介護施設のちがい

介護施設のちがい⑧ 様々なタイプが混在。サービス付高齢者向け住宅とは?

「サービス付き高齢者向け住宅」という名前は、皆様も一度は耳にしたことがあると思います。
たとえば、直近ですと2019年4月20日付けの日本経済新聞の記事で取り上げられています。

これまで、様々な介護住宅・介護施設をご紹介してまいりましたが、「サービス付き高齢者向け住宅」とはどういった施設なのでしょうか?
私たちと一緒に見ていきましょう。
 

サービス付高齢者向け住宅の定義とは?

国土交通省のホームページによりますと、サービス付高齢者向け住宅とは、
「高齢者の居住の安定を確保することを目的として、バリアフリー構造等を有し、介護・医療と連携し高齢者を支援するサービスを提供する住宅で都道府県知事への登録が必要」となっています。

さらに、
〇登録基準として
・住宅:床面積(原則は25㎡以上)、便所・洗面設備等の設置、バリアフリー化
・サービス:サービスを提供すること。少なくとも安否確認・生活相談サービスを提供。
・契約:高齢者の居住の安定が図られた契約であること。前払家賃等の返還ルール及び保全措置が講じられていること

〇事業者の義務として
・入居契約に係る措置(提供するサービス等の登録事項の情報開示、入居者に対する契約前の説明)
・誇大広告の禁止

〇指導監督として
・住宅管理やサービスに関する行政の指導監督(報告徴収・立入検査・指示等)

要は、
・居室面積が25㎡以上*
・トイレ・洗面が居室内にあり
・すくなくとも安否確認サービスと生活相談サービスが受けられる施設
・行政の指導監督下におかれている。
これがサービス付高齢者向け住宅です。
*共用部分を按分し足し合わせて、1室あたり25㎡以上あれば18㎡でも可

居室面積だけ見ると、特別養護老人ホームの個室の面積基準が10.65㎡(もちろん多床室もあります)、有料老人ホームの個室の基準が13㎡(原則、個室)なので、「おっ!居室面積は広いんだな」ということのみわかります。

それ以外に関しては、「なんじゃそりゃ???」ですよね。
建物の情報の次に、サービスの内容を見てまいりましょう。

2つの”種類”があるサービス付高齢者向け住宅

巷に存在するサービス付高齢者向け住宅を見ると2種類に分かれます。

当コラムは、これを①「ケアハウス」タイプ②「住宅型有料老人ホーム」タイプとに分け説明していきます。

①「ケアハウス」タイプとは、「ほぼ身体的に自立だけれど、一人で生活するのはちょっと不安というご高齢者向けのタイプ」です。
当コラムサイトでも、「ケアはあまり提供しないけど。 ケアハウスとは? 」のコラムにおいて説明をしております。
リンク:「ケアはあまり提供しないけど。 ケアハウスとは? 」
こちらは、入居時に基本的に自分のことは自分で出来る方が入居対象となり、中度程度の介護が必要になったり、認知症が発症したりすると退居となります。

②「住宅型有料老人ホーム」タイプとは、基本、要介護認定を取得した方が入居する住宅となります。
こちらも当コラムサイトに掲載しています、「民間の英知の結集 住宅型有料老人ホームとは?」の解説をご覧ください。
 

①「ケアハウス」タイプの実態

一言で「ケアハウス」タイプと言っても、事業者の工夫で様々なタイプがあります。

A.医療法人が運営し、病院や同一法人が運営する老人保健施設(老健)に併設しているタイプ。

こちらは、普段はバリアフリーの賃貸住宅に住んでいる感覚で生活が出来ます。
サービス付高齢者向け住宅には日中は生活相談員がいるだけで、夜間の人員配置等はないですが、非常ボタンを押せば「老健」等の職員が駆けつけてくれる場合が多いです。

軽介護状態になると系列の訪問介護事業所や、他社の訪問介護事業所等から介護サービスを受けれるよう、生活相談員が手配してくれます。

病気になれば、系列の病院へ入院でき、退院後は系列の老健でリハビリ、そして再びサービス付高齢者向け住宅に戻ります。

重度の介護状態になると基本退居です。

B.社会福祉法人、民間の介護事業者が運営し、同一法人が運営するグループホームや特別養護老人ホーム、介護付有料老人ホーム等の介護施設に併設しているタイプ。

こちらも、普段はバリアフリーの賃貸住宅に住んでいる感覚で生活が出来ます。

サービス付高齢者向け住宅には日中は生活相談員がいるだけで、夜間の人員配置等はないですが、非常ボタンを押せば併設する施設の職員が駆けつけてくれる場合が多いです。

軽介護状態になると系列の訪問介護事業所から介護サービスを受けれるよう、生活相談員が手配してくれます。
重度の介護状態や認知症が発症すると、併設する事業所への転居となります。

どちらも、併設する施設がある場合は安心ですね。
このタイプを選択する場合は、併設する介護施設等のタイプに注意しましょう。

このタイプはあまりその存在を世の中に知られていません。

入居を希望する場合は、専門家に相談することが賢明です。

②「住宅型有料老人ホーム」タイプの実態

(左写真:積水ホームテクノ社製の特殊浴槽機械。「住宅型有料老人ホーム」タイプのサービス付き高齢者向け住宅ではこういった設備を導入しています。)
こちらも、事業者の工夫で様々なタイプがあります。

世間でいう「サービス付高齢者向け住宅」の大半がこのタイプとなります。
要は、特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームの整備不足の受け皿として、民間事業者が「住宅型有料老人ホーム」か「サービス付高齢者向け住宅」を選択して増やしてきました。

建物的には、サービス付高齢者向け住宅の方が有料老人ホームより基準が厳しいだけ立派です。
ただ、その分、利用料が少し高めに設定されています。

サービス内容は、「民間の英知の結集 住宅型有料老人ホームとは」と全く同じです。
詳細はそちらをご覧ください。
リンク:「民間の英知の結集 住宅型有料老人ホームとは」

我々専門家も、住宅型有料老人ホームとサービス付高齢者向け住宅の違いを簡潔明瞭に説明することが出来ません。
もっと言えば、特養、介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅のサービスの違いを説明することにも苦慮しているのが実情です。

「介護施設の種類・違い」というのは、本当に色々ややこしいですので、ホームを選択する場合は、是非とも、専門家にご相談ください。

株式会社ベイシスのご紹介

株式会社ベイシスでは、サービス付き高齢者向け住宅のみならず、各種の介護施設を紹介いたします。
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