がんシリーズ6. がんの治療について(放射線治療)
「医師×福祉×経営」で感じたことを発信します、レギュラーコラムニストの柏木です。
がん(悪性腫瘍)シリーズの6回目です。
今回は放射線治療についてお話しします。
放射線治療の活躍の場は非常に広い!
放射線は現代の医療の中で、非常に重要な役割を担っています。
最も有名なのはレントゲンやCTのような診断に活用される場面でしょうか。
体が透けて見える、体の中までしっかり検査できるなんて、逆に放射線を活用できなかった頃はどうやってたのでしょうかと思うくらい重宝しています。
放射線治療はこの体を通り抜けていく放射線の特徴を、がん細胞をやっつける治療になります。
放射線量を多くし、がん細胞をやっつけるのに十分な量の放射線を当てる(照射と言います)することで治療します。
もちろん通常の検査で用いる放射線は、体に問題ない範囲に調整しています。
以前、がん治療として手術についてお伝えしました。
手術は体内のがん細胞に到達するためには、正常の体の部分にもダメージが生じます。
一方、放射線治療は切開などはせず、がん細胞が集まっている部位にピンポイントで照射することを目指します。
そのため手術が難しい患者さんにおいても、放射線治療を行うことができるなどの特徴があります。
そのため、非常に多くのがんの治療に関わるのが放射線治療です。
放射線恐怖症?
ここまで放射線治療の特徴について述べてきましたが、ここで皆さんに聞きます。
放射線って聞いて「怖い」と感じませんでしたか?
日本は世界で唯一の被爆国であり、原発事故なども記憶に新しいです。
そのようなイメージと重なってしまうせいか、放射線治療と聞いて「そんな怖いものを体に当てて大丈夫なの?」と感じられる方がおられます。
しかし、ここでいう放射線は人工的に作り出された治療目的の放射線です。
放射線治療の専門の医師が、最も治療効果が期待でき、体に影響が少ない治療計画を立ててくれます。
その計画に基づいて、精密な機械でコントロールされた放射線を照射しています。
もし怖いイメージを抱いておられるとしたら、この機会に安心いただければと思います。
放射線治療の受けられる医療機関
放射線治療は専門の機械がないとできない治療です。
ある程度規模の大きい病院でないとない、特殊な装置です。
また、放射線治療の専門医は非常に少ないです。
こう言った特殊な機器と専門性の高い医師によって、支えられている治療なのですね。
そのため、様々な医療機関やスタッフと連携しながら放射線治療を提供することが重要な役割になります。
皆様がお住まいの地域には、放射線治療ができる医療機関はありますか?
がん拠点病院という認証を受けている病院であれば、多くが放射線治療が可能かと思います。
是非、地域の医療機関の情報を調べてみてください。
まとめ
第6回は放射線治療について述べてきました。
次回は緩和ケアについてお話ししたいと思います。引き続きよろしくお願いします。