介護以外について

増加する「介護系インフルエンサー」 人材採用や利用者募集でどこまで活用できる?

 YouTubeやInstagram,TikTokなどのSNSを使って様々な情報発信をする人たちをインフルエンサーといいます。その中には多くのフォロワーを抱え、テレビタレントなどよりも強い影響力を持っている人もいます。
 
 そして、このインフルエンサーの中には「介護系」と呼ばれる人たちもいます。自身が介護職だったり、ケアラー(家族を介護している人)だったり、介護事業者と関わる立場にある人たちが、介護保険サービスの使い方や、介護技術といった実用的な情報・ノウハウだけでなく、介護業界の裏話やあるある話、スタッフの愚痴などをネットにアップしています(そうした点で言えば、このコラムもその一種かもしれません)。

 私も、そうした「介護系インフルエンサー」を何人もインタビューしてきました。現職の介護職という人も多くいましたが、殆んどは「現在の具体的な勤務先は明かせない」という対応でした。中には「副業禁止の規定に引っかかるため、勤務先には秘密で活動している」という理由の人もいましたが、インフルエンサーの中には顔や名前を出している人もいますし、職場にもインフルエンサーとして活動していることを伝えている人もます。それなのに「勤務先は秘密」なのは、勤務先が「社名などを出すのは禁止」としているケースが多いと考えられます。では、なぜ勤務先はそう考えるのでしょうか?
 

 介護事業所で働きながらモデル活動を始めた女性がいました。しかし、勤務先の反応は「モデル・芸能人といったチャラチャラしたイメージが法人や事業所についてしまうのは好ましくない」と芳しいものではありませんでした。ここに限らず介護や医療業界では、こうした考えの事業者が多いのではないでしょうか。

 結局、この女性はモデル活動をするために独立・起業の道を選びました。起業後は、活動の場が広がり、介護職としてメディアに登場する機会も増えました。彼女が元の職場のままで活動していたら、きっと法人や事業所の知名度向上につながったのではないでしょうか。
 

 介護事業所で働きながらモデル活動を始めた女性がいました。しかし、勤務先の反応は「モデル・芸能人といったチャラチャラしたイメージが法人や事業所についてしまうのは好ましくない」と芳しいものではありませんでした。ここに限らず介護や医療業界では、こうした考えの事業者が多いのではないでしょうか。
 
 結局、この女性はモデル活動をするために独立・起業の道を選びました。起業後は、活動の場が広がり、介護職としてメディアに登場する機会も増えました。彼女が元の職場のままで活動していたら、きっと法人や事業所の知名度向上につながったのではないでしょうか。

 現役の介護職として働くあるインフルエンサーは、勤務先と交渉して週5日勤務を4日勤務にしてもらい、1日はインフルエンサー活動に専念することにしました。その後「職場のことを発信するので、その分を報酬としてもらいたい」という申し出をし、職場がそれを受け入れています。これにより、インフルエンサーとして自分の好きなことをしながら収入を得ることができるようになりました。一方で、職場としては、それほど高くない費用でインフルエンサーを通じて世間に広くアピールできるというメリットが生じます。

 今は「何もしなくても、利用者・従業員が確保できる」という時代ではありません。またホームページの開設やFacebookを始めたぐらいでは、大した差別化にはなりません。身内に発信力のあるインフルエンサーがいるならば、その力を最大限に活用する方法を考えましょう。

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この記事を書いたコラムニスト

西岡 一紀 (ニシオカ カズノリ)

なにわ最速ライター

介護・不動産・旅行

介護系業界紙を中心に21年間新聞記者をつとめ、現在はフリーランスです。
立ち位置としてじ手は最もキャリアが長い介護系が中心で、企業のホームページ等に掲載する各種コラム、社長や社員インタビューのほか、企業のリリース作成代行、社内報の作成支援などを行っています。

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