介護施設のちがい

老人ホーム9種 種類と特徴は?

「老人ホーム!!」一言で言いますが、あなたはどんなところを想像しますか?
草彅剛主演の「任侠ヘルパー」の舞台は特別養護老人ホーム、サスペンスドラマ等でよく出てくる海辺の高級施設。これは有料老人ホーム。
高齢者向け介護施設には、運営主体・運営目的、入居条件、入居対象者などによって様々な種類があります。

でも名前が「老人ホーム」でくくられているので違いや特徴がよくわからない、という人も多いのではないでしょうか?

今回のコラムでは、介護施設の種類について解説し、それぞれの違いについてご紹介したいと思います。
 

入居対象が入居者の心身の状況により大きく2種類に分かれる

老人ホームは、「自立の方を対象とし、要介護状態になっても終の棲家としてすごせる施設」と「要介護の方を対象とした施設」の二種類に分けられます。

まず心身ともに健康で将来に不安がある方が入居を考える老人ホームというと、有料老人ホームの混合型。
高齢者の心身の健康を保ち生活を支えるために必要な、食事・介護・家事・健康管理のサービスを提供しています。

主に民間会社が運営し、豪華な共用施設、広い居室を備え、要介護状態になった場合には、専用の介護居室に移動し、終の棲家としてくらせるいずれかのサービスを提供している住まいのことを指します。
入居するために数千万円程度のに有巨一時金が必要な施設がほとんどです。

要介護状態で入居する老人ホームとは

要介護状態になって、自宅での介護が難しくなった段階で入居を考えるホームというと、
特別養護老人ホーム、介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホームの3種類があります。

特別養護老人ホームは、自治体や国に運営を依頼され社会福祉法人が運営しています。
利用料金が安いため(所得によって異なりますが、0円~12万円/月程度)大変人気があり、事業所により数百人の待機者がいたために、入居条件が要介護3以上と改められました。
特別養護老人ホームの待機者が多いため、その受け皿として民間が立地を推進したのが有料老人ホーム。
高齢者人口が少ないころは、「公共」の特別養護老人ホーム、「民間」の高級型有料老人ホーム(混合型:前述)と棲み分けていたのですが、最近は有料老人ホームと言えば、要介護者対象のホームが主流。
大きく分けて「介護付有料老人ホーム」と「住宅型有料老人ホーム」の2種類があります。

「介護付有料老人ホーム」は特別養護老人ホームの民間版。
人員配置基準(介護職、看護職等ケアを行う人員)も特別養護老人ホームと同様以上を国に義務付けらています。
介護付有料老人ホームは、自治体の介護保険上の「特定施設」の許認可が必要となり、許認可を得るために自治体の様々な審査を受ける必要があります。

また自治体により室数制限もあるため、自治体によりこちらも待機者がある場合もあります。
特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームのように自治体の許認可が必要ないのが「住宅型有料老人ホーム」。
こちらは民間の英知の結晶と言える老人ホームです。

運営会社により利用料金、配置人員、提供サービスも様々ですので、自身の希望に合うホーム選びが必要となります。
 

各老人ホームの特徴は?

それでは、以下、各ホームの特徴を説明していきましょう。
◆特別養護老人ホーム(特養)
【特徴・入居条件】
要介護3以上で65歳以上の高齢者。
【費用】
月0~13万円(入居者の所得、財産、個室、多床室により細かな規定あり)
特別養護老人ホーム(特養)とは、在宅での生活が困難になった要介護の高齢者が入居できる公的な介護保険施設。
社会福祉法人や地方公共団体が運営しており、「介護老人保健施設(老健)」「介護療養型医療施設」と並んで「介護保険3施設」と呼ばれています。

各自治体の財源問題もあり整備できる室数に制限があるため待機者が多く、そのため入居要件が2015年から厳しくなりました。原則「要介護度3」以上が入居条件となり、比較的重度の要介護状態か認知症を患っている人が優先的に入居を認められます。
また、2002年からはユニット型が制度化され、すべて個室で10人程度を1つのユニットとして少人数の介護を推奨していますが、2人以上で一つの部屋を使用する在来型(多床室)の施設もまだ多くあります。
有料老人ホームと同様にレクリエーションの提供などもありますが、寝たきりの人も多く入居していることから、どうしてもサービスの比重としては身の回りの世話が多い傾向が見られます。

看護師に関しては日中はおりますが、夜間に関しては配置義務はないため、医療ケアを常時必要とする方の対応は施設によっては難しく、入居不可となる場合もあります。

(参考)介護老人保健施設(老健)
【特徴・入居条件】
「機能回復」のための「短期入所」施設になります。入居の基準は要介護1以上の方で、要支援の方は入居することはできません。
【費用】
月7~14万円(多床室、個室により細かな規定あり)
介護保険法第8条第28項により定められた、厚生労働省が管轄するサービスです。
主に医療ケアやリハビリを必要とする要介護状態の高齢者(65歳以上)を受け入れています。
医師による医学的管理の下、看護・介護を提供する施設で、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)などの専門職によるリハビリを受けられることが一番の特徴です。

しかし、あくまで自宅に戻ることを想定とした訓練とそれに伴う介護サービスの提供になるため、原則3カ月の短期入所になり、3カ月ごとに退所判定がおこなわれます。
長期での入居が難しいため、老人ホームの転居が必要で次の施設がなかなか見つからない場合などに、老健に一時的に入居して空きを待つ、という事も考えられます。
(参考)介護医療院(介護療養型医療施設)
【特徴・入居条件】
高度な医療管理下にある「介護付きの病院」になります。
長期滞在は原則認められていません。
要介護1以上の高齢者であることが入居の条件になります。
【費用】
特別養護老人ホームと同様に低額で入居が可能ですが、医療費が大幅にかかるケースも想定されます。
介護と同時に、在宅では難しい日常的な医療を必要とする高齢者向けの介護保険施設。
医療ケアが非常に充実しており、要介護度が高い方でも安心して入所できます。病院の機能を持つ施設のため、老健と同じく元気になったら退院するという原則の短期入居を想定しています。
介護医療院は、これまでに療養病床が提供してきた医療+介護に加え、住居スペースの確保や生活支援、そしてターミナルケア(看取り)までの入居が可能です。

◆介護付有料老人ホーム
【特徴・入居条件】
専門の介護スタッフによるサービスが受けられる。
原則65歳以上が入居可能ですが、施設によっては要介護度が条件となる場合もあります。
【費用】
月22万円程度(運営会社により大きく異なります。10万円/月~60万円/月※初期費用として入居一時金が必要な施設もあります。)
自治体に「特定施設入居者生活介護」と呼ばれる認可を受けた施設。
介護付有料老人ホームは、専門の介護士が24時間常駐しているので、ADL(日常生活動作)が衰え、一人暮らしが難しくなった高齢者も安心して生活を送ることができます。
サービスは、食事サービス、清掃・洗濯などの生活支援サービス、入浴・排せつ介助などの介護サービス、リハビリ・機能訓練、レクリエーション・イベント等のアクティビティなどが入居者の状態に合わせて提供されています。

◆住宅型有料老人ホーム
【特徴・入居条件】
外部の介護サービスを利用する60歳以上なら基本的に誰でも入居することが可能。
【費用】
月15万円程度(運営会社により大きく異なります。10万円/月~60万円/月※初期費用として入居一時金が必要な施設もあります。)
住宅型有料老人ホームは、有料老人ホームのなかでは最も多くの施設数がありますので、入居者は要介護度に合わせてさまざまな施設から選ぶことができます。
「介護付」との大きな違いは、外部の介護サービス(訪問介護など)を利用することが前提となっているため、各入居者の健康状態に応じた柔軟な介護が提供される点です。
月々の基本利用料は、「介護付」よりは低く抑えることができます。
そのほかの安否確認、食事・清掃の提供、緊急時の対応、買い物などの生活援助、レクリエーションの提供などは施設のスタッフが提供するため、「介護付」と同等の安心感や充実度を満たしていると言えます。

住宅型有料老人ホームは、自立・要支援・要介護の方が入居でき、食事サービス、清掃・洗濯などの生活支援サービス、医療機関提携・緊急時対応などの健康管理サービス、レクリエーション・イベント等のアクティビティなどが受けられる施設です。

(参考)認知症対応型グループホーム
【特徴・入居条件】
要支援2以上で原則65歳以上の認知症高齢者で、施設がある自治体に住民票を持つ方が入居できる施設です。
【費用】
月額15万円程度(運営事業者により様々※初期費用として入居一時金が必要な場合があります。)
地域密着型サービスの一つで、認知症高齢者を対象に少人数で共同生活をする施設です。
5~9人を1ユニットとする少人数で、専門スタッフから介護サービス、機能訓練等を受けながら、料理や掃除などの家事を分担し共同生活を送ります。そのため、認知症ケアのできる介護職員やリハビリテーション、レクリエーションを行う職員が配置されています。

家庭的な環境で自立支援と精神的安定を図り、症状の進行を遅らせることを目指しています。

(参考)サービス付高齢者向け住宅
【特徴・入居条件】
有料老人ホームが厚生労働省管轄なのに対し、国土交通省が管轄している高齢者施設がサービス付き高齢者向け住宅。介護サービスを受けながら暮らしていけるための環境が整備された集合住宅。
入居へのハードルは低いですが、要介護度が高くなると退去しなければならない場合もあります。
有料老人ホームと同様、「特定施設」の認可を受けたものを介護付きサービス付高齢者向け住宅と言い、それ以外の者は、有料老人ホームで言う「住宅型」と同様です。
【費用】
月額料金は15~25万円。一般のマンションやアパートに比べてやや高めの施設になります。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢者が安心して生活できるために介護・医療と連携し、高齢者の安心を支えるサービスを提供するバリアフリー構造の住宅です。
(参考)軽費老人ホーム/ケアハウス
【特徴・入居条件】
自立した生活に不安があり、身寄りのない高齢者が、自治体の助成により低価格で入居できる施設です。
【費用】
月々6~15万円+入居一時金数十万円(※所得により細かく規定されています)
地方自治体または社会福祉法人によって運営される集合住宅で、費用面で有料老人ホームより低額に抑えられるのが特徴です。
管理人が常駐していて安否確認や生活相談をおこなってくれますが、「一般型」は介護が必要な場合は外部の訪問介護サービスを利用することになります。
「介護型」は要介護1以上の方が対象となり、その施設のスタッフから介護サービスを受けることができます。

「介護型」の中には食事の提供がある(A型)と提供がない(B型)、ケアハウスの三種類があります。
 

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