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テレワークで進む社内コミュニケーションの希薄化 Withコロナ・Afterコロナ時代の働き方に必要な「雑談できる場」

経団連「出勤者7割減の見直しを」

一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)が11月8日、政府が新型コロナウイルス感染拡大対策として呼びかけてきた、テレワークなどによる「出勤者数7割削減」について、「科学的な知見を踏まえ、なくしていく方向で見直すべき」と提言しました。
出勤者数の抑制について「一律だと、いろんなところで経済活動を妨げる」として、経済的な悪影響を指摘しています。

新型コロナ拡大防止の観点から、多くの企業がテレワークを導入するようになって1年半以上が過ぎ「本当にオフィス内で顔を突き合わせなければできない仕事はそれほど多くない」ことに多くの企業・従業員が気づきました。
またテレワークは、通勤時間がなくなることでストレスが減る、体力的に楽、自分の時間を確保できるなど多くのメリットを働く側に与えました。
そのことについては経団連もよく理解しており、8日の会見でも「テレワーク自体はやってみて非常によかった、という意見もかなりある」と、多様な働き方を認める観点から続けるべきだと述べています。

「何気ない会話」が新ビジネスを生む

このようにテレワークのメリットは経団連も認める一方で、デメリットもこの1年半強の間に浮き彫りになっています。その一つが「社内のコミュニケーションの希薄化」です。

皆さんの中には、会議室の中では全く進まなかった経営課題の解決や新商品・サービスの企画が、トイレや給湯室、エレベーターの中などでのちょっとした立ち話や、外回りの最中に立ち寄ったカフェでの会話がヒントになって解決した、という経験を持つ方も多いかと思います。
このように「会議や打ち合わせとは言えないレベルの意見交換」「雑談」が新たなアイデアを生み出す重要な機会となることは少なくありません。
 
その認識は企業も同様です。
今から20年ほど前、大手企業の間でオフィスのレイアウトを見直す動きが盛んに起こりました。
具体的には、従業員が固定のデスクを持たずにオフィス内の好きな場所で仕事をできるようにする、営業部と商品開発部など別の部署をひとつのオフィス内に同居させるなどです。
これらの取り組みが目指すのは「なるべく多くの社内の人、特に違う部署の人とコミュニケーションを図ることでのビジネスの創出」です。
こうした取り組みを行ったある会社の経営者は「当社には『サボる』という言葉がない。
他の部署や休憩室に行って雑談することも『いい仕事をするためには必要』と考えている」とコメントしています。

ところが、従業員が顔を合わせないテレワークは、そうした機会を奪ってしまいました。
時間がきっちり決まっているZoom会議では雑談はなかなかできません。
また、文字として記録が残ってしまうLINEやメールでは言いにくいこともあるでしょう。
こうした中で「リアルなコミュニケーションの場が必要」と企業は考えています。
それが今回の経団連「出勤者7割減の見直し提言」の要因の一つになっているとも考えられます。

ニュースタイルのテレワーク構築を

しかし、現実的に多くの業務がテレワークで実施できた、という「実績」がある以上、「全従業員が9時から5時まで出勤せよ」と命令するには無理もあります。
こうした中で考えられるのがシェアオフィス・コワーキングスペースの活用です。
例えば「週に2日 シェアオフィス・コワーキングスペースに出勤する」などのルールを設ければ、リアルなコミュニケーションの促進も図れますし、テレワークも続けられます。

「テレワークで対応できる業務は多い」ことを企業も働く側も認識した以上は、100%コロナ禍前の働き方に戻ることはありません。
ただし、現在のテレワークがコロナ禍というイレギュラーな事態に緊急的に対応したものであるため、完璧なものでないのも事実です。
コロナ禍が収まりつつある中(もちろん、この先の状況は誰にもわかりませんが)では、コロナに関係ない「ニュースタイルのテレワーク」の構築がどこの企業でも必要になるでしょう。
それは、社員のリアルコミュニケーションを図れ、自宅やカフェなどに比べて集中して仕事に取り組める環境が整っているシェアオフィス・コワーキングスペースを効果的に活用したものになるのではないでしょうか。

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