうですが、
看舎社長は「当落の結果に関係なく、立候補した社員は『自分はどういうホームを作りたいのか』『そのためには何をするべきか』をしっかりとビジョンとして描けるようになりました。
日々の言動も大きく変わり、人材育成という面で非常に効果が大きかったと思います」と実際の選挙の感想を口にします。

このように、他のホームにはない独自の取り組みを行っているため、スタッフも介護の既成概念にとらわれない若い世代が多く、平均年齢は30歳前後です。
ホーム全体に活気が感じられるのは、この点も大きいと言えます。

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