失敗しない老人ホームの選び方

失敗しない老人ホームの選び方~ アクティビティ 本当に参加できる?~

老人ホームの1日の過ごし方

皆さんは老人ホームの1日の過ごし方についてどんなイメージを持っておられますか?
ある高級型(月額利用料50万円弱、人員配置1.5:1)のホームの1日の過ごした方を実際にヒアリングして作成してみました。

意外と退屈な1日だと思いませんか?
「結構なお金を払っているんだから、毎日、カラオケや散歩、趣味の活動で埋め尽くされているのでは?」と想像される方も多いと思います。

でも、実際には要介護高齢者は体力も落ちてきているので、食事、おやつ(おしゃべり)、入浴、体操等で精一杯。アクティビティに取り組むのも3回/週程度が丁度よい加減なのかもしれません。

アクティビティとレクリェーションの違い

最近、老人ホームでは「アクティビティ」という言葉をよく使います。
アクティビティケアとは、施設で活き活きとした生活を取り戻すためのケアのこと。
各ホームでは職員が工夫を凝らし心身の活性化のために様々な活動を行っています。

アクティビティケアの例としては、
1.レクレーション(カラオケ、音楽鑑賞、生け花、書道etc)
2.散歩、体操、身体を動かすゲームなどの運動
3.頭の体操(囲碁、将棋、オセロ、トランプ、オンラインゲームetc)
4.食事の前の嚥下体操
これらをケアの一環として行い、喜びや楽しみを見つけだして、活き活き暮らして頂きます。

皆さんが、一般に思っておられるレクリェーションはアクティビティケアの一部なんです。

体や頭を動かすことは、脳の活性化にも繋がりますし、自分に合った活動を行い、楽しみや喜びを見つけ出すことで生活に楽しみを見出せます。
アクティビティケアで特に大切なことは、高齢者の心を動かすことと高齢者に快適を提供すること。
「楽しいなあ」「心地よいなあ」「懐かしいなあ」と感じてもらうことが第一です。

最近、認知症ケアとして、音楽療法やゲーム、環境調整や回想法などの訓練療法、アニマルセラピー、演劇療法、園芸療養等が行われています。

本当に参加できるかが肝心

各ホームとも、最近アクティビティ活動に力を入れ、様々な活動を採り入れています。
ホームに見学に行かれた際に「アクティビティメニューを見せて下さい」と言ってみて下さい。

きっちり、1ヶ月のメニュー表を渡してくれるホームは、アクティビティに力を入れているホームです。
営業マンが口頭で、「毎日、何らかの活動を行っていますよ」とか「主にカラオケです」というホームはアクティビティに力を入れていないホーム。
そういったホームが悪いとは言いませんが、アクティビティに期待してホーム選びをされている方にはふさわしくないホームです。

また、メニュー表で毎日、何らかの活動を行っているように見えても、実際に参加できるかを聞いてみましょう。
ケアの人員不足で、「車椅子の方は、この活動には参加できません」と言われたり、「寝たきりの方は、参加できません。」と言うホームも結構あります。

あるホームに訪問した時、アクティビティ活動一覧を見せて頂き、各活動の参加者を聞いたところ、100名規模の施設で、どの活動も4、5人ということがありました。
平均介護度が2.5程度で重度の方も多いホームなのに、外部講師を多用して軽度の方対象の活動を揃えられているので、実際の参加人数がほとんどいない場合も多数あるようです。

入所前に見学に行き、アクティビティメニューを見て、「お母さんの好きなメニューが一杯。楽しんで暮らしてもらえそう。」と入所しても、参加できなければ元も子もないですよね。

そういうことにならないように、入居対象者の状況をきちんと話し、アクティビティに参加出来るかどうかは必ず確認しましょう。

アクティビティを職員が実施しているホームはホスピタリティマインドが高い

アクティビティを職員自身が考え、自ら実施しているホームはホスピタリティマインドが高いホームと言えます。
入居者一人一人の好みをきちんと把握し、それに応えるアクティビティを実施している。そんなホームが良いホームと言えるでしょう。

3日に1度の散歩でも良いのです。ホームの側の公園に入居者をお連れし、車椅子の方でも外の空気に触れてもらう。歩いていただくことでリハビリにも繋がります。
職員の多寡にかかわらず、職員を散歩に同行させる余裕があるホーム。そういうホームは人繰りの上手な施設長に恵まれたホームと言えます。
逆に多くのスタッフを抱えながら、散歩の付添いを有料サービスにするホームもあります。
そういうホームはNGですね。

アクティビティ活動に取り組む方針一つを見ても、良いホームの見分けがつくのではないでしょうか。

この記事へのコメント

下記入力欄より、この記事へのご意見・ご感想をお寄せください。
皆さまから頂いたコメント・フィードバックは今後の内容充実のために活用させていただきます。
※ご返答を約束するものではございません。

この記事を書いたコラムニスト

佐久間信二 (さくましんじ)

介護事業研究所所長

昭和63年関西学院大学卒業
某大手企業の介護事業子会社の設立・運営に携わり、経営者として売上高20億円企業にまで成長させる
現在、個人で介護事業研究所を設立。個人の皆様に介護事業所の運営・経営に関し情報発信を実施。

お問い合わせ Facebook Twitter