高齢者の病気・疾患

高齢者の疾患⑦ロコモティブシンドロームとは?

要介護の原因となるロコモティブシンドローム

ロコモティブシンドロームとは、「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態 」を表し、2007年に日本整形外科学会によって新しく提唱された概念です。
略称は「ロコモ」、和名は「運動器症候群」と言われます。
運動器とは、身体を動かすために関わる組織や器管のことで、骨・筋肉・関節・靭帯・腱・神経などから構成されるものを言います。

日本の高齢者の要介護の原因の多くは、「高齢による衰弱」「転倒・骨折」「関節疾患」等であり、要介護の原因の40%弱を占めます。要支援の原因では50%程度となり介護の原因に運動器の障害が大きく関わっていることが分かります。

運動器の障害は、運動器自体の疾患によるものと、加齢に伴う運動器の低下によるものがあります。
運動器の疾患の例としては、変形性膝関節症、骨粗鬆症、関節リウマチ、変形性脊髄症、背柱管狭窄症、骨折、四肢・体幹の麻痺、腰痛、肩こりなどがあげられ、加齢に伴う運動器の機能低下としては、四肢・体幹の筋力低下、体力・全身耐久性の低下、筋短縮や筋萎縮による関節可動式制限、関節や筋の痛みなどがあげられます。

これらの原因により、立位・歩行機能やバランス機能、巧緻性、運動速度、反応時間、深部感覚などが低下し、日常生活に介助が必要な状態になってきます。

これにより、ロコモティブシンドロームを原因とした要介護状態が発生するのです。
 

ロコモティブシンドロームを予防するには

ロコモティブシンドロームを予防するには、毎日の運動習慣とバランスの良い食生活が大切です。
運動と言っても、毎日何分足早に歩け!!とか、ストレッチ運動を毎日やりなさい!!と言った大層なものではありません。

例として、片脚立ちやスクワット等、自宅で簡単に安全に行うことができるものがおすすめです。
また、毎日の生活の中で、階段を使う、歩いて買い物に行く等を心掛け、何らかの形で運動の要素を積極的にプラスすることもロコモ予防となります。

市町村の地域包括支援センター等でロコモ予防の運動教室等が積極的に開かれています。
また、高齢者対象のヨガ教室や太極拳等も良いのではないでしょうか?

毎日、何らかの運動習慣をつけること。それが要介護状態の予防となります。
 

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